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概要

抄集録

81P-161 回復期リハビリテーション病棟における長期に渡るFES の適用が歩行機能に与える影響の検討鄭飛1),角田亘1),稲田晴生1),石田武希1)1)化学療法研究所附属病院 リハビリテーション科key words 脳梗塞・回復期リハビリテーション病棟・機能的電気刺激【目的】 脳梗塞患者における歩行障害への治療的介入として、functional electrical stimulation(以下、FES)が重視されるようになっている。先行研究によると、FES の施行期間は4 ~ 8 週間となっており、それ以上の長期間に渡ってFES を行ったとの報告は少ない。今回、回復期病棟の脳梗塞患者に対し、FES を12 週間適用する機会を得た。本発表では、長期に渡るFES の適用が歩行機能に与える影響を明らかにすることを目的とする。【方法】 患者は左中大脳動脈領域の脳梗塞によって、右片麻痺を呈する50 代女性である。下肢筋力増強訓練、バランス訓練などを行いながら、歩行訓練を行う際にはFES を併用。FES は、1 セッションを20 分間とし、WalkAide(InnovativeNeurotronics 社)を用いて毎週5 日間ずつ、計12 週間行った。FES の介入前後において、歩行機能評価として10m歩行テストをADL 評価としてfunctional IndependenceMeasure(以下、FIM)を測定・採点した。本報告の趣旨を十分説明し同意を得た。【結果】 12 週間のFES 適用によって、歩行速度は、介入前0.14m/秒、8 週間後0.39m/ 秒、12 週間後0.72m/ 秒と増加を示した。同様にFIM の運動項目点数も、介入前48 点、8 週間後81 点、12 週間後90 点と増加を示した。なお、FES適用による有害事象は認められなかった。【考察】 FES による他動的な収縮によって脳血流増加、大脳皮質の賦活が認められると先行研究より報告されている。更に、電気刺激と随意運動の併用は運動領野の興奮性を高め、神経の可塑性を促すことが報告されている。筋力増強訓練、バランス訓練と併用して、FES を使用しながらの歩行訓練は、歩行パターンを学習し、歩行能力の改善ができたと考えられる。【結論】 回復期病棟の脳梗塞患者に対する12 週間のFES 適用は、歩行機能を改善させた。今後は、長期的な入院期間が確保されている回復期病棟患者に対して、我々が行ったごとより長期のFES 適用が試みられるべきと考えられる。P-162 広範な左橋梗塞により運動麻痺・姿勢制御に障害を呈した症例木村友彦1)1)公益社団法人 地域医療振興協会 横須賀市立うわまち病院key words 橋梗塞・姿勢制御・歩行【はじめに】 一般的に橋病変による障害像は予後が比較的良好とされている。今回、広範な左橋梗塞を発症し運動麻痺以外に姿勢制御に障害を呈した症例を経験した。理学療法介入により歩行介助量が軽減したためここに報告する。【説明と同意】 ヘルシンキ宣言に則り、本人に説明し口頭と書面にて同意を得た。【方法】 症例は左橋梗塞を発症した70 代後半の女性である。第1 病日から理学療法が開始され、今回は第13 病日~第30病日までの介入の報告である。第13 病日時点での身体機能はBrunnstrom Recovery Stage( 以下、BRS) 上肢4- 手指4- 下肢5。表在・深部感覚ともに明らかな障害なし。安静時の筋緊張は麻痺側大腿四頭筋で低下。非麻痺側上下肢MMT は5 レベル。躯幹失調試験はグレード1 と失調を認めないレベルであったが、側方リーチ動作では体幹の立ち直り反応が乏しく、体幹の機能低下が疑われた。基本動作は寝返り・起き上がりは自立。歩行は麻痺側へのふらつきがあり軽介助。ADL はFIM84 点。本症例に対し起立・着座練習により麻痺側足底への荷重刺激を入力し、リーチ課題・寝返り動作練習などを通して体幹の活動を促した。【結果】 最終評価時、BRS 上肢5- 手指6- 下肢6。屋外も含む500 m以上を監視で歩行可能となった。FIM は107 点となり、第33 病日に回復期病院へ転院された。【考察】 橋には随意運動以外にも感覚や小脳との連絡線維、覚醒・筋緊張制御に関わる網様体が存在している。高草木は網様体脊髄路は歩行における全身の筋緊張レベルの調節、体幹・上下肢のアライメントの調節に関わるとしている。本症例では、運動麻痺は軽度であったが網様体脊髄路の障害により立位・歩行時の体幹や右下肢の筋出力調整が困難となり歩行不安定性を呈していると考えた。本症例において練習の中で下肢からの抗重力刺激が網様体脊髄路を刺激し、歩行に必要な体幹の活動が促され歩行介助量軽減に繋がったと考えた。