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概要

抄集録

121P-241 リハビリ早期介入により杖歩行獲得に至った、広範な脳室穿破と急性水頭症を伴った左視床出血の1例瀧谷春奈1),舘野純子1),稲葉沙央莉1),森下雄貴1),猿子美知1),赤池幸恵1),新井健介1),安部諒1),谷直樹1),坂英里子1),宮村大治郎1),門手和義1),草鹿元2),永井勝信1)1)自治医科大学附属さいたま医療センター リハビリテーション部2)自治医科大学附属さいたま医療センター リハビリテーション科 脳外科key words 視床出血・脳出血・急性期【はじめに】 広範な脳室穿破と急性水頭症を伴った左視床出血患者に対して、術後早期からの理学療法介入により杖歩行獲得に至った症例を経験したので報告する。【症例】 68 歳男性。入院前のADL は自立していた。意識障害、頭痛を主訴に当院に救急搬送。CT 画像上広範な脳室穿破を伴う高血圧性左視床出血を認めたため、降圧剤の投与を開始し、同日緊急脳室ドレナージ術を施行した。【経過】 術後1 日目から理学療法開始。開始時は、意識レベルJCSII-10、収縮期血圧140 台、Brunnstrom RecoveryStage(以下、BRS)III 以上、Barthel Index(以下、BI)0点であった。意識レベルが悪く安静度制限もあり、ベッド上での動作練習を実施。術後5 日目より車椅子乗車開始となったが、収縮期血圧190 台と血圧コントロール不良で、JCSII-20 と意識レベルも悪かったため、全身状態と意識レベルに注意し離床を実施。術後27 日目には歩行練習開始となり、術後34 日目で杖歩行が介助下で可能となった。術後40 日目に回復期リハビリテーション病院へ転院。転院時は収縮期血圧110 台、JCSI-2、BRS 上肢V 手指VI 下肢VI と改善がみられた。術後82 日目には独歩獲得し回復期リハビリテーション病院を退院した。【考察】 本症例は、術後早期では血圧コントロール不良で意識レベルも悪かったが、術後早期からの理学療法介入において、画像所見の評価、血圧管理、意識レベル変動等に注意しながら離床を図った結果、有害事象なく歩行獲得に至ったと考えられる。脳室穿破を伴う高血圧性脳出血は一般的には生命予後や機能予後は不良だが、本症例のように広範な脳室穿破を伴っていても、血腫が外側に進展せず内包の破壊が免れているか軽度な症例では適切なリスク管理を行い発症早期から理学療法介入することで、機能予後が改善できる可能性がある。なお、本症例報告はヘルシンキ宣言に沿って行い、公表の有無、個人情報の取り扱いについて説明し同意を得た。P-242 PT 歩行訓練と看護病棟歩行訓練の差異について-FIM の利得率について-佐久瑞季1),島田直1),北山哲也1)1)山梨リハビリテーション病院 リハビリテーション部 理学療法課key words 脳血管障害・看護病棟歩行訓練・FIM【目的】 当院ではセラピストの訓練以外に看護師と連携を取りながら病棟歩行訓練を行っている。先行研究では脳卒中患者は歩行訓練開始時期が早く、訓練量が多い方がFIM の改善に繋がるとされている。できる限り早期に歩行訓練を行う為には、日常生活機能はどの程度保たれているのか把握する必要があると考える。今回、脳卒中患者を対象に、PT歩行訓練開始から看護病棟歩行訓練開始までの日数と日常生活機能の差異を確認、検証したので以下に報告する。【方法】 2016 年4 月から2017 年2 月までの10 か月間に病棟歩行訓練を行った脳卒中患者57 人を対象に実施。入院時から病棟歩行訓練を開始した平均日数(45 日) より早期に実施した群(以下A 群)と遅く実施した群(以下B 群)の2 群間に分け、FIM の13 項目(入院時、退院時、利得率)を比較する。2 群間の比較をする為、等分散性の検定を行った後にMann-Whitney 検定を実施する。本研究は当院の倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】 A 群はB 群よりも入院時、退院時ともに各FIM 項目の値が高値であった。利得率は、トイレ動作(A 群2.76 ±1.73、B 群3.91 ± 1.38) でB 群の方が高値で有意差を認めた。また、階段昇降(A 群2.97 ± 1.72、B 群1.95 ± 1.70)ではA 群の方が高値で有意差を認めた(P > 0.05)。【結論】 早期から病棟歩行訓練が可能な患者は入院時、退院時共に各評価点数が高いと考える。しかし、病棟歩行訓練の開始が遅い患者も訓練以外での歩行場面を増やすことで基本動作であるトイレ動作などで改善がみられたと考える。また、早期に病棟歩行訓練を開始することが可能な患者は、より難易度の高い階段昇降の改善がみられたと考える。その為、セラピストは見守りで歩行が行えるよう評価や治療を行い、訓練以外での歩行場面を増やすことが重要である。今後も看護師と連携を取り、病棟での歩行訓練を続けていきFIM の向上を図っていくことに努めたい。