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概要

抄集録

18O-035 腰痛の有無で比較した腹横筋と内腹斜筋の筋厚変化率池田俊史1),吉川優樹2),八田香2),八十田貴久2),石田航1)1)医療法人智里会 洋光台中央整形外科せぼねクリニック2)医療法人智里会 やそだ整形外科リウマチクリニックkey words 腰痛・腹横筋・超音波【はじめに】 超音波による腹横筋筋厚の測定や腰痛との関連についての報告は散見されるが、腹横筋・内腹斜筋の安静時から収縮時の筋厚変化率と腰痛との関連についての報告は少ない。【目的】 腹横筋・内腹斜筋の筋厚変化率と腰痛との関連について明らかにすること。【方法】 対象は腰痛群18 名( 男性15 名, 女性3 名, 平均年齢29.5± 6.2 歳) 健常群16 名( 男性12 名, 女性4 名,平均年齢26.8 ± 3.6 歳) で、事前に研究の目的と内容を説明し承諾を得た。腰痛群は3 か月以上腰部に痛みが持続している、もしくは軽減と増悪を繰り返している状態とし、除外基準は発症から4 週以内の急性腰痛、神経学的所見がある者とした。座位にて安静吸気終息時( 以下: 安静時) およびドローイン時の腹横筋・内腹斜筋を、超音波診断装置( フクダ電子UF-760AG) で測定し、左右の平均値を筋厚として各群の安静時とドローイン時の筋厚と筋厚変化率(Active-Rest/Rest ×100,A/R 比) を比較検討した。【結果】 両群間の年齢、性別に有意差はなかった。収縮時の筋厚は腰痛群( 腹横筋:5.3±1.8cm, 内腹斜筋:12.1±3.5cm)と健常群( 腹横筋:6.1 ±1.3cm, 内腹斜筋:10.9 ± 2.5cm)で有意差はなかった。腹横筋A/R 比は腰痛群(73.3 ±44.7%) に比べ健常群(112.8 ± 44.3%) で有意に大きかったが(p < 0.05)、内腹斜筋A/R 比は腰痛群(86.2 ± 44.8%)と健常群(67.7± 30.2%) で有意差はなかった。健常群では内腹斜筋A/R 比に比べ腹横筋A/R 比が有意に大きかったが(p < 0.01)、腰痛群においては有意差がなかった。【考察】 腰痛の有無が腹横筋・内腹斜筋A/R 比と関連している可能性が示された。健常群では腹横筋が優位に活動していたが、腰痛群においては腹横筋に比べ内腹斜筋の活動が増大する傾向がみられた。腰痛の有無による筋厚の差がみられなかったため、超音波による腹横筋の評価では筋厚だけでなく、腹横筋A/R 比および腹横筋A/R 比と内腹斜筋A/R 比の比率についても考慮する必要があると考えられた。O-036 変形性膝関節症における理学療法介入効果―大腿四頭筋筋力の経時的変化―(第2 報)橋口広太朗1),高梨晃1),関根亜矢1),向伸也1),國本拓馬1),榎本雄介(MD)1),榎本発雄(MD)1)1)榎本整形外科key words 変形性膝関節症・大腿四頭筋筋力・経時的変化【はじめに】 我々は現在までに, 変形性膝関節症( 以下膝OA) 患者に対し,5 ヶ月間の包括的な外来理学療法による筋力増強効果について報告した( 橋口ら;2017). そこで本研究は,さらに期間を延長し12 ヶ月間の包括的な外来理学療法による大腿四頭筋筋力の経時的変化について検討した.【方法】 対象は, 膝OA と診断された15 名( 平均年齢77(70-86) 歳) の30 脚であった. 両膝に症状を有する場合, 疼痛が弱い方を健側, 疼痛が強い方を患側と定義した. 方法は, 理学療法開始時( 以下0M) から理学療法12 ヶ月後( 以下12M) まで2 ヶ月毎に両側の大腿四頭筋筋力値(kg,以下筋力値) を測定した. 測定には, 徒手筋力計( μTasF-100, アニマ社製) を用いて3 回測定し, 平均値を採用した. 訓練内容は, 関節可動域や筋力増強訓練, 自主トレーニング指導など包括的なものであった. 統計学的検討は,各期間に測定を行った健側及び患側の筋力値の差及び経時的変化について二元配置分散分析で検定後, 多重比較法を用いて検討した. 統計ソフトはJSTAT を用い, 有意水準は5% 未満とした.【説明と同意】 本研究は症例に治療計画を十分に説明し, 書面にて同意を得て実施した.【結果】 健側及び患側筋力値の差に主効果を認めず, 経時的変化に主効果を認め, 交互作用は認めなかった. 健側及び患側とも0M と比較し,4 ヶ月後( 以下4M) 以降で筋力値が有意に増加した(p < 0.05). また, 患側は2 ヵ月後( 以下2M)と比較し,6 ヶ月後以降,4M と比較し,12M で筋力値が有意に増加した(p < 0.05). 健側では,2M と比較し,8 ヵ月後以降,4Mと比較し,12M で筋力値が有意に増加した(p<0.05).【考察】 本研究の結果から, 膝OA に対する筋力増強には, 外来理学療法及び自主トレーニングを継続的に行う必要があることが示唆された. 本研究の結果は, 定期的な筋力評価が運動への動機付けとなり, 目標値を設定することで,運動習慣の獲得に繋がったと考えられる. 今後は, 膝OAに対する筋力増強に, より効果的な介入方法などを検討していく必要がある.