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概要

抄集録

85P-169 Berg Balance Scale(BBS)を用いた回復期脳卒中患者の歩行自立予測‐ FIM 運動項目との比較-岩本紘樹1),井上大介1)1)医療法人社団 日高会 日高リハビリテーション病院key words 歩行自立・予後予測・バランス能力【目的】 予後予測に関する報告は散見されるが、入院時バランス能力に基づいた報告は少ない。本研究では回復期病棟入棟時の情報より、歩行自立に関する因子を検討し、入院時バランス能力が脳卒中患者の退院時歩行自立の予測因子となり得るかを検討した。【方法】 対象は当院回復期リハビリテーション病棟を退院した脳卒中患者とし、入院時BBS 満点者と歩行自立者、他疾患による転院者を除外した415 名とした。退院時の歩行FIM 得点を基に自立群、非自立群に分類した。各群に対し、性別、年齢、発症~入棟までの期間、入院時Functional Independence Measure の運動項目(FIM-M)と認知項目(FIM-C)、入院時BBS 得点、入院時StrokeImpairment Assessment Set(SIAS) の上肢および下肢合計点で単変量解析(Mann-Whitney のU 検定、χ 2 検定) を実施後、有意差を認めた項目を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析を実施した。また、Receiver OperatingCharacteristic(ROC) 曲線を用いて歩行自立cut-off 値、Area under the Curve(AUC) を求めた。有意水準は5%とした。本研究は当院倫理審査委員会の承認得た( 承認番号160916)。【結果】 自立群219 名、非自立群196 名であった。単変量解析では性別以外の全項目に有意差を認め、BBS 得点の中央値は自立群38 点、非自立群10 点であった。回帰分析ではFIM-M、FIM-C、年齢、SIAS 下肢項目が採択された( 判別的中率80.7% )。FIM-M とBBS 間で有意な高い相関を認め(r=0.775)、FIM-M を除外した解析では、BBSが代わりに採択された( 判別的中率80.0% )。歩行自立cut-off 値(AUC) はFIM-M58.5 点(0.87)、BBS29.5(0.80)、FIM-C26.5 点(0.76)、SIAS 下肢項目9.5 点(0.72)、年齢73.5 歳(0.63) であった。【考察】 後方視的観察研究であり入院前能力や退院時歩行補助具等の調査が困難な点に限界はある。歩行自立の予測因子として入院時日常生活動作能力や年齢は重要であり、BBSも有用な一要因となる可能性が示唆された。P-170 当院における特発性正常圧水頭症患者に対するシャント術前後での歩行能力の変化北山達郎1),伊藤正樹1),内山 覚1),西 将則1),石井則宏2)1)新東京病院 リハビリテーション科2)新東京病院 脳神経外科key words 特発性正常圧水頭症・シャント・歩行能力【背景】 特発性正常圧水頭症(以下iNPH)は脳脊髄液の循環障害により歩行・認知・排尿障害の3 徴を呈する症候群である。治療の主体は髄液シャント術であり、その前後での歩行評価や認知機能評価は治療の効果判定として広く用いられている。本邦におけるiNPH 診療ガイドラインにおいても10m 歩行速度やTimed up and go test(以下TUG)などを推奨しており、定量的な歩行能力の評価が重要である。【目的】 本研究の目的はiNPH 症例に対するシャント術前後の歩行能力の変化を明らかにすることとした。【方法】 対象はiNPH と診断されシャント術を施行した22 例とし、診療録より基本情報、術前後の歩行能力(10m 歩行速度・歩数、ケイデンス、TUG)、認知機能(MMSE、TMT- A)、iNPH Grading Scale(以下iNPHGS)、Barthel Index(以下BI)、Evans Index(以下EI)、disproportionately enlargedsubarachnoid-space hydrocephalus(以下DESH)所見の有無を調査した。統計解析は術前後にて対応のあるt 検定、Wilcoxon 符号付順位和検定、Fisher の正確検定を用い、有意水準は5% 未満とした。【倫理的配慮】 ヘルシンキ宣言および人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に従い実施した。【結果】 DESH は21 例に認めた。術前後の比較において10m 歩行速度が14.5 ± 10 秒から12.2 ± 6.6 秒に、BI は78.1± 18 点から85.4 ± 13 点に有意な改善を認めた。10m歩行歩数、TUG、iNPHGS、TMT-A は改善傾向は認めたものの有意差は認めなかった。【考察】 先行研究では三徴候の改善率は歩行障害が80~90%としており先行研究を支持する結果となった。しかし先行研究の多くは術後の評価を3 か月~1 年で行っていることが多く、本研究は入院期間での評価となっているため、長期的な評価を行うことができていない。そのため今後は外来などで長期的な評価を行うことが必要である。【結語】 シャント術後10m 歩行速度、BI に有意な改善を認め、先行研究を支持する結果となった。