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概要

抄集録

117P-233 特発性好酸球増加症候群に起因した多発性神経炎による歩行障害に対し理学療法を施行した一症例入部春介1),内昌之1),大国生幸1),伊豆蔵英明1),宮城翠1),海老原覚1)1)東邦大学医療センター大森病院 リハビリテーション科key words 特発性好酸球増加症候群・多発性神経炎・理学療法【はじめに】 好酸球増加症候群(Hypereosinophilic Syndrome:HES)は、骨髄での好酸球増殖亢進に伴う末梢血中の好酸球増加を特徴とし、好酸球浸潤に伴う臓器障害を呈する。本症候群ではしばしば神経障害を伴うが理学療法(PT)に関する報告は少ない。我々はHES による多発性神経炎を呈した症例に対するPT を経験したので報告する。本報告に際してはヘルシンキ宣言に則り、患者のプライバシー保護に配慮した。【理学療法経過】 70 歳代男性、201X 年11 月に両下肢運動・感覚障害を自覚し201X + 1 年1 月12 日に当院入院となった。CRP、IgG、末梢血中の好酸球上昇を認め、皮膚紫斑部や胃潰瘍に好酸球浸潤、脛骨・腓骨神経伝導速度低下を認めた。入院後5 日にPT 開始し、初期評価時は両側で膝関節屈曲伸展MMT5、足関節背屈MMT1、足関節底屈MMT2+、上肢は概ねMMT5、Barthel index(BI) は70 点であった。歩行は足関節軟性装具と歩行補助車を使用し軽介助を要した。週5 日、20 分間の下肢筋力増強練習と歩行練習を実施した。入院後7 日にメチルプレドニゾロン投与が開始された。悪性腫瘍、感染症等の異常所見、アレルギー疾患の先行を認めず入院後12 日にHES と診断された。最終評価時は下肢筋力に著変を認めず、BI は85 点、歩行は足関節軟性装具と歩行補助車を使用し見守りで可能となり、入院後42 日に自宅退院となった。【考察】 HES は原因不明の好酸球増多を示す疾患群の総称であり、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilicgranulomatosis with polyangiitis:EGPA)と類似した症例も報告されている。橋田らはEGPA 症例の長期予後について約1 年で下肢装具なしでの歩行が可能となった2 症例を報告している。多発性神経炎は末梢神経支配領域の運動・感覚障害を認め、ADL に障害を与えるが、長期的には回復が期待されるため早期より装具や補助具の導入を検討し、残存機能の低下を防ぐことが重要と考えられた。P-234 笑いによりパーキンソニズムが改善した症例~表情筋への介入から~横地翔太1)1)介護老人保健施設 ひまわり荘key words CBD・笑い・表情筋【はじめに】 大脳皮質基底核変性症(以下CBD)利用者に対し、通所リハの20 分の関わりの中で可動域練習や筋力強化練習では機能向上が難しい印象がある。表情筋に介入をした所、改善が見られた為、報告を行う。本症例、家族には、発表に関しての同意を得た。【症例紹介】 性別:女性(80 歳代)  経過:5 年前から転倒が多くなり、受診した所CBD と診断。2 年前に転倒し、右上腕骨折を受傷し回復期病院へ入院。その後、継続的なリハビリ目的で通所リハの利用となる。 主訴:体が動かしにくい。(本人)声が小さく何を話しているかわからない。( 家族) 投薬:メネシット配合錠100【理学療法評価】 初期評価 H29.2 頃 全体像: 硬い表情で声量低下により聞き返しが必要。 Functional IndependenceMeasure( 以下FIM):41 点移乗動作:胸郭介助にて行う、骨盤前傾が不十分で立ち上がる。ステップは小刻みで、中等度介助。【介入】 CBD は、神経伝達物質であるドーパミンが減少する事でおこる変性疾患である。橋元らによると笑いをつくる事で脳内の表情に相応した感情を起こすプログラムが刺激され、楽しい感情となるとされている。今回は、ドーパミンが増加することを期待し、笑いを作る事で症状が緩和するのではないかと考えた。介入は、笑いを作る表情筋に対して徒手的介入とユーモアのあるカウンセリングを実施した。 最終評価 H29.3 頃 全体像:声量が向上し、笑顔が見られる。 FIM:54 点(車椅子移乗2 点→ 4 点) 移乗動作:指示にて立ち上がりが可能。ステップもスムーズとなり、見守り。 QOL 評価:SF-36(MOS 36-ItemShort-Form Health Survey)にて各項目で改善あり。【考察】 笑いを作る表情筋に対して徒手的介入とカウンセリングを実施した事で心理的効果により、楽しい気持ちが起きたと考えられる。楽しい気持ちによりドーパミン大脳基底核内の神経回路網が働き易くなり、滑らかな動きに繋がったと考える。