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概要

抄集録

36O-071 投球障害肘を発症しない少年野球選手の身体機能特性齋藤梨央1),仲島佑紀1)1)医療法人社団紺整会 船橋整形外科市川クリニックkey words 投球障害肘・野球肘検診・身体機能特性【目的】 我々は先行研究において、当院の肘検診活動地域における投球障害肘発症と身体機能・環境との関連を縦断的に調査し、胸郭柔軟性や練習時間が抽出された(全国PT学会,2016)。しかし成長期少年野球選手において投球障害を発症しない選手の身体機能特性についても追究することが必要だと考えている。そこで本研究は、投球障害肘を発症しない少年野球選手の身体特性・機能を縦断的に調査することを目的とした。【方法】 対象は野球肘検診に2 年連続で参加した134 名のうち、初回検診時に既往歴・現病歴のない111 名(10-12 歳、身長140.3 ± 6.7cm、体重33.7 ± 6.7kg)とした。2 年目の検診時も肘痛発症のなかった78 名を無痛群、肘痛を発症した33 名を有痛群とした。調査項目は年齢、身長、体重、広背筋テスト、投球側・非投球側股関節自動屈曲角度、投球側踵殿部距離、片脚立位テスト、サイドジャンプ距離の計9 項目とした。サイドジャンプは実測値を身長で除した値を用いた。統計解析として肘痛発症の有無を従属変数、調査項目を独立変数として多重ロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を行った(p < 0.05)。統計ソフトはR2.8.1 を用いた。【説明と同意】 本研究は、ヘルシンキ宣言に基づき対象者・保護者へ研究の目的、内容を十分に説明し同意を得たうえで行った。【結果】 無痛群で有意な関連を示した項目は、サイドジャンプ身長比(p = 0.03、オッズ比:1.89、カットオフ値86%)、投球側踵殿部距離(p = 0.04、オッズ比:0.47、カットオフ値7cm)の2 項目であった。【考察】 本研究結果において、無痛群では下肢支持機能を反映するサイドジャンプ身長比、股関節前面の柔軟性を反映する投球側踵殿部距離の2 項目が抽出された。投球動作に必要な運動要素である下肢機能の運動発達が有痛群に比べ優れていたと考えられる。よって、下肢支持機能・柔軟性の獲得が上肢に依存しない適切な投球動作を可能にすることが示唆された。O-072 青少年野球選手の腰痛に関する実態調査~第一報 スポーツ現場における二次予防に向けて~中村俊文1),大出拓弥1),都丸泰助1),橋川拓史1),寺門淳1)1)北千葉整形外科key words 腰痛有訴率・受診率・診断【目的】 野球現場における腰痛の実態を把握し,予防の一助とすることを目的とする.【方法】 2016 年12 月から2017 年3 月の間に,リトルシニア中学野球チームに所属する146 名,高校野球部に所属する94 名の計240 名に対しアンケート調査を行った.調査項目は腰痛有訴率,整形外科受診率,検査・診断内訳,疼痛誘発動作とした.【結果】 腰痛経験のある選手は240 名中100 名(41.6% ) であり,そのうち整形外科受診者は100 名中39 名(39.0% )であった.アンケートにより渉猟し得た中での診断内訳は,腰椎分離症19 名(49.0% ),腰椎椎間板ヘルニア1名(2.0% ),確定診断が不明な腰痛19 名(49.0% ) であった.検査内訳は,X 線のみ,またはX 線以外の検査が不明な選手16 名(41.0% ),MRI 撮影者15 名(38.5% ),MRI とCT 撮影者8 名(20.5% ) であった.疼痛誘発動作では,腰痛有訴者100 名中57 名(57.0% ),受診した選手では39 名中28 名(71.8%)が伸展時痛を有していた.【考察】 野球現場において青少年野球選手の腰痛有訴率は高いが整形外科受診率は低かった.診断内訳は,腰椎分離症の割合が高いため,野球現場において念頭におく必要があると考えた.検査内訳の結果より,確定診断が困難であり,正診率が低いことが予測される.疼痛誘発動作では伸展時腰痛を有している選手が半数以上であった.当院では伸展時腰痛を有している選手の56.1%が初期の腰椎分離症であり,MRI とCT から総合的に治療方針を判断する必要があると過去に報告している.このことより,受診していない選手や,確定診断のための検査が不十分な選手の中には腰椎分離症が隠れている可能性が考えられる.以上のことより,野球現場での腰痛に対する早期発見,早期治療が重要であり,確定診断の上で適切な治療展開,腰痛に対する認識の改善が必要であると考える.【倫理的配慮】 本研究はヘルシンキ宣言に基づき,対象者には書面及び口頭にて説明し同意を得た上で調査を行った.