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概要

抄集録

1O-001 高齢者の運動予測誤差は身体活動能力低下に起因する川崎翼1),兎澤良輔1),浅田奈穂1),柊幸伸1),山田洋一1),平野正広1),勝木員子1),中村浩1)1)了徳寺大学 健康科学部 理学療法学科2)船堀整形外科 リハビリテーション科key words 高齢者・運動予測誤差・身体能力【目的】 高齢者の転倒の原因の一つに,身体能力低下の認識が不足し、過大評価してしまうことが挙げられている.しかしながら,現在のところこの過大評価と身体能力の関連性は検証されていない.本研究では,2 ステップ課題によって予測誤差を計測し、運動予測の過大評価者は身体活動能力低下を呈しているのかを検証した.【方法】 健常高齢者107 名 ( 前期高齢者64 人,後期高齢者43 人) を対象とした.参加者に前方最大2 歩の到達予測位置をレーザーポインタで示させ,予測距離とした.その後,前方最大2 歩距離を実測し,予測距離との差を予測誤差とした.また、片足立位時間測定,10m 歩行速度測定,立ち上がりテストを実施した.各参加者のこれらの測定値を運動器不安定症とロコモティブシンドロームの判断基準値と比べ,基準値を下回る測定項目数を集計した.集計結果から、基準値を1 つ以上下回った身体能力低下群と全て上回った身体能力適正群に分けた.分析は、予測が過大であった者 ( 過大評価者) の割合を先行研究と比較した.また,両群間の過大評価者の人数に対してカイ2 乗検定、予測誤差値に対してt 検定行った.有意水準は全て5% とした.本研究実施に際し,事前に所属機関の倫理承認を得た.参加者には、測定前にヘルシンキ宣言に則って研究の説明を行い,書面にて同意を得た.【結果】 過大評価者の割合は,前期高齢者11.3%,後期高齢者36.1% であった.身体能力低下群は身体能力適正群より有意に過大評価者が多かった.また,身体能力低下群は身体能力適正群より有意に予測誤差が大きかった.【考察とまとめ】 過大評価者の割合は先行研究に近似しているため,予測誤差の測定課題として妥当性が確認された.複数の身体能力指標の内、1つでも基準値を下回る者は,過大評価やすく、予測誤差値が大きくなるという結果は,高齢者の転倒の原因と考えられている過大評価が身体能力の低下に起因する可能性が考えられた.O-002 上腕骨外側上顆炎患者と健常者との関節可動域の比較北村望美1),鍋島雅美1),君塚実和子1),平井竜二1),山北令子1),鈴木康仁1),木村黎史1)1)千葉きぼーるクリニック リハビリテーション科key words 外側上顆炎・関節可動域・橈側手根伸筋【目的】 上腕骨外側上顆炎( 以下上顆炎) は, 短橈側手根伸筋を主体とする上腕骨外側上顆の伸筋付着部障害とされている. しかし病態は不明確な点が多く, 長期化する症例や再発する症例を多く経験する. この経験から, 上顆炎患者と健常者の間に身体特性の違いが影響していると考え,両者の関節可動域の比較, 検討を行った.【方法】 対象は上顆炎患者11 名22 肢( 男7 名, 女4 名, 平均年齢58.8 ± 11.5 歳) の上顆炎群及び, 上肢に既往の無い健常者11 名22 肢( 男7 名, 女4 名, 平均年齢53.5 ±15.2 歳) のControl 群( 以下C 群) とした. 上顆炎群患側( 右9 肢, 左2 肢), 健側( 右2 肢, 左9 肢) に合わせ,C群患側( 右9 肢, 左2 肢),C 群健側( 右2 肢, 左9 肢)を比較対象とした. 関節可動域の測定項目は肘( 屈曲, 伸展), 前腕( 回外, 回内), 手( 掌屈, 背屈, 橈屈, 尺屈)とし,自動と他動をそれぞれ測定した. 上顆炎群とC 群の患側・健側可動域をMann-Whitney のU 検定を用いて有意差を求めた( 有意水準5%未満).【倫理的配慮, 説明と同意】 本研究はヘルシンキ宣言に準じ, 事前に対象者に研究の目的と方法, 個人情報の取り扱いについて説明し, 同意を得た.【結果】 患側自動回外では上顆炎群(85 ± 10°),C 群(92.7 ±17.3°) と上顆炎群が有意に低値を示した(p < 0.05). 患側他動回内では上顆炎群(87.3 ±12.3°),C 群(92.3 ± 7.7°) と上顆炎群が有意に低値を示した(p < 0.05). 健側自動回外では上顆炎群(82.7 ± 27.7°),C 群(92.7 ± 17.3°)と上顆炎群が有意に低値を示した(p < 0.05).【考察】 上顆炎群は患側自動回外・他動回内, 健側自動回外に有意差を認めた. 自動回外で制限がみられた事から, 上顆炎群は回外筋等の主動作筋の機能低下により, 補助筋である手根伸筋の負荷が増大している可能性が考えられる. また, 回内の制限因子である輪状靭帯, 外側側副靭帯には上顆炎の要因である短橈側手根伸筋が起始し, 更に回外筋等と共同腱となり付着している事から, 上顆炎に関与する筋や靭帯の影響を受けている可能性が示唆された.