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概要

抄集録

96P-191 二期的に両側THA を施行した症例の自覚的脚長差に対する介入方法の検討平石雅裕1),山根圭視1),相馬憲男1)1)社会医療法人財団 石心会 川崎幸病院 リハビリテーション科key words 人工股関節全置換術・自覚的脚長差・早期介入【はじめに】 人工股関節全置換術( 以下THA) 後患者は、X 線学的脚長差が少ないにも関わらず、自覚的脚長差( 以下PLLD) を生じることがある。今回、術直後からPLLD を生じたが数日で消失した症例を担当したため報告する。【症例紹介と経過】 60 代女性。H29.3 右変形性股関節症に対し右THA 前外側アプローチにて施行。術前ADL は全て自立。左THA既往あり。術前X線学的脚長差は9.13mm。静止立位では術側が短く感じており、PLLD はblock test 5mm で差がないと発言している。術後X線学的脚長差は1mm 未満に調整された。術後2 日目は静止立位で術側下肢が長く感じると発言があり、PLLD を認めた。術後2 日目より起立・歩行練習に加え、補高荷重練習を重視し実施した。術後5日目では静止立位でPLLD の訴えは消失、block test 上も消失していた。股関節内転可動域は術後2 日目に10°で退院時まで変化していない。術後4 日目までは大腿周径の左右差は0 ~ 1cm であったが、術後5 日目から増悪し、ピーク時は+7cm であり退院時まで+4cm 程度残存している。【説明と同意】 ヘルシンキ宣言に基づき本人へ説明し同意を得た。【考察】 術後早期から補高による荷重練習と内転可動域練習に重点を置き介入したことで術後5 日目にPLLD が改善された。本症例は術前からPLLD が生じており、今回の左THAによって生じたPLLD が介入により改善していき、術前から認めていたPLLD を調和したと考えられる。今回、補高をして荷重練習をすることにより骨盤の左右傾斜が無い状態での感覚入力が継続して行われた結果、退院時までPLLDが新たに出現することなく経過できたと考えた。腫脹の増加に対し、可動域を維持できた点は内転可動域に対するアプローチを継続することが、新たなPLLD の出現予防に繋がったのではないかと考えた。【結語】 両側THA を二期的に行う場合は術前のPLLD 評価が重要であること、またPLLD に対して補高を利用する荷重練習が有効であることが示唆された。P-192 成人脳性麻痺患者のTHA 術後に遷延した大腿外側の歩行時痛が腹斜筋へのアプローチにより軽減した症例稲福晴香1),田中尚喜1),村井智尋1)1)JCHO 東京新宿メディカルセンターkey words 脳性麻痺・THA・腹斜筋【はじめに】 本邦において、脳性麻痺( 以下;CP) 患者のTHA 術後の理学療法に関する報告は少ない。今回、左THA 術後に左大腿外側の歩行時痛が遷延したアテトーゼ型脳性麻痺患者に対する理学療法介入を経験した。中殿筋強化のみでは疼痛消失に至らず、腹斜筋へ着目し介入した結果、疼痛の軽減が得られたためここに報告する。【症例紹介】 アテトーゼ型CP の60 代女性。H23 年左鼠径部痛が出現し、整形外科にて臼蓋形成不全との診断を受けた。H28年夜間痛が出現しOpe 適応と診断され、左THA を施行した。脊柱は胸部右凸、腰部左凸の側弯あり。術前のVisualAnalog Scale( 以下;VAS) は60mm であった。なお、本発表の趣旨及び目的を本人に説明し、了承を得た。【介入方法と経過】 術後2 週経過時、左大腿外側にVAS で40mm の歩行時痛が残存していた。歩行中、左立脚期に右骨盤は下制し、左股関節は過度な内転位を呈していた。それまでの中殿筋の筋力強化に加え、左腹斜筋のストレッチング、片脚ブリッジや片脚立位での右腹斜筋の筋力強化を併せ、さらに2 週間介入した。【結果】 術後4 週経過時には左立脚期の右骨盤下制は消失し、左股関節内外転中間位での支持が可能となった。また、歩行時痛はVAS で11mm へと軽減し、T 杖歩行にて自宅退院に至った。【考察】 症例は術後2 週経過時、左立脚期の右骨盤下制とそれに伴う左股関節内転位支持により、左大腿外側に持続的な伸張負荷がかかり、歩行時痛が出現していると予測した。脊柱側彎による腹斜筋の筋長の左右差や、アテトーゼ型CP の特徴である体幹筋の同時収縮が困難であることを考慮し、腹斜筋へのアプローチを実施した。これにより、骨盤帯の安定性が向上し、歩行時痛が軽減したと考えた。【まとめ】 体幹の共同筋活動に必要な同時収縮が乏しいとされているCP 患者のTHA 術後の理学療法においては、術側下肢の支持性向上だけでなく体幹機能の安定性に着目したアプローチが重要であると再認識した。