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概要

抄集録

116P-231 直流前庭電気刺激が座位バランスに及ぼす影響- 対側刺激順応の効果-浅野雄太1),網本和2)1)多摩丘陵病院 リハビリテーション技術部 理学療法科2)首都大学東京大学院 人間健康科学研究科key words 直流前庭電気刺激(GVS)・座位バランス・対側刺激順応【目的】 座位バランス能力低下症例に対するアプローチとして、直流前庭電気刺激( 以下GVS) の影響を検討した研究は、渉猟した限り報告されていない。GVS によって陽極側への身体傾斜を起こしその状態で、対側への重心移動運動( 対側刺激順応) を行うことで、GVS 終了後陰極側への運動範囲がより拡大すると予想される。本研究の目的は、健常成人においてGVS 施行下における座位での重心側方移動課題が、座位バランスに及ぼす影響を明らかにすることとした。【方法】 対象は右手利き健常成人18 名とした。全対象者に本実験の主旨を説明し、書面にて同意を得た。刺激パラメータは、刺激強度を3.0 m A、パルス幅を300 μ sec、周波数を50Hz とした。本実験では、GVS を15 分間付与する左陽極刺激条件( 以下real 条件)、開始30 秒後に停止する左陽極偽刺激条件( 以下sham 条件) の2 条件にて実験を行った。座位バランスの評価は重心動揺計計測を30 秒間行い、左右動揺平均中心変位(以下MX)及び実効値面積(以下RMS)を指標とし、静的座位と動的座位にて行った。GVS 介入前( 以下baseline) に計測した後GVS を5 分間閉眼にて付与し、その後GVS 介入後( 以下post1) の評価を行った。そして、GVS 施行下にて1 回10 秒間の陰極側への重心移動課題を計30 回行い、実施後にGVS を停止させ、重心移動課題後( 以下post2) の評価を行った。【結果】 静的座位のMX の変化率は、real 条件にてpost1 で陽極側へ、post2 で陰極側へ有意に偏倚した。RMS は、閉眼のreal 条件において、post1 はbaseline と比較し有意に拡大した。一方、動的座位のMX 及びRMS は、両条件共に有意な変化は認められなかった。【考察】 座位にてGVS が運動課題の抵抗として作用し、GVS と運動課題を併用後により陰極側へ重心が偏倚するが、動揺性には影響を及ぼさないことが示唆された。本研究により、座位バランス能力低下症例に対する新たな治療介入の展開が期待される結果となった。P-232 回復期リハビリテーションにおけるLateropulsion と運動失調の並行介入を実施した一症例土屋伸太郎1),小林和樹1)1)医療法人社団 健育会 竹川病院 リハビリテーション部key words Lateropulsion・体性感覚・運動失調【はじめに】 一般的にLateropulsion(以下LP)は急性期症状で2 週間以内に改善すると報告があり回復期リハビリテーション(以下回復期)での経験は少ない.本症例は回復期病棟入院時に,立位・歩行時のLP を認め,立位保持困難で運動失調も併発していた.今回,LP と運動失調への介入により効果を認めたため報告する.【説明と同意】 ヘルシンキ宣言に基づき書面にて同意を得た.【症例紹介】 90 歳代,男性.診断名は左延髄外側梗塞.発症後51病日に回復期病棟へ入院.既往に右小脳梗塞があったが病前ADL は杖なし歩行自立.【入院時評価】 運動麻痺は認めず筋力は両上下肢MMT4 ~ 5,左表在・深部感覚軽度鈍麻と回転性眩暈を認めた.BurkeLateropulsion Scale(以下BLS)11 点,SARA28 点,躯幹協調検査stageIII,BBS7 点.立位はWideBace で左側方傾斜し保持困難.SubjectiveVisualVertical は5°左偏倚し歩行は困難.【介入】 LP に対し意識される体性感覚を利用した硬度識別課題と身体傾斜を認知し姿勢を修正する課題を行った.経過中,運動失調に対し重錘負荷,弾性緊迫帯の介入を並行して行った.【結果】 108 病日.回転性眩暈は残存したがBLS3 点,SARA13 点,BBS23 点.立位は左側方傾斜軽減し2 分程度可能.歩行はpickup 歩行器で見守り.【考察】 本症例は回復期病棟入院時よりLP を認めた.LP は脊髄小脳路や前庭脊髄路の障害で生じると報告されており,本症例も同部位の損傷を認め運動失調と回転性眩暈も併発した.運動失調への介入は体性感覚情報のフィードバック量や感度を調整するといわれており,LP の改善に必要な意識される体性感覚を利用した介入に効果的な影響を及ぼしたと考える.そのため双方への体性感覚を利用した介入が効果的であると示唆される.