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概要

抄集録

119P-237 脳卒中右片麻痺患者に対する無杖歩行訓練により歩行能力が向上した一症例永井洋平1),五十嵐功1),清水弘子1)1)JA 長野厚生連 南長野医療センター 篠ノ井総合病院key words 脳卒中・歩行練習・急性期【はじめに】 脳卒中片麻痺患者の歩行訓練において、麻痺が軽度であっても杖を使用した訓練が継続される事がある。 今回、脳卒中後の半球間抑制を考慮し、非麻痺側の過剰使用を抑え、麻痺側機能向上による歩容改善を目的とした無杖歩行訓練を実施した結果について報告する。【症例】 左内包後脚の脳梗塞により右片麻痺を発症した60 代男性。初期Brunnstrom Recovery Stage(BRS) は上肢II 手指I 下肢IV、側臥位での股関節外転はわずかに可能。TrunkControl Test(TCT) は48 点。非麻痺側MMT は4 レベル、関節可動域制限は認めなかった。歩行では、麻痺側立脚期の骨盤左下制による非麻痺側I.C での歩隔狭小化から、左外側へバランスを崩す事が問題であった。【方法】 訓練は麻痺側臀筋群促通により骨盤左下制を改善し、歩隔の確保による歩行安定を目標とした。歩行訓練は無杖にて、後方介助により骨盤左下制を制御しながら実施した。歩行訓練の実施期間は35 日間、頻度は週6日、回数は10m1 往復を1 セットとし10 セット実施した。18 病日では、10m 歩行速度は22 秒04、歩数は23 歩、ストライド長は0.87m であった。【結果】 退院時(44 病日) は、BRS 上肢III 手指IV 下肢V、側臥位での股関節外転は全可動域で可能。TCT は100 点。10m 歩行速度は10 秒42、歩数は18 歩、ストライド長は1.1m であった。歩容は概ね改善し、独歩、見守りとなったが、長距離歩行では初期と同様の歩容が出現する状態であった。【考察】 歩容改善に関して、半球間抑制の観点からは、無杖歩行訓練にて非麻痺側の過剰使用を抑えた事で、障害側半球の活性が阻害されず臀筋群促通を促せた事が一要因ではないかと考えられる。また、運動学習の観点からは、課題特異的に歩行訓練を主に実施し、訓練量の確保と介助での難易度調整が歩容改善に繋がった可能性もある。【倫理的配慮・説明と同意】 ヘルシンキ宣言に則り、対象者に対し趣旨を説明し書面にて同意を得た。P-238 前大脳動脈梗塞を呈した患者様を担当してー麻痺側下肢の参加を促すー金子佳代1),吉井亮太1)1)医療法人社団 東光会 戸田中央リハビリテーション病院key words 補足運動野・T-Support・歩行再獲得【はじめに】 今回、補足運動野に病変を認めた患者に対し早期より装具療法を行い麻痺側への荷重感覚の促通を行った. 最終的に歩行再獲得に至ったため報告する.【症例紹介】 80 歳代女性. 左前大脳動脈梗塞.MRI より、上前頭回・帯状回に病変を認め、補足運動野に関わる運動の発現・皮質網様体路の障害が予測された. 理学療法評価(入院時):Brunnstrom recovery stage(以下、BS)上肢- 手指- 下肢:V-V-II.FIM 運動項目は23 点.ADL 動作では麻痺側下肢の参加はみられず. 立位以降は麻痺側へのpushing あり. 移乗動作では方向転換時の踏み出しは困難であった. 歩行は振り出しがみられず介助を要した. 皮質脊髄路の病変はわずかであるが、補足運動野の障害により麻痺側下肢の動作への参加がみられないのではないかと考え1 非麻痺側体幹制御促通2 麻痺側体幹・股関節への体性感覚入力3歩行リズムの再獲得を行った.【説明と同意】 本報告は対象者に説明を行い同意を得た.【理学療法経過】 1.2 に対し、長下肢装具を使用し立位重心移動・ステップ動作・横歩きを実施. 非麻痺側の皮質網様体路および麻痺側の抗重力筋の賦活を図りPushing 軽減に繋げた.3 に対し、T-Support を使用した歩行練習を実施. 麻痺側TStでの股関節の十分な伸展運動とIC での踵接地がみられるよう倒立振子を意識した誘導を行い、歩行パターン再獲得に繋げた. 入院4 ヶ月後: 上肢V-V-V、FIM 運動項目57点.ADL 場面では靴の着脱・方向転換・歩行時に麻痺側下肢の運動がみられるようになった. 歩行はフリーハンド見守りにて可能.【考察】 長下肢装具を使用し、容易に両側下肢への体性感覚入力を行うことが可能となった.T-Support を使用し、受動的な歩行リズムのなかで麻痺側下肢の運動の発現のタイミングが学習され、パターン化し歩行再獲得に繋がったと考える.