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概要

抄集録

89P-177 低栄養状態で生活機能が低下した在宅高齢者に対する訪問リハビリテーションの介入効果の検討澤田圭祐1),橋立博幸2),甲田智洋1),柴田未里1),笹本憲男3)1)医療法人笹本会おおくに訪問リハビリテーション2)杏林大学保健学部理学療法学科3)医療法人笹本会やまなしケアアカデミーkey words 低栄養・在宅高齢者・訪問リハビリテーション【目的】 本報告では、低栄養状態で生活機能が低下し、6 か月間の訪問リハを実施して生活機能が改善した在宅高齢者の事例をとおして、訪問リハの介入効果を検討することを目的とした。なお、本研究は、施設内倫理審査委員会にて承認され、対象者と家族に本研究の主旨を説明し同意を得て実施した。【症例】 70 歳代、在宅の女性、平成26 年10 月にるい痩と廃用症候群の診断を受け、褥瘡発生と自宅内での転倒増加を機に、要介護度3 にて同年11 月に訪問看護導入、同年12 月に筋力低下の改善と自宅内動作の安定のため訪問リハ開始( 週2 回) となった。訪問リハ開始時は、体重28kg、BMI12.1kg/m2、Mini Nutritional Assessment-Short Form(MNA-SF)3 点、アルブミン2.7g/dl と低栄養状態であった。ADL はfunctional independence measure 運動項目(mFIM) 49 点で起立・歩行に介助を要し、skeletalmuscle mass index(SMI) 4.4kg/m2、握力6.7kg、膝伸展筋力34.3N で筋量と筋力の低下が顕著であり、サルコペニアも疑われた。また、屋内生活空間home-based life-spaceassessment(Hb-LSA) 31.5 点、離床時間4 時間/ 日で、活動量が乏しかった。【経過】 訪問看護による栄養指導・管理( エンシュアリキッド1本/ 日) とともに、訪問リハ(6 か月間、計50 回) では筋力増強運動、起立・歩行練習、介助指導、生活環境調整を実施し、運動量と活動量の漸増を図った。平成27 年6 月では、体重27kg、BMI11.7kg/m2、握力8.8kg、膝伸展筋力60.8N で体格や筋力に著変なかったが、MNA-SF は11点に改善した。また、ADL はmFIM84 点、timed up & gotest 12.7s で起立・歩行が自立し、活動量はHb-LSA110 点、離床時間15 時間/ 日へと改善した。【考察】 低栄養状態で生活機能が低下した高齢者において、訪問リハでの機能・活動に対する運動介入と環境調整によって、必ずしも体格や筋力の著しい改善が得られなくとも、動作・活動水準の改善を促進できる可能性があると推察された。P-178 ALS 療養者の社会参加への取り組み ~興味・関心チェックシートを活用して~小島渉1),齋藤恋太1)1)医療法人美郷会 西蒲中央病院訪問看護ステーションkey words 訪問リハビリテーション・興味・関心チェックシート・活動・参加【はじめに】 訪問リハビリは心身機能、活動、参加の要素にバランスよく働きかける効果的なサービス提供を推進するための理念が明確化されている。そこで、興味・関心チェックシート、訪問リハビリ計画書を有効に活用し、社会参加への取り組みを行った事例を経験したので、その成果を報告する。【倫理的配慮】 本症例は利用者様、家族の了承を得ており、個人情報に十分配慮した上で行った。【症例紹介】 筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)にて自宅療養している50 歳代男性。人工呼吸器を装着しており、基本動作、ADL 全介助レベル。気力低下、意欲低下が著しく、世間体を気にし、世間とのかかわりもほとんどない状態である。【経過と結果】 興味・関心チェックシートを用いて調査を行った。ここで、三女の大学の入学式に出席してみたいという意向が聞かれる。その内容をケアマネージャーに相談し、在宅サービス担当者の協力を得ることにした。また、当日までの流れを明確にするため、訪問リハビリ計画書を用いてその内容を目標とし、達成期限、リハビリの内容、提供時間、頻度を明確にした。その計画に基づきサービス提供を行った。この結果、家族の介助にて入学式に参加することができた。その後、主治医からの勧めもあり、ALS 協会の運営にも携わるようになった。【考察】 ALS 療養者の社会参加を促すためには、本人の意向の確認、それを実現するための調整作業、社会参加のための場面、機会の整備が必要であると言われている。これらを第三者がマネージメントを行うシステムとして興味・関心チェックシート、訪問リハビリテ計画書の活用が有効であると考える。人はその人にとって大切な生活行為を遂行することで、満足感や充実感を得て健康であることを実感し、幸せであると実感する。また、自分が社会で受け入れられたという安心感を得たことで生きがいや新たな役割の構築に至ったと考えられる。