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概要

抄集録

92P-183 人工膝関節周囲骨折術後のリハビリテーション工藤卓人1),江渕貴裕1),正田奈緒子1),金丸晶子1),太田隆1)1)地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターkey words 人工膝関節全置換術・大腿骨顆上骨折・関節可動域【はじめに】 両側同時TKA 後,左人工膝関節周囲骨折を受傷.観血的整復固定術(以下ORIF)施行した症例の評価介入を経験したので報告する.【説明と同意】 症例に書面にて説明し同意を得た.【症例紹介】 両側当時TKA 後の80 歳代女性.TKA 後23 日目膝屈曲100/110・伸展0/0(度,以下省略),T 杖歩行・1 足1段で階段昇降と順調な経過であったが,同日足を滑らせ左人工膝関節周囲骨折を受傷.翌日左ORIF施行され(POD0),術後は完全免荷.【経過】 POD1, 骨折部への捻転ストレス予防と疼痛抑制のため,金属支柱付膝関節装具を使用し離床開始.同日より愛護的に膝ROM 練習開始.膝屈曲100/60.介入は下肢拳上位リラクゼーション,支持面を確保した中で重力を利用した膝関節運動,自動介助下のパテラセッティング,免荷で平行棒内立位等を実施.POD23,膝屈曲120/80 まで改善.POD26 にA 病院へ一時転院し,POD36 に再入院.POD40 より1/3 部分荷重,膝屈曲110/70 と左膝屈曲ROM が低下.膝関節運動時の超音波所見は,左優位に膝蓋上嚢の可動性低下を認めたが,膝蓋上嚢に明らかな癒着所見なし.徒手評価にて術創部周囲の皮膚と膝蓋骨の可動性低下が著明と判断し,皮膚・膝蓋骨周囲のモビライゼーション実施後にROM 練習を継続.POD67,膝屈曲120/80 と改善.杖歩行獲得と自宅復帰を目指しリハビリ継続中.【考察】 大腿骨遠位部骨折治療では骨癒合が優先され,免荷治療のため重篤な膝関節屈曲拘縮を来たし易い.膝関節拘縮予防には,膝蓋上嚢の癒着を予防し機能を維持するため,適切な早期ROM 練習開始が不可欠である.本症例においてもPOD1 から膝蓋上嚢の癒着予防のため愛護的ROM 練習とパテラセッティングを実施.膝蓋上嚢の可動性を保ち,歩行時に必要な膝屈曲70 度を維持できた.人工膝関節周囲骨折術後リハビリにおいて,早期から愛護的ROM 練習とパテラセッティングの必要性が示唆された.P-184 人工膝関節全置換術後、膝伸展不全が残存した症例~術翌日から低周波電気刺激療法を併用して~山田一貴1)1)JA長野厚生連 南長野医療センター 篠ノ井総合病院key words 人工膝関節術後・伸展不全・低周波電気刺激療法【はじめに】 今回右変形性膝関節症後、全人工膝関節置換術(以下TKA)を施工された症例を担当させていただいた。本症例は早期の仕事復帰をHOPE としていた。そのため早期での膝関節伸展筋力向上を目指し治療を行い、術後約1 ヶ月半で仕事復帰を果たした。しかし伸展不全の改善に難渋した。そこで考察を交えてここに報告する。【症例紹介】 60 代女性、数年前より右膝関節痛を自覚し、今回膝関節痛増悪したため手術を希望した。【理学療法評価】 術前:膝関節伸展トルク57.9Nm TUG10 秒 JOA75点 WOMAC 疼痛55 点機能54 点 膝関節屈曲125 °伸展不全0 °術後3 週( 退院時):31.3Nm TUG12 秒 JOA90 点 膝関節屈曲125°伸展不全10°WOMAC 疼痛70 点 機能72 点 術後3 ヶ月70.8Nm  TUG10.3 秒 膝関節屈曲120°伸展不全10°WOMAC 疼痛55 点 機能74 点 歩行:術後初期では患肢の立脚後期から遊脚期で膝関節屈曲がみられなかった。また患肢では逃避性跛行が出現していた。術後3 週間で跛行は改善した。【治療】 手術翌日より可動域訓練、筋力トレーニング、歩行訓練、低周波療法を行った。筋力トレーニングではパテラセッティング・内転筋と内側広筋同時収縮訓練などを実施した。【考察】 TKA は変形性膝関節症の疼痛に対して有効な治療手段である。しかし術後大腿四頭筋筋力は50 ~ 60%に低下すると報告されており、大腿四頭筋筋力低下は歩行速度低下などとの関連が示されている。また諸家により、術後早期からの大腿四頭筋に対する低周波療法の有効性が示されている。本症例においても早期で低周波療法が筋力向上に一助したと考えた。その一方術後伸展不全が出現し改善には至っていない。諸家によりTKA 後伸展不全残存患者の縫工筋過活動が報告されている。術前FTA180°と内反変形を呈しており手術によるアライメント正常化後も術前の運動パターンが残存し伸展不全につながったと考えた。【倫理的配慮】 対象者に対して趣旨を説明し同意を得た。