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概要

抄集録

22O-043 起居・移乗動作簡易評価スケールの考案に向けた取り組み-廃用症候群患者の早期離床に向けて-五月女宗史1),竹沢友康1)1)社会医療法人 中山会 宇都宮記念病院 リハビリテーション科2)社会医療法人 中山会 宇都宮記念病院 リハビリテーション科key words 廃用症候群・早期離床・起居・移乗動作能力【目的】 廃用症候群患者の早期離床及び二次的障害の予防を図るために,機能面の問題や介入方法を具体化できる簡便な起居・移乗動作評価の必要性を考え,起居・移乗動作簡易評価スケールの考案を試みた.【方法】 当院に入院した廃用症候群患者30 名(男性12 名、女性18 名).対象者をFI M の移乗から5 点以上群,4 点以下群に区分し,両群をMann-Whitney U 検定を用いて起居・移乗動作簡易評価スケールの採点結果を比較分析した.起居・移乗動作簡易評価スケールとFIM の移乗採点結果を,Spearman の順位相関係数を用いて相関分析を行った.起居・移乗動作簡易評価スケール全15 項目から変数増加法で選択した項目を独立変数としてロジスティック回帰式を作成し,FIM5 点以上群の動作能力に対する独立変数の影響度を検討した.さらに,起居・移乗動作簡易評価スケール臥位9 項目から同様の方法でロジスティック回帰分析を行った.倫理的配慮として本研究はヘルシンキ宣言に従った.【結果】 両群は起居・移乗動作簡易評価スケールで有意差が認められた(p < 0.05).起居・移乗動作簡易評価スケールとFIM の移乗の採点結果には相関がみられた(ρ= 0.97,p < 0. 05).全15 項目のうち体幹前傾・後傾が有意であり,臥位9 項目のうちOn elbow が有意であった.【考察】 起居・移乗動作簡易評価スケールは,廃用症候群患者を離床に導く指標として有用性が示唆され,特に体幹の可動性及び固定性,足部への重心移動が,介助量に大きな影響を与えている.臥位項目の分析結果から,体幹・下肢の関節及び筋機能の評価よりも,On elbow という支持基底面が変化する中での重心移動の成否意義が高く,臥位の状態から離床を検討するための枠組みとして有用である.【まとめ】 今後,廃用症候群患者の離床に向けた指標への活用だけでなく,On elbow を含む臥位の状態での支持基底面変化と重心移動という要素から起居・移乗動作評価の意義が高まる.O-044 Split-belt treadmill による非対称歩行時の特異的な身体推進の動態平田恵介1),国分貴徳2),宮澤拓3),久保田圭祐4),園尾萌香4),塙大樹1),藤野努1),金村尚彦2)1)埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学研究科 博士後期課程2)埼玉県立大学 保健医療福祉学部 理学療法学科3)医療法人社団彩悠会上尾二ツ宮クリニック4)埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学研究科 博士前期課程key words Split-belt・歩行・身体推進【序文】 近年, 速度を左右非対称化したトレッドミル(Split belt)上の歩行適応を見ることで, 歩行の運動学習が調査されてきた. 非対称歩行適応時には両脚支持時間とステップ長が左右対称化することが知られている. 本研究の目的は,非対称歩行時の身体推進に関わる特異的な反応を特定し, 理学療法ツールとしての理論確立を行うことである.【方法】 健常人10 名に, 床反力付ダブルベルトトレッドミル(Bertec,1000Hz) にて0.9m/s の対称歩行30 秒, 続いて片側のみが1.8m/s に変化し, 非対称歩行を3 分間行った. 計測は三次元動作解析装置VICON(100Hz) を用い,下肢伸展角(LA), 床反力推進成分(GRFy), 上半身重心前方変位量(UCOM) のピーク値, 及びピークに達する立脚期のタイミングを左右で抽出し, ベルト速側と遅側の左右比と相互相関係数で比較した. 各結果を従属変数, フェーズ( 対称歩行, 非対称化直後, 終了直前) を独立変数とし,一要因の反復測定分散分析, 多重比較検定(Bonferroni法による補正, p < .05) を行った. 本研究はヘルシンキ宣言に則り, 所属施設倫理審査委員会の承認を得た( 承認番号27507).【結果】 非対称歩行時, ステップ長は対称化し, 両脚支持時間は非対称性が有意に減少した.LA,GRFy,UCOM 前方速度のピークは非対称歩行で速側が有意に高値を示した(p< .05). 非対称歩行時のピークタイミングはLA では遅側に比べ速側が立脚期終盤に移行したのに対し,GRFy とUCOM 前方速度は逆に速側で早期に移行していた. 左右立脚期でのUCOM 前後変位の相関係数は対称歩行で0.52, 非対称歩行で-0.49 と位相が変化した.【結論】 非対称歩行時には速側下肢の伸展範囲と蹴り出しが増大していた. さらに蹴り出しと身体の前方移動が遅側よりも早期に行われているにも関わらず, 立脚期終盤まで伸展していた現象は, 両脚支持時間を対称化するための非対称歩行時特有の戦略であったと推察される. これらは蹴り出し不全の改善を目的としたsplit belt の治療効果の一端となる.