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概要

抄集録

120P-239 歩行獲得に向けて積極的に立位練習を行った症例田中克統1),吉井亮太1)1)医療法人社団 東光会 戸田中央リハビリテーション病院key words 皮質網様体路・予測的姿勢制御・歩行【はじめに】 脳卒中症例では, 皮質網様体路の障害により非麻痺側股関節を中心とした予測的姿勢制御が困難となる. また, 立位の姿勢制御には視覚, 体性感覚, 前庭入力が重要とされている. 今回, 視覚・体性感覚入力を利用した立位練習を実施し歩行を獲得した症例を経験したので報告する.【症例紹介】 60 代女性. 左後頭葉の脳出血で入院. 既往歴にクモ膜下出血, 脳梗塞を発症しており, 左右の前頭葉に病巣あり. 病前のADL は車椅子を使用し自宅内ADL 自立. 本報告はヘルシンキ宣言に基づき主旨を説明し同意を得た.【理学療法評価】 Brunnstrom recovery stage 右上肢V・手指V・下肢V,左上肢IV・手指V・下肢III. 表在感覚は軽度鈍麻. 立位保持はつかまり立ちで見守り, 両股関節, 左足関節に疼痛あり. 身体図式の歪みがあり, 動作全般で過剰な身体固定が見られ下肢でのpushing を認めた. 歩行は両手すり把持で最小介助にて実施可能.高次脳機能障害は分配性注意障害,抑制低下を認めた.【方法】 KAFO を使用し膝関節伸展を補助. 平行棒内にて前方に鏡を置き右上肢はon elbow, 左上肢はon hand とし, 視覚と体性感覚情報による姿勢の修正ができるように設定. 介入では, 正中位の保持を促した後, 右側への重心移動,リーチ動作等, 動的立位課題を実施. 介入後, 固定型pickup walker とAFO を使用した歩行を行い, 治療効果を判定.【結果】 入院当初より立位・歩行時の恐怖心が軽減. 右下肢での荷重が可能となり右立脚期間が延長. 左下肢の歩幅の拡大が見られた. 退院時には固定型pick up walker とAFO を使用し見守りにて歩行可能.【考察】 平行棒内で鏡を利用し体性感覚, 視覚によるフィードバックを与えた立位練習を実施. 両上肢に支持物を与えることによる上下肢からの体性感覚と鏡による視覚情報を利用することで適切な難易度を設定できたと考える. 右上肢をon elbow にすることで上肢のpushing を抑制し, 体幹・下肢の近位筋による姿勢制御が可能となったと考える.P-240 脳卒中片麻痺患者におけるプラスチック短下肢装具を使用する要因川合優輝1),倉澤裟代1),北山哲也1)1)山梨リハビリテーション病院 リハビリテーション部 理学療法課 2)山梨リハビリテーション病院 リハビリテーション部 理学療法課 3)山梨リハビリテーション病院 リハビリテーション部 理学療法課 key words SHB・麻痺側膝関節伸展筋力・FIM運動項目【目的】 脳卒中片麻痺患者のリハビリテーションにおいて、歩行能力の向上に下肢装具を用いた歩行訓練は有効とされている。先行研究では早期から長下肢装具を使用している方が多角的機能の改善がみられており、歩行自立度が高くなる事が報告されている。しかし、KAFO を使用してからSHBへの切り替えについての具体的な指標に関して報告は多くない。今回、当院におけるSHB 作成時の指標を検証し、以下に報告する。【方法】 H27 年4 月~ H29 年2 月までに当院へ入院した脳卒中片麻痺患者で装具診にてSHB を処方された患者36 名を対象とし、入院時とSHB 処方時での各評価項目を抽出し比較検討した。評価項目はFIM の運動項目の合計点数、BRS、BBS、麻痺側・非麻痺側下肢筋力、FIM の認知項目の合計点数を用いた。統計学的検討にはFriedman 検定及びScheffe の多重比較検定を用い検討する。本研究は当院の倫理委員会の承諾を得て実施した。【結果】 入院時に比べSHB 処方時には下肢BRS、BBS、麻痺側膝関節伸展筋力、FIM の運動合計が有意に高値を示した。下肢BSR(3.19 ± 0.66)、BBS(31.73 ± 12.13)、麻痺側膝関節伸展筋力(3.00 ± 0.69)、FIM 運動合計(59.58 ± 15.91)が高値で有意差を認めた(P > 0.05)。しかし非麻痺側筋力は向上はしていたが有意差は出なかった。【結論】 SHB 処方するにあたって、当院ではBRS がIII 以上の人が大半であった。石崎らは入院時にKAFO からAFO に変更した群は下肢BRS がIII 以上であったと報告している。また麻痺側だけでなくBBS や非麻痺側下肢筋力も高値であったため、バランス能力も含め総合的に判断することがSHB を処方するにあたって必要と考える。SHB は実用性が高くKAFO に比べFIM などADL 場面に繁華されやすい。そのため当院でのSHB 処方時もFIM の運動項目に有意に高値を示したと考える。SHB 処方はADL の自立に向けて大きく関与すると考えられるため、上記で述べた身体機能の向上を図っていく必要があると考える。