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概要

抄集録

94P-187 膝蓋腱縫合術後にExtension Lag が残存し,階段昇降の獲得に時間を要した一例土肥沙央里1),小林英美1),島光司1),木村泰1),高橋勇貴1),橋元崇1)1)地域医療振興協会 練馬光が丘病院 リハビリテーション室key words 膝蓋腱断裂・腱縫合術後・Extension Lag【はじめに】 膝蓋腱断裂術後の統一された運動療法の報告は少なく, 明確なプロトコルもない. 先行研究の多くは膝関節屈曲可動域と膝伸展筋筋力の獲得は比較的良好とされている. 今回, 膝関節屈曲可動域は良好に獲得されたものの,Extension Lag が残存し, 階段昇降の獲得に時間を要した症例を経験したので以下に報告する.【症例紹介】 50 歳代男性. 走行中に左下肢の脱力にて転倒. 左膝蓋腱断裂の診断にて入院.MRI の結果より膝蓋腱は完全断裂を認め, 受傷9 日目に膝蓋腱縫合逢着術を施行.【説明と同意】 主旨と内容を説明し, 個人情報には配慮することを伝え同意を得た.【理学療法経過】 術翌日から理学療法開始. 術後7 日目より膝伸展位での歩行訓練を開始.14 日目に等尺性収縮での筋力訓練を開始し16 日目に自宅退院.28 日目に可動域訓練, 自重でのOKC 訓練を開始.50 日目に徒手抵抗でのOKC およびCKC訓練を開始. 左膝関節屈曲( 初期/ 最終):80°/130°, 左膝伸展筋力( 初期/ 最終):MMT2/2, 左Extension Lag( 初期/ 最終):25°/10°, 徒手筋力計膝伸展筋力体重比( 右/左):51.6% /45.4% . 降段動作では股関節を外旋させ, 膝折れによる転倒を予防していた.Extension Lag に対しては,座位での膝関節最終伸展位保持訓練を積極的に実施した.【考察】 膝蓋腱断裂術後では, 早期に関節可動域および筋力が獲得されることが報告されており, 本症例でも術後3 ヶ月で良好に膝関節可動域は獲得された. しかし, 術後3 ヶ月経過した時点でもExtension Lag は残存した. 徒手筋力計での膝伸展筋力の結果では, 左右共に階段昇降自立の基準値を満たしていた. 本症例は, 膝蓋腱断裂術後であり膝蓋腱の腱紡錘の機能不全を生じている事でExtension Lag が遷延した事と考える. これにより階段昇降時の膝関節運動が緩慢となり脱力感が長期的に残存したと考える. 今後, より早期にExtension Lag を改善させるために, 静的収縮訓練のみならず, 関節運動を伴う動的収縮訓練を適切に行う事が重要であると考える.P-188 当院における変形性膝関節症術後患者の大腿四頭筋筋力回復過程調査高野凌1),宗村和幸1),小林勇造1),高橋亜美1),高橋陽平1),坂内静華1),塩崎浩之2),山際浩史2),椿淳裕3)1)済生会新潟第二病院 リハビリテーション科2)済生会新潟第二病院 整形外科3)新潟医療福祉大学 医療技術学部 理学療法学科key words 大腿四頭筋筋力・変形性膝関節症・人工膝関節置換術【目的】 人工膝関節全置換術・人工膝関節単顆置換術(以下、TKA・UKA)後は可動域制限、歩行障害、筋力低下などの症状が出現することがある。術後リハビリテーションにおいて、多くの文献では早期に筋力訓練を実施することが重要であると述べており、ADL 獲得において重要な因子になると考えられる。今回、術後早期から大腿四頭筋筋力訓練に介入し、どのような筋力回復過程を辿るか調査した結果を報告する。【説明と同意】 対象者にはヘルシンキ宣言に基づき本研究の目的を書面にて説明し、同意を得て測定を行った。【方法】 2016 年10 月~ 2017 年2 月までの期間にTKA・UKAを実施した計25 名34 膝(男性9 名、女性16 名、平均年齢73.7 ± 4.8 歳)に対して、下肢筋力測定・訓練器(アルケア株式会社)を使用し術前、術直後、術後7 日毎に21 日まで大腿四頭筋筋力測定、膝伸展可動域測定を実施した。測定姿勢は長座位で測定器を術側の膝窩部に置き、下腿を非収縮性のベルトで固定し5 秒間測定した。筋力訓練は5 秒間× 20 回を筋力の40%の負荷量で大腿四頭筋セッティングを行った。統計解析は一元配置分散分析で行い、有意水準は5%とした。【結果】 膝伸展筋力は、術前14.83 ± 5.3kg、術直後2.01±1.3kg、術後7 日10.32 ± 4.4kg、術後14 日13.33 ± 5.1kg、術後21 日14.08 ± 4.3kg であり(p< 0.01)、術直後と比較し術後7・14・21 日は優位に高値を示した。伸展可動域は術前- 4.57 ± 4.69°、術直後- 8.00 ± 6.23°、術後7 日- 1.86 ± 2.95°、術後14 日- 0.86 ± 1.88°、術後21 日- 0.33 ± 1.25°であり、有意差を認めた(p< 0.01)。【考察】 術前と比較し術後7 日では筋力値は70%、14 日では90%、21 日では95%まで回復し、下肢筋力訓練器による大腿四頭筋訓練は一定の効果を示した。また、膝伸展可動域においても同様な効果を示した。今後は疼痛による影響も考慮した回復過程を比較検討していく必要がある。