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概要

抄集録

122P-243 プロンプト・フェイディングと称賛が歩行時の杖と足部の接地位置に及ぼす影響についての検討杉野貴俊1),加藤宗規2)1)医療法人社団 千葉秀心会 東船橋病院2)了徳寺大学key words 応用行動分析学・プロンプト・フェイディング・片麻痺患者【はじめに】 今回,歩行中のふらつきを生じていた片麻痺患者に対して,応用行動分析学に基づいた環境設定(目印となる線の提示とその段階的消去)と結果の設定(改善への称賛)を行ない,介入による影響を検討した.【方法】 対象は右視床出血により左片麻痺,運動失調,構音障害を呈した60 歳代女性.介入前SIAS(脳卒中機能障害評価法)は58 点( 運動機能は上肢3-4,下肢3-3-4,体幹3-2).表在・深部感覚は正常.FBS(Functional BalanceScale)は25 点.サイドケインを用いた歩行中に杖と健側足部の間隔が狭く患側方向へのふらつきを生じていた.歩行時に口頭指示,文字教示を行っていたが,教示と介助に著明な減少はなかった.そこで,新たな介入として,直線10m の間に2 本の赤線を引き,杖と健側足部がそれぞれの赤線の内側に入らないように指示し,10m 歩行中の口頭指示・介助回数を記録,歩行後にフィードバックを行ない,回数の減少に対して称賛をした.そして,段階1:10m の赤線,段階2:1m おきに1m の赤線,段階3:2m おきに50cm の赤線,段階4:赤線なしの4 段階で直線を消去した.段階の引き上げ基準は2 回連続口頭指示・介助なしで成功の場合,翌日からとした.【説明と同意】 ヘルシンキ宣言に基づき本人と家族から撮影と研究,発表の同意を書面で得た.【結果】 介入前日(51 病日)の10m 歩行における口頭指示は8 回,介助は3 回であった.介入後日数(段階)結果の順に,1日目(段階1)口頭指示4 回,2 日目(段階1)0 回,3 日目(段階2)口頭指示3 回,7 日目(段階2)0 回,8 日目(段階3)0 回,9 日目(段階4)0 回であった.介入9日目におけるSIAS は63 点,FBS は27 点であった.【考察】 結果より,赤線によるプロンプト・フェイディングと称賛が本症例の歩行改善に影響を与えたことが示唆された.