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概要

抄集録

90P-179 脳梗塞を既往に持ち大腿骨転子部骨折を受傷した症例~家族HOPE に焦点をあてて~松江季恵1)1)平成横浜病院 リハビリテーション科key words 家族HOPE・家族指導・在宅復帰【はじめに】 高齢化社会が進行する中で, 在宅介護を必要とする高齢者は増加しており, 介護者への負担増加も問題視されている. 入院患者においては, 在宅復帰を希望する者も多く, 介護者となる家族と本人のHOPE を達成することが, 医療者に求められている. 今回, 大腿骨転子部骨折を受傷した患者を担当し,「早期退院」を望む息子と「長期入院と介助量軽減」を期待する嫁の家族HOPE の相違に対し, 家族指導と理学療法の両面よりアプローチした為, ここに報告する.【症例紹介】 A 氏90 歳代女性. 息子夫婦と同居し, 受傷前ADL は重度介助レベル. 自宅で嫁が車椅子に移乗する際に共に転倒. 前院でγネイル法を施行し.33 病日目に当院転院. 脳梗塞を既往に持ち, 左片麻痺残存を認めた. 本人HOPE はトイレに行きたい, 入院時FIM41 点,SIAS36 点, トイレ動作全介助であった.【経過】 トイレ動作介助量軽減を目的とした訓練に加え, 介助に不安を抱える嫁に対する介助指導に焦点をあて介入した. 入院時完全免荷指示であった為, 関節可動域訓練, 筋力強化訓練, 端座位訓練, 車椅子離床を実施.40 病日に全荷重となり, 基本動作訓練, トイレ動作訓練を開始。家族に対しては, リハビリ見学及び自主練習, 起立動作の介助指導を実施.60 病日より家族へのトイレ動作指導及び環境設定を実施. 最終評価ではトイレ動作中等度介助,FIM52点,SIAS42 点と改善し,67 病日で自宅退院となった.【考察】 今回, トイレ動作介助量軽減を目指し動作・機能訓練と併用し, 段階的に嫁に対し家族指導を実施した事で, トイレ動作介助量軽減獲得による早期退院, 家族HOPE の達成,主介護者となる嫁の精神面の変化を認めた. 高齢者の在宅復帰及び在宅生活の継続を実現する為には, 介護者の協力や理解が不可欠であり, 患者への理学療法の提供だけに留まらず, 介護者へのアプローチも重要な役割であると考える.P-180 スモールチェンジ機能付きエアーマットレスの使用により疼痛の軽減及び睡眠状況の改善が得られた頸髄損傷例太田直樹1),田中康之1)1)千葉県千葉リハビリテーションセンター 地域連携部key words スモールチェンジ・睡眠状況・頚髄損傷【はじめに】 褥瘡予防・ガイドライン第4 版では体圧分散マットレスを使用する場合、4 時間以内の間隔で体位変換を行うことが褥瘡予防に有効とされている。夜間の定期的な体位変換は患者の睡眠を妨げ、日中活動に影響を与えるほか、介助者への負担が大きい。今回、スモールチェンジ(SC)機能付きエアーマットレスの使用により夜間の睡眠状況の改善を得られた症例を経験したので報告する。なお、本報告は当センター倫理委員会の承認を得ている。【症例・評価】 外傷性頸髄損傷(損傷高位C6-7)AIS D、感覚鈍麻あり。起居動作は軽~中等度介助。尾骨骨折の既往があり、変形治癒により著明な骨突出を認めていた。ブレーデンスケール14 点、エアーマットレスを使用していたが、尾骨部の疼痛のため毎日夜間2 ~ 3 回ほど目が覚めていた。【介入・結果】 マットレスをSC 機能付きエアーマットレスに変更し、2週間試用後、感想の聴取及びベッド上の体圧分布を測定した。 試用後、尾骨突出部の疼痛が消失し、夜間目が覚める頻度が週に1回程度に改善した。試用の感想として「痛みで起きることがなくなった」「体が動いている感じはしなかった」とあった。また、体圧分布は平均ピーク圧の減少、接触面積の増大及び尾骨周囲の圧分布の変化を認め、皮膚の発赤も認められなかった。【考察】 SC 機能付きエアーマットレスの使用により、夜間の睡眠状況の改善をみとめ日中活動の増加つながることが推察された。また、本症例については、定期的な体位変換を見直すことで、在宅介護者の介護負担軽減に寄与することが考えられた。今後の課題として使用者の体重、拘縮の程度、肺ケアの必要性の有無の観点からSC 機能付きエアーマットレスの適応を検討する必要があるため、症例を重ねて検証したい。