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概要

抄集録

29O-057 回復期病棟入院患者における退院後の生活実態調査 退院時評価による退院後の生活予測は可能か?服部将也1),小田内友輝2),宮下遥香2),宮田一弘2),八木巌1)1)平成日高クリニック 総合ケアセンター2)日高病院リハビリテーションセンターkey words 退院後の生活予測・生活空間・移動頻度【目的】 理学療法場面では、患者が退院時に想定した通りの生活を退院後に送れているか不明確なことが多い。本研究では、退院後の生活実態を明らかにすると共に退院時評価と生活実態の関係を調査し、退院後の生活を想定するうえでの留意点や評価の有用性を検討した。【方法】 対象は認知機能低下がなく、屋外歩行が監視または自立で自宅退院に至った患者34 名(年齢75 ± 10.1 歳、要支援が6 名、要介護1-3 が28 名)とした。疾患内訳は、脳血管疾患15 名、整形疾患19 名であった。退院時に退院2 ヶ月後の生活状況を予測してもらい、退院2 ヶ月後に実際の生活状況を電話で確認した。生活状況はLife Space Assessment をもとに生活空間と移動頻度を評価した。退院時の予測と実際の生活状況が一致した者を一致群、一致しなかった者を非一致群とした。予測と実際の生活状況の関係、実際の生活状況と退院時BergBalance scale(BBS)、Fall Efficacy Scale(FES) の関係についてSpearman の順位相関係数を算出した。有意水準は5% とした。なお、本研究は倫理審査委員会の承認を得た上で対象者に同意署名を得た。【結果】 一致群が19 名、非一致群が15 名であった。退院後の生活空間の内訳は、一致群、非一致群の順にレベル1が8 名、3 名、レベル2 が7 名、4 名、レベル3 以上が4 名、8 名であった。非一致群の内、空間、頻度に制限があった者が3 名、12 名であった。予測と退院2 ヶ月後の生活空間は強い相関(r=0.81)、頻度は中等度の相関(r=0.56)を認めた。BBS、FES とも退院2 ヶ月後の生活空間との間に中等度の相関(r=0.62、r=-0.42)を認めた。【考察】 退院時では、移動頻度は患者の主観のみでは過大評価される傾向にあった。理由として、退院後の個人や環境因子の影響を受けやすいことが考えられ、退院時のBBSやFES との関連が弱く、入院中の想定が困難と思われた。今後は、退院後の移動頻度に関係する要因を明確にし入院中の介入方法を検討していきたい。O-058 保険外での訪問リハビリテーション効果と財政 -症例から考える-青柳法大1),代表取締役大久保智明1),徳永孝典1),菊地泰雅1),藤垣慎太郎1)1)DignityCharm 株式会社 メディカル事業部key words 高頻度・自費・財政【はじめに】 訪問リハビリテーション( 以下、訪問リハ) には制約もあり、満足な介入と効果が得られにくい場合もある。低頻度の介入効果についての先行研究はあるが、『ADL や機能向上の可能性を資する』と明確な効果が得られた報告は僅少である。今回、週5 回( 介護保険にて3 回、自費にて2 回) の訪問リハにて、効果が得られた症例を介護保険財政も含め、報告する。【症例紹介】 80 代女性、要介護4、転倒にて入院加療後、訪問リハを導入。既往歴に急性硬膜下血腫、胸腰椎圧迫骨折。H29.2 月から施設入所し、歩行安定と活動性向上目的に介入。当初はFIM 運動56 点、認知21 点で手引き歩行レベル。H29.4 月にはFIM 運動66 点、認知27 点となり、施設内ADL は概ね自立、独歩まで可能となった。また、施設内の方と余暇活動を行い、活動量も増している。施設スタッフからは『良い変化が目に見えてわかる』と反応もあり、本人も効果を実感されていた。今後は、訪問リハ終了かデイサービスを検討している。【考察】 急性期から回復期にかけて高頻度の介入は効果的と報告はあるが、訪問リハも高頻度で介入できれば評価内容からも効果的と示唆された。また、訪問リハは終了まで約1 年~ 2 年未満と報告がある。介護保険料は、週1 回40 分、自己負担1 割の場合、29,0304 ~ 58,0608 円となる( 地域差あり)。症例は、毎月の自己負担が69,888円( 介護保険自己負担16,128 円(2 割負担)、介護保険料64,512 円、自費53,760 円) となる。3 か月で終了となれば、介護保険料193,536 円と費用対効果も高いと考えられる。【研究としての意義】 自費訪問は安価ではないため、セラピストの技能と知識、責任と結果は重要視される。しかし、医療、介護保険共に財政圧迫が囁かれる中、経済意識を持った取り組みは、財政費用抑制とセラピストの市場価値をさらに高めると考えられる。【倫理的配慮】 報告にあたり、当社における倫理審査委員会の承認、ご利用者様の同意を得ている。