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概要

抄集録

91P-181 多系統萎縮症を呈した患者の家族介護負担に着目して酒井崇行1)1)上伊那生協病院 理学療法課key words 家族介護負担・Zarit8・身体機能【はじめに】 自宅での生活にて介助が必要な方は多く、家族が介助に対して負担に感じる部分も様々である。要介護者の運動機能および生活機能は、主介護者の介護負担感と関連を有する報告があり、今回家族介助で生活を送る多系統萎縮症を呈した症例の家族に対して、Zarit8 を使用し介護負担感の評価・軽減を図った為ここに報告する。本報告については家族・本人に説明を行い当院倫理委員会からも同意を得ている。【症例紹介】 50 代男性。X 年頃歩行障害、尿漏れ等が出現した。X+3 年多系統萎縮症と診断X+4 年起居・起立動作、歩行困難等の身体機能低下を認め当院入院。【評価】 歩行器使用。入院+8 日目、転倒リスクがあり介助が必要。トイレ動作は病棟トイレ見守り。Zarit8 では32 点中7 点であり加点項目として介護そのものに対する負担が3 点、介護者が介護をはじめたためにこれまでの生活ができなくなることより生ずる負担が4 点であった。加点理由として移動に介助が必要であった事、夜間の排泄が見守りであった事が聞かれた。理学療法として歩行器歩行自立・トイレ動作自立を目標に介入した。【結果】 入院+60 日目、歩行器歩行見守りレベル・トイレ動作はポータブルトイレ自立。家族としても歩行介助・起立・着座時の介助量が軽減したとの意見も伺えた。しかし、段差昇降時や移乗時にバランスの崩れが残存し日常生活では見守りから軽介助が必要であった。Zarit8 では介護そのものに対する負担項目で1 点の改善が見られた。【考察】 今回、Zarit8 使用し介助負担の要素を明確化できその部分に対して身体機能の評価・介入した事で家族負担感の改善が得られたと考える。【まとめ】 今回は入院前から介助をしていた家族への評価であったが、さらに症例数を増やす事で今まで介助をしてこなかった家族へ支援に繋がるのではないかと考える。P-182 低身長・低体重児の運動発達遅滞に対する装具療法~骨盤帯長下肢装具・角度調節付き継手カバーの試作~佐藤隆一1),中山滋1),大山由廉1),小澤哲也1),霜田直史2),黒木隆行3),関川且行3)1)小田原市立病院 リハビリテーション室 2)小田原市立病院 リハビリテーション科3)東名ブレース株式会社 関東支店key words 装具療法・運動発達遅滞・低身長・低体重児【目的】 運動発達遅滞で立位困難な小児の理学療法の1 つとして骨盤帯長下肢装具(以下HKAFO と略す)がある。しかし低身長児に製作することは、素材・継手の形状に限界があり、選択肢から除外されることが多い。そこで今回はHKAFO の股関節・膝関節の遊動型角度調節付き継手カバーを試作したので紹介する。【症例紹介】 在胎34 週2 日・体重1150g・Apgar score 4/7 点、帝王切開にて出生の49XXXXY 症候群、慢性腎不全、PDA、ASD、脊髄係留症候群と診断された年齢2 歳8 ヶ月の男児。【訓練経過】 初回評価時(1 歳3 ヵ月・体重7140g・身長62.5cm) 定頚(+)、寝返りは左右側臥位まで可能であった。1 歳8 ヵ月左右寝返り、on elbow までの起き上がり、上肢支持座位が可能なった。1 歳10 ヵ月側臥位でのずり這い移動、この頃当院整形外科受診し両側橈尺癒合症、側彎症、外反膝と診断された。2 歳1 ヵ月自力で起き上がり、シャフリングで移動、つかまり立ちは困難(体幹屈曲位、反張膝、足部外反位)であった。立位練習・歩行練習実施の目的とご家族の要望からHKAFO・角度調節付き継手カバーの検討を行った。【角度調節付き継手カバー】 株)東名ブレース義肢装具士が株)ボンサイラボ社製3D プリンターとCAD ソフトを用いて股継手(伸展5°屈曲30°)・膝関節継手(伸展0°屈曲5°)の遊動カバーを製作した。また作製と発表に当たり保護者の同意を得ている。【結果】 2 歳2 ヵ月(体重7980g・身長74.6cm) HKAFO 完成し立位練習開始、2 歳7ヵ月座位からのつかまり立ちが可能となり2 歳8 ヵ月2 ~ 3 歩伝い歩きを獲得した。【考察】 小児の装具療法は変形を矯正することだけではなく、筋力低下を補い支持性を高め多関節の動きを制限することによって動作をより単純化し、運動学習を容易にするといわれている。今回、HKAFO 角度調節付き継手カバー作製により低身長児の立位経験が、近位体幹や股関節周囲筋の筋力活動性を高め、運動発達を促したと考えた。