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概要

抄集録

95P-189 左膝窩筋腱炎と診断された後に, 鵞足部に炎症が出現した一症例大貫実香1),長嶋遼1),鎌田知紗1)1)医療法人社団 祐昇会 長田整形外科key words 膝窩筋・鵞足部・maluse【はじめに】 運動後に下腿痛が出現し, その後脛骨部の炎症を呈した症例に理学療法を実施する機会を得た. 疼痛の経緯と予後について考察した為報告する.【症例紹介】 19 歳男性. 大学陸上部所属. 診断名: 左膝窩筋腱炎. 走行フォームを外側接地に変更し左膝窩部痛出現.+10 病日受診し,+17 病日理学療法開始.1/w で6w 介入. 本報告はヘルシンキ宣言に基づき説明し, 承認を得た.【理学療法評価と経過】 +17 病日( 初回): 左下腿外側, 同膝窩部歩行時痛NRS6.5SLR70°/60°.MMT L Gmax2 Gmid2.alignment 大腿外旋,下腿外旋(R < L). 左片脚立位 外側荷重で体幹動揺著明. 歩行 左大腿以下外旋位で母趾側接地. 理学療法 殿部, 体幹の機能訓練.+24 病日: 左鵞足部痛有. 左膝窩部/ 下腿外側痛NRS4.5 SLR70°/70°MMT L Gmax3 Gmid3, 膝伸展位での背屈10°/5°. 左足部alignment 距骨下関節回外位,立方骨下制位, 前足部回内位. 歩行 左立脚短縮残存. 理学療法 左足部alignment, 荷重修正を追加.+59 病日:NRS0.ジョグにて膝窩部痛NRS2. 左足部alignment 改善傾向だが左右差有.【考察】 本症例は, フォームを変更し下腿外側荷重量が増加したことで, 下腿過外旋による膝窩筋の過用が生じ, 同部位に炎症が生じた. 炎症終焉期には下腿外側筋群の筋性疼痛が主となったが, この時期にも走行していた. 腓腹筋外側頭,腓骨筋群のtightness は足関節背屈制限の因子となる. この状態で走行を続けたため, 接地期にknee in が生じる. そのため内側hamstrings に遠心性ストレスが生じ, 鵞足部に炎症を呈したと考えた. 左足部介入後に症状が軽減したことからも, 初発受傷後のmaluse に起因した鵞足部の炎症と考えられる.【まとめ】 今回、膝窩筋腱炎受傷後に, 二次的に鵞足部の炎症が生じた症例に対する理学療法介入する機会を得た. 初発の受傷機転から, 器質・動作・機能・活動内容などの情報を統合し, プログラムを構築することで, 短期での活動復帰や再発予防に導くことが可能になる, という経験をする事が出来た.P-190 高齢女性の骨粗鬆症治療に対する理解の重要性を認識した膝蓋骨骨折と胸椎椎体骨折の合併症例一岡みなみ1),丸貴仁1),高橋和来1)1)一般社団法人 巨樹の会 所沢明生病院key words 骨粗鬆症・急性期・転倒【はじめに】 全国に約1300 万人いる骨粗鬆症患者の約80%が未治療であることが問題とされ、急性期医療の段階からの対策が急務となっている。今回我々は、独居高齢者の転倒を起因とした膝蓋骨骨折と、その後、症状が出現した骨粗鬆症性胸椎椎体骨折に対し、早期から骨粗鬆症治療の導入を行い自宅退院した症例を経験したので報告する。【症例】 80 歳女性。病前ADL は独居で自立、性格は自我が強く病識の欠如がみられた。既往歴は高血圧。骨密度はYAM値で大腿骨近位部69% であるが、骨粗鬆症の治療や検査歴なし。尚、報告に際し本人に文書にて説明し同意を得た。【経過】 ゴミだしの際に転倒し受傷する。救急搬送され、膝蓋骨骨折の診断で入院。第2 病日に手術施行し翌日からリハビリが開始された。その後、第6 病日に誘因なく腰痛が出現、第8 病日まで継続した。そのため主治医に報告、新規胸椎椎体骨折の診断と加療が直ちに開始された。その後、T 字杖歩行自立での自宅退院となった。現在は当院外来で加療を進めている。【考察】 当院では、骨粗鬆症認定医のもと、他職種間での骨粗鬆症への知識の共有がなされている。本症例において医療従事者として着目すべきは、受傷機転が転倒であり、大腿骨近位部YAM 値69%と低値であったことである。術後誘因なく腰痛が出現したことから、理学所見のみならず、それらをふまえ椎体骨折の存在を疑い主治医に報告した。ここから早期加療につながったのではないかと考えられる。次に患者側面として、骨粗鬆症は易転倒や二次骨折を引き起こしやすい病態である。しかし、本症例は受傷後も病識の欠如ら治療への理解が得られない現状があった。そのため、チームとして患者側に立ち治療に対する不安を理解し、一緒に解決策を検討したことで治療が開始された。目の前の骨折だけでなく骨粗鬆症治療についての正しい理解は、医療従事者のみならず患者に対してもその重要性を提示していく必要が考えられた。