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概要

抄集録

97P-193 大腿骨骨折患者の病前移動方法と退院時移動方法の関連性島田直弥1),土谷隆伸1)1)医療法人社団 善仁会 小山記念病院 リハビリテーション科key words 大腿骨骨折・病前移動方法・退院時移動方法【背景】 大腿骨骨折患者の理学療法のゴール設定の一つの指標として,病前移動方法から退院時移動方法を予測できないか検討した。【目的】 大腿骨骨折患者を対象に病前移動方法と退院時移動方法および退院先との関連性について明らかにすることを目的とした。【倫理的配慮】 本研究は所属施設の倫理委員会にて承認を得られた。【方法】 対象は2016 年10 月1 日~ 2017 年3 月31 日までにA病院にて入院加療を行った成人大腿骨骨折患者とし,死亡退院は除外とした。病前移動方法は,屋内移動手段で,独歩群,杖群,歩行器・車椅子群の3 群に分類し,退院時移動方法,退院先について,診療録から後方視的に調査し,3 群間で比較検討を行った。退院時移動方法は,独歩,杖,歩行器,車椅子の4 つに分類し,退院先は自宅,介護老人保健施設( 以下老健),その他の施設の3 つに分類した。統計学的解析はカイ2乗検定を用い,有意水準は5%とした。【結果】 対象は37 例( 男8,女29) であった。平均年齢は78.6± 12.2 歳(53 ~ 101 歳) であった。病前移動方法は,独歩群21 例,杖群9 例,歩行器・車椅子群7 例であった。退院時移動方法で各群において最も多い方法は,独歩群は歩行器が10 例(48%),杖群は歩行器が7 例(78%),歩行器・車椅子群は車椅子が7 例(100%) であり,3 群間で有意差がみられた(p < 0.05)。 退院先は,独歩群は自宅が16例(76%),杖群は老健が5 例(56%),歩行器・車椅子群はその他の施設が4 例(57%) となり,3 群間で有意差がみられた(p < 0.05)。【考察】 退院時移動方法では独歩群,杖群で歩行器が多いが,独歩群は杖群より自宅退院の割合が高かった。理由として独歩群は病前歩行能力が高いため,歩行器でも自立度が高く,介護負担が杖群より低いことが考えられる。3 群において,退院時移動方法で杖の割合が低いことから,病前の歩行能力に関わらず,介護保険の利用,自宅の環境調整等を視野に入れて,理学療法を行う必要があることが示唆された。P-194 大腿骨近位部骨折患者の入院時栄養状態が退院時歩行自立度にあたえる影響西山大輝1),鮎川将之1),佐藤大地1)1)山梨リハビリテーション病院 リハビリテーション部 理学療法課key words 栄養値・大腿骨近位部骨折・歩行自立【目的】 高齢者で栄養値が低い方で筋力増加及び歩行自立につながることが困難な症例を担当することがある。本研究では大腿骨近位部骨折を伴う症例の入院時栄養状態と退院時歩行自立度、握力との関係を明らかにすることを目的とした。【方法】 対象はH 28.2 ~H 29.3 に当院に入院した大腿骨近位部骨折患者110 症例(大腿骨頸部骨折49 症例、大腿骨転子部骨折61 症例)とした。調査項目は入院時のアルブミン値、退院時の機能的自立度評価表(以下FIM)の移動、利き手握力の入院から退院間の変化量などを測定した。入院時のアルブミン値の3.5g/dl を基準として正常群(3.5g/dl 以上)と低栄養群(3.5g/dl 未満)の2 群にわけ、カイ2乗検定を用いて退院時FIM の移動の自立群(6 点以上)、非自立群(5 点未満)と入院から退院間の握力増加群と低下群を比較検討した。有意確率は0.05 未満とした。本研究はヘルシンキ宣言に基づき療法記録より抽出した情報はすべて匿名化した。研究計画については当院の倫理委員会に申請し、了承を得て実施した。【結果】 アルブミン値の正常群は40 症例(男性9 症例、女性31 症例)で歩行自立群29 症例、歩行非自立群11 症例、低栄養群は70 症例(男性16 症例、女性54 症例)、歩行自立群31 症例、歩行非自立群39 症例で有意な偏りが認められた(x 2=8.17、p> 0.05)。アルブミン値の正常群は握力増加群25 症例、握力低下群15 症例、低栄養群は握力増加群43 症例、握力低下群27 症例で有意な偏りが認められなかった(x 2=0.01、p> 0.05)。【考察】 低栄養群は退院時歩行自立が困難である可能性が高いことが示唆された。低栄養状態だと筋力向上が困難なため退院時の歩行能力に影響していることが考えられる。一方、低栄養状態だと握力増加が困難であると想定していたが否定された。その要因の一つとして対象が下肢骨折患者のため下肢の筋力強化やバランス等の訓練比率が高かったことがバイアスとなった可能性がある。