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概要

抄集録

107P-213 在宅生活を送る不全頸髄損傷者の頸部痛出現の特徴師岡祐輔1,2),高倉保幸1,2),國澤洋介1,2),小関要作1,2),武井圭一2),高野敬士2),岩崎寛之2),大久保裕也2),萩原郁美2),荒木心太2),冨樫健太2),山本満2)1)埼玉医科大学 保健医療学部 理学療法学科2)埼玉医科大学総合医療センター リハビリテーション科key words 頸髄損傷・頸部痛・アンケート調査【目的】 在宅生活を送る不全頸髄損傷者の頸部痛を予防・軽減すべき例を入院中よりアプローチするために,頸部痛出現の特徴を明らかにする.【方法】 対象は2011 年から2016 年までに当院に入院し理学療法(PT)を実施した改良フランケル分類(改F 分類)C,D の頸髄損傷者188 名を対象にアンケート調査を行い有効回答の得られた89 名とした.調査内容は頸部痛の有無,屋内外での歩行補助具,歩行自立度,屋外歩行距離,四肢の疼痛,痺れ,痙縮とした.基本情報として年齢,入院時の改F 分類,PT 実施期間,初回時の頸部痛の有無,初回時・退院時上下肢運動スコア(UEMS・LEMS)を診療録より抽出した.解析では,退院後の頸部痛の有無を従属変数,調査内容及び基本情報を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った.本研究は所属機関の倫理審査委員会の承認(申請番号1529)を得て実施した.【結果】 対象の属性として,年齢の中央値(25-75% 値)は67(58-73)歳, PT 実施期間は28(13-41)日,受傷後の期間は2.7(1.8-3.8)年であった.退院後の頸部痛はあり45名,なし44 名であった.多重ロジスティック回帰分析では,PT 実施期間(オッズ比0.96,95% CI:0.93-0.99),退院時LEMS(オッズ比1.17,95% CI:1.01-1.35),四肢の疼痛(オッズ比3.96,95% CI:1.31-11.91),四肢の痺れ(オッズ比7.33,95% CI:1.67-32.27)が抽出された(p < 0.05).【結論】 受傷後早期より生じていたと推測される神経由来の四肢の疼痛や痺れと在宅生活における頸部痛に最も関連性が高いことが明らかとなった.入院中に頸部痛が生じていない場合でも退院後に頸部痛を生じる可能性があるとともに,PT 実施期間が短く,退院時LEMS が高値であるほど頸部痛が生じる傾向であることが明らかとなり,入院期間中の頸部痛の有無に関わらず軽症例ほど頸部への関わりや退院時指導を念頭に置く必要があると考えられた.P-214 パーキンソン病患者に対するリカンベント式エルゴメータを用いた筋力増強運動について井上優紀1),来住野健二2),藤田裕子3),藤井有沙1),中山恭秀2)1)東京慈恵会医科大学附属第三病院 リハビリテーション科2)東京慈恵会医科大学附属病院 リハビリテーション科3)文京学院大学 保健医療技術学部 理学療法学科key words パーキンソン病・筋力増強・リカンベント式エルゴメータ【目的】 Koller らは健常者と比較してPD 患者では全身の筋力低下があると指摘している。PD 理学療法ガイドラインでは、筋力増強運動単独の報告が少なく、どのような介入が効果的であるか結論付けられていない。そこでPD 患者に対する筋力増強運動の効果検証を目的に介入を行ったため報告する。【方法】 症例は当院PD 患者2 名としHoehn&Yahr の重症度分類(H&Ystage)は3 であった。症例1 は症状優位側が左、症例2 は右であった。介入はリカンベント式エルゴメータによる筋力増強運動で、負荷Borg scale9-13、回転数40-60rpm で20 分間、週5 日の頻度で行った。膝伸展筋力、下肢筋量、寝返り・起き上がり・立ち上がり所要時間、5m 歩行、TUG を介入前後で比較した。本研究は当院倫理委員会の承認を得ている。【結果】 膝伸展筋力( 右/ 左、Nm) は、症例1 が介入前74.9/60.0、介入後79.0/80.0。症例2 が介入前61.5/68.3、介入後60.8/67.0。下肢筋量(右/ 左、kg)は、症例1 が介入前4.69/4.40、介入後4.97/5.33。症例2 が介入前5.17/5.14、介入後5.28/5.33。動作所要時間は2症例とも短縮した。歩行速度(m/s)は症例1 が介入前1.05、介入後1.27。症例2 は介入前1.11、介入後1.18。歩行率(歩/ 秒)は症例1 が介入前2.52、介入後2.81。症例2 は介入前3.13、介入後3.08。TUG(右/ 左、秒)は症例1 が介入前10.84/13.28、介入後11.56/11.13。症例2 が介入前11.29/12.66、介入後10.94/11.25。【考察】 2 症例とも下肢筋量は増加した。症例1 は膝伸展筋力も向上し動作所要時間が改善した。しかしTUG は非症状優位側で低値を示した。これは筋力以外の要因で転倒を来す可能性があり、介入内容変更の判断材料になると考えた。症例2 は筋力低下を認めたがその他は改善した。筋量に伴い筋断面積も増加したとすると、大脳基底核からの抑制により随意的な筋力発揮が困難と考えた。進行する病態の中で筋力増強運動は、動作と症状を結び付ける一助となるのではないだろうか。