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概要

抄集録

35O-069 ACL 損傷者の筋収縮特性千葉康平1),楠本泰士2,3),中里彩祥子4),細田梨恵5)1)日本赤十字社医療センター2)南多摩整形外科病院3)東京工科大学 医療保健学部 理学療法学科4)総合川崎臨港病院5)麻生リハビリ総合病院key words ACL損傷・筋収縮特性・筋収縮速度【目的】 これまで,ACL 損傷の報告が多くされているが,ACL損傷者の筋収縮特性についての報告はない.また,ACL損傷はスポーツ競技者に多く,下肢機能の左右差はパフォーマンス低下や障害につながるが,これらの検証を行った報告はない.そこで本研究では,1 年以上前にACL を完全損傷した者の大腿直筋の筋収縮特性の左右差を明らかにすることを目的とした.【方法】 ACL 損傷者12 名と健常者93 名に対し,測定を行った.ACL 損傷者では非利き足損傷を除外した8 名( 損傷群) を対象とした.健常者のうち利き足,性別,大腿周径でマッチングを行った8 名( コントロール群) を対象とした.筋収縮特性の評価方法は,電気刺激を皮膚表面から筋に加え,その際の形状変化から筋収縮特性を測定するTensiomyograph 法を用いた.測定項目は,遅延時間,収縮速度,持続時間,最大変位,弛緩時間とした.遅延時間は電気刺激から最大収縮の10%の収縮が起こるまでの時間,収縮速度は最大収縮の10%から90%までの時間,持続時間は最大収縮の50%から最大収縮から50%弛緩するまでの時間,最大変位は最大収縮の90%の筋腹の変位量, 弛緩時間は最大収縮90%から50%まで弛緩するまでの時間である.各群毎に利き足,非利き足の筋収縮特性のパラメーターを対応のないt 検定で検討した.本研究は東京工科大学倫理委員会の承認を得た.(承認番号:E16HS-030 号)【結果】 コントロール群の利き足,非利き足の筋収縮特性のパラメーターで有意差はみられなかった.損傷群では収縮速度でのみ有意差がみられ,利き足の収縮速度が非利き足より遅かった.【考察】 損傷側下肢の収縮速度が遅かったことから,ACL を完全損傷し,1 年以上経過した時点で損傷側下肢の最大筋力を素早く発揮することが困難と示された.そのためスポーツ選手のACL 損傷者において収縮速度向上に着目したトレーニングを行うことでパフォーマンス向上や障害予防を図ることが可能と示唆された.O-070 腰椎伸展時痛を有する少年野球選手の身体機能特性工藤雅也1),伊牟田真樹1),三上 紘史1),仲島 佑紀1)1)医療法人社団紺整会 船橋整形外科市川クリニックkey words 少年野球選手・腰部障害・身体機能特性【目的】 野球選手は年代とともに腰部障害の有病割合が上昇する。腰椎伸展時痛は腰椎分離症など脊椎後方構成体の障害で誘発されやすく、現場でのスクリーニングによる早期発見は重要であると考える。腰部症状を有する高校野球選手以上の身体機能特性の報告は散見されるが、少年野球選手を対象としたものはみられない。本研究の目的は、腰椎伸展時痛を有する少年野球選手の身体機能特性を検討することとした。【方法】 対象は少年野球チームに所属する4-6 年生の小学生412 名とした。方法は、腰椎ストレステスト、身体機能評価を行った。腰椎ストレステストは立位にて腰椎伸展を行った。身体機能評価は1) 投球側踵臀部距離 2)SLR 3)股関節屈曲可動域 4) 股関節内旋可動域 5) 股関節外旋可動域 6) 体幹回旋可動性検査 7) 広背筋テスト 8) 片手フロントブリッジ 9) 両脚三段跳び 10) サイドジャンプを行った。2)-6) は投球側、非投球側を測定した。腰椎ストレステストにて有痛群、無痛群に分け、実測値を測定した項目はMann-Whitney U 検定、可・不可で測定した項目はχ2 検定を用い二群間で比較した。有意水準は5%とした。【説明と同意】 本研究はヘルシンキ宣言に基づき、対象者への倫理的配慮を行った。【結果】 非投球側SLR において有痛群61.0 ± 9.2°、無痛群67.2 ± 12.2°であり有痛群が無痛群に比べ有意に低値であった(p=0. 005)。【考察】 本研究結果では有痛群において非投球側SLR のみ有意に低値を示した。SLR の制限因子としてハムストリングスの柔軟性低下が挙げられ、投球動作でのfoot contact時における非投球側股関節伸筋群の遠心性収縮の反復により生じる可能性がある。非投球側ハムストリングスの柔軟性低下は骨盤前傾を制限し、野球競技動作において腰部に過度な伸展ストレスを生じていると考える。そのため、腰椎伸展時痛を有する少年野球選手におけるハムストリングスの柔軟性改善は重要と考える。