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概要

抄集録

118P-235 パーキンソン病患者に対するLSVT ? BIG の効果~歩行解析を指標にして~岡崎瞬1),有賀一朗1),松岡大悟1),磯村隆充1),山崎摩弥1),遠藤則夫1),小林博一2),武井洋一3),中村昭則4),大原愼二4)1)まつもと医療センター リハビリテーション科2)まつもと医療センター 整形外科3)まつもと医療センター 臨床研究部4)まつもと医療センター 神経内科key words LSVT?BIG・パーキンソン病・歩行【はじめに】 LSVT (Lee Silverman Voice Treatment) ? BIG はパーキンソン病患者に対する運動療法として有用性が報告されている。しかし、歩容の変化に着目して解析した研究はわれわれが渉猟した範囲で見つからなかった。本研究では、LSVT ? BIG を実施し、介入前後での歩容の変化について、歩行周期の変動係数や前後方向の重心移動幅に着目し、比較検討する。【対象】 LSVT ? BIG を目的に当院の神経内科に入院したパーキンソン病患者7 名でであった。また、当院の倫理審査委員会の承認を得て実施した。【方法】 患者の腰部に加速度計を装着し、10m 歩行路を快適歩行速度条件で歩行した。その際に得られた加速度波形より歩行周期の変動係数、前後方向の重心移動幅を算出した。また、歩行やバランスに関する評価は、6 分間歩行テスト・10m 歩行テスト・Functional reach test・Timed up andgo test の4 項目を実施し、介入前後で比較した。統計解析方法はWilcoxon の符号順位検定を用い、危険率5%未満を有意差ありとした。【介入方法】 LSVT ? BIG のプロトコルに従って、公認の理学療法士が担当した。【結果】 歩行周期の変動係数の比較では、介入前で2.9 ± 0.9、介入後で1.6 ± 0.4 となり有意な低下が認められた。前後方向の重心移動幅は介入前で2.2 ± 0.8cm、介入後で2.9± 1.3cm となり増加傾向となった。歩行能力に関する評価項目では、全ての項目で有意な改善が認められた。【考察】 LSVT ? BIG の介入により変動係数は有意に低下し、前後方向の重心移動幅は増加傾向となった。変動係数の低下は歩行周期のばらつきが軽減したことを示唆し、安定したリズムの歩行となったと思われる。また、前後方向の重心移動幅が大きくなったことで前方推進力が増強したのではないかと考えた。安定したリズムで前方推進力が増強したという歩容の変化がみられたことで、歩行能力に関する4項目すべてで有意な改善を認めたのではないかと考えた。P-236 ADL 重度介助を要したSLE 患者の一症例-約1 か月後のニーズ達成を目標とした理学療法の視点-宮崎緑1),小川英臣1),加地啓介1),岡安健1),神野哲也(MD)1)1)東京医科歯科大学 医学部附属病院 リハビリテーション部key words 筋力低下・環境設定・動作練習【はじめに】 多量のPLS 投与と安静による著しい筋力低下が生じた全身性エリテマトーデス(以下SLE)患者を担当した.一時ADL 重度介助であったが,本人の強いニーズに応えることを目標にしたリハビリテーション(以下リハ)を実施し,介入約1 か月で一時外泊と復職前会議参加が可能となった症例について以下に報告する.なお,患者には書面にて同意を得た.【症例】 40 代男性,職業:自営業,入院前ADL:自立,合併症:ループス腎炎,高血圧,左下腿蜂窩織炎,両側大腿骨頭壊死術後,両膝OA 術後,側弯症.1995 年SLE と診断されPSL 治療開始.2016 年9 月にループス腎炎増悪し,同年10 月当院入院.11 月より透析開始,同日よりリハ開始.【経過】 リハ開始時mFIM86 点,MMT3-4.繰り返す下血と治療により,体調不良と意欲低下が生じ11 月中旬-12 月上旬まで介入中止.リハ再開時mFIM23 点,MMT1-2.この時,2017 年1 月末の一時外泊と2 月上旬の復職前会議参加を強く希望され,立ち上がり,歩行,階段昇降能力獲得が必須となる.筋力トレーニングと並行し,代償動作の指導,各動作の反復練習を進めた.一時外泊時mFIM42 点(55cm 高起立,松葉杖歩行,10cm 段の昇降軽介助).2月上旬復職前会議参加時mFIM52 点(45cm 高起立,松葉杖歩行見守り,20cm 段の昇降軽介助).【考察】 本症例はSLE のほか,多くの合併症があり,筋力回復に時間を有することが予測された.しかし患者のニーズと筋力,動作能力には乖離があった.このニーズ達成のため,病棟と連携した訓練などを行いつつ,リハ介入頻度を増加させた.特に代償動作の指導や各動作の反復練習など,動作練習を増やし段階的に実施した.また外泊に向けて,家族への介助指導や家屋評価に加え,会議参加に必要な会議場周辺調査も行った.介入を進めるにあたり,機能訓練のみならず,代償動作や環境設定における様々な視点や手段を駆使することで,短期間での患者ニーズ達成に至ったと考える.