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概要

抄集録

108P-215 中大脳動脈領域の急性期脳梗塞患者における機能的動作と転帰への関連因子の検討尾内優梨子1),武井圭一1),長谷部悠葵1),山本満2)1)埼玉医科大学総合医療センター リハビリテーション部2)埼玉医科大学総合医療センター リハビリテーション科key words 脳梗塞・機能的動作・転帰【目的】 本研究の目的は, 発症頻度の高い中大脳動脈領域における脳梗塞患者について, 発症後3 週での機能的動作と転帰への関連因子を明らかにすることである.【方法】 対象は,2014 年4 月から2016 年11 月の間に中大脳動脈領域の脳梗塞で当院へ入院し理学療法を実施した患者51 例とした. 発症後3 週時点の機能的動作についてFunctional Movement Scale(FMS)を用いて評価し,FMSを従属変数, 年齢, 入院前ADL, 損傷半球, 病巣長径, 脳浮腫ステージ, 入院時意識障害, 初回下肢BrunnstromRecovery Stage(BRS)を独立変数として, 決定木分析を用いて関連因子を検討した. 次に, 導き出された分類ごとの自宅退院率および発症後3 週での歩行自立率を調査した. 下肢BRS がV 以上で転院した症例について, 退院時の高次脳機能障害の有無, 同居者の有無を調査した. なお,本研究は当院倫理委員会の承認を得て実施した.【結果】 決定木分析の結果, 下肢BRS を指標としたIV 以下とV以上の群に分類され,R2 は0.65 であった.BRSIV 以下の群(重症群)は25 名,V 以上の群(軽症群)は26 例であり, 自宅退院率は重症群4%・軽症群62%,3 週目の歩行自立率は重症群0%・軽症群77% であった. 軽症群で歩行が自立しているが転院した者は50%(5/10 名)であり, 転院した理由は, コミュニケーション障害, 記憶障害, 上肢麻痺による生活上の制限, 独居であり家族の意向によるものであった. 自宅退院例のうち高次脳機能障害を有した者は63%(10/16 名)であり, 生活上制限のない者, 家族の介護が得られる者, 近医の外来リハを継続する者であった.【考察】 中大脳動脈領域の脳梗塞例の発症後3 週での機能的動作には, 初回の下肢運動麻痺が関連し,BRSIV 以下では3週での歩行自立は困難であると予測された.BRSV 以上の症例は,3 週で75% は歩行が自立するが, 高次脳機能障害,上肢麻痺により自宅退院率は低下していた. 急性期病院での家族指導や退院後の地域資源へのコーディネートが自宅退院の要因になると考えられた.P-216 パーキンソン病患者の転倒歴と歩行能力の関係について来住野健二1),井上優紀2),藤井有紗2),藤田裕子3),中山恭秀1)1)東京慈恵会医科大学附属病院 リハビリテーション科2)東京慈恵会医科大学附属第三病院 リハビリテーション科3)文京学院大学 保健医療技術学部 理学療法学科key words パーキンソン病・転倒・歩行能力【目的】 パーキンソン病(PD)は、健常高齢者に比べ高い確率で転倒を生じることが知られている。臨床においても、比較的軽症でありながら転倒歴を有する患者を経験することが多い。一方、転倒リスクの要因を検討した報告では、歩行の要素を含む10m 歩行テストやTimed Up & Go Test(TUG)からカットオフ値を挙げているが、PD 患者において、歩行速度の増減が転倒に影響するといわれると疑問が残る。そこで今回は、PD 患者の転倒歴と歩行能力との関係を調査することを目的とした。【方法】 対象は2013 年1 月から2016 年3 月に当科に依頼があり、PD の診断を受け評価が可能であった42 例(平均年齢72.6 歳)とした。Hoehn and Yahr staging scale( H&Ystage)の内訳はI:15 例、II:7 例、III:16 例、IV:4 例であった。対象者には、過去1 年間の転倒歴の聴取、5m最大努力歩行テスト、TUG の測定を行った。統計解析は、転倒歴の有無で群分けをし、年齢、性別、H&Y stage、歩行速度、歩幅、歩行率、歩行随伴症状の有無、TUG についてFisher の正確検定によりスクリーニングを行い、その後ロジスティック回帰分析を行った。有意水準は5%未満とした。なお本研究は当大学倫理委員会の承認を得ている。【結果】 転倒群は26 例、非転倒群は16 例であった。統計解析の結果、歩行随伴症状、TUG が有意であり、ロジスティック回帰分析の結果、歩行随伴症状(オッズ比5.10、95%信頼区間:1.21-21.4)が選択された。【考察】 今回の結果から、一般的に歩行の要素を表す速度や歩幅、歩行率よりも、PD に特有のすくみ足や小刻み歩行など歩行随伴症状の有無が、PD 患者の転倒に影響を与えている可能性が認められた。一方、TUG は、歩行に加えて椅子からの立ち座りや方向転換を有していることから、PDの姿勢反射障害などを反映していることが考えられた。PD患者の転倒リスクの評価には、TUG に加え歩行時の随伴症状にも目を向ける必要性が示唆された。