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概要

抄集録

28O-055 入院中に日常生活動作が低下する理由は?~ADL 維持向上等体制加算算定病棟における調査報告~篠原智行1),土田奈生子1),山根達也1)1)日高病院リハビリテーションセンターkey words 日常生活動作・ADL維持向上等体制加算・予防理学療法【はじめに、目的】 高齢な入院患者の日常生活動作(ADL)の維持や向上を図るため、平成26 年度よりADL 維持向上等体制加算が新設された。今回、入院中のADL 低下予防の積極的介入が必要な対象者を選定するため、ADL が低下した患者の調査をしたので報告する。【方法】 ADL 維持向上等体制加算を算定している病棟に平成26 年9 月以降に入棟し、平成28 年3 月までに退棟に至った患者のうち、死亡退院およびデータ欠損を除いた2,460名を対象とした。疾患(ICD-10)、年齢、在院日数、入院時および退院時Barthel Index(BI)、疾患別リハの有無を調査した。このうち、入院時より退院時のBI が低下した対象者の理由を、後方視的に分析した。分析は3 名の理学療法士が独立して行ったのち、協議によって低下理由を決定した。なお、本研究は当院医療倫理委員会の承認(第102 号)を経て実施した。【結果】 多かった疾患は直腸がん146 名、不安定狭心症145 名、その他の型の狭心症121 名、無症候性心筋虚血110 名、肢の動脈のアテローム硬化症101 名であった。平均年齢は68.4 歳、平均在院日数は10.2 日、平均入院時BI は67.0 点、平均退院時BI は84.8 点、疾患別リハ実施率は19.6%であった。BI が低下した対象者は49 名であった。主な疾患は直腸がんと大動脈弁狭窄症がそれぞれ6 名、盲腸がんと肛門管がん、ファーテル乳頭膨大部がん、不安定狭心症、肢の動脈のアテローム硬化症がそれぞれ2名であった。平均年齢は75.3 歳、平均在院日数は37.9日、平均入院時BI は67.8 点、平均退院時BI は43.8 点、疾患別リハ実施率は69.4%であった。低下理由の主なものは非がん性疼痛7 名、新規脳血管疾患6 名、悪性腫瘍5 名、術後の低体力5 名、がん性疼痛4 名、呼吸器の状態悪化3 名、認知・精神状態の悪化3 名であった。【考察】 疼痛や術後の低体力、呼吸器や認知機能の悪化に対しては、理学療法士が対処できる事象であり、積極的介入のスクリーニングの視点になると考えられた。O-056 訪問リハビリテーション利用者における屋外活動範囲の促進・阻害因子に関する研究加辺憲人1),板橋健太1),吉松竜貴2),澤龍一3),西田裕介3),牧迫飛雄馬4)1)医療法人社団 輝生会 船橋市立リハビリテーション病院2)東京工科大学3)国際医療福祉大学成田保健医療学部4)鹿児島大学key words Life Space assessment・独居者・身体機能評価【目的】 訪問リハの利用者には,通所系サービスを利用しても活動範囲を拡大できない者がいる.本研究では,活動範囲と身体機能,年齢・性別,同居者有無,利用サービスなどの基本情報との関連する要因を明らかにすることを目的とした.【方法】 平成28 年6 月1 日から29 年3 月31 日に訪問リハを利用していた265 名(男性127 名,女性138 名,76± 11 歳)を対象とした.基本情報の他,訪問環境でも評価可能でエビデンスレベルが高いと判断した指標:握力,Bed side Mobility scale(BMS),Short-form BergBalance Scale(SF-BBS),Short Physical PerformanceBattery(SPPB),FIM,Life Space Assessment(LSA) を評価した.LSA の最大活動レベルが3 以上235 名(屋外群)と3 未満30 名(屋内群)の2 群に分け群間比較を行った.更に,基本情報,FIM(認知),通所サービス利用有無を調整因子とし,LSA3 以上と未満を分ける指標を検定した.統計処理には対応のないt 検定,Mann-WhitneyU 検定,χ二乗検定,Fisher 正確確率検定,多重ロジスティック回帰分析を統計ソフトSPSS にて解析し,有意水準は5%とした.【倫理的配慮】 ヘルシンキ宣言に基づき,筆者所属病院の倫理委員会で承認を得た.【結果】 屋内群と屋外群で握力,BMS,SF- BBS,SPPB,FI M 運動,FIM 認知の項目で群間に有意な差を認めた.屋内群と屋外群を分ける因子としては,独居(OR=0.29,CI=0.115-0.78)が阻害因子であり,握力(OR=1.09,CI=1.01-1.17)が促進因子であった.【考察】 握力は,全身的な体力を反映している有用な指標とされており,活動範囲を想定する重要な項目であると考える.渡辺ら(2005)は高齢期で家に閉じこもっている現象自体が将来の要介護や死亡発生率を高めると報告している.本研究の結果より,特に独居者に対しては利用開始時から介護支援専門員等と生活スタイルを含めた支援の在り方を意識する必要があることが確認できた.