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概要

抄集録

79P-157 麻痺側肩を壁につける手がかりを用いた重度片麻痺患者に対する立位保持介入宇佐美太一1),加藤宗規2)1)医療法人千葉秀心会 東船橋病院 リハビリテーション科2)了徳寺大学key words 失語・片麻痺・立位【目的】 発症3 ヶ月時点で,トイレの動作と移乗が全介助でオムツを使用していた重度右片麻痺患者に対して行った,課題指向型の立位訓練による効果を検討した.【方法】 80 代男性,左内頚動脈閉塞による重度片麻痺と全失語.Brunnstrom recovery stage(以下,BRS)は右側上下肢,手指全てI.97 病日の基本動作は寝返り・起き上がり:中等度介助,座位:見守り,移乗:重度~中等度介助,立ち上がり:中等度介助,歩行:重度介助であった.トイレ介助を目標に縦手すりを用いた立位保持90 秒を目標として介入を追加した.縦手すりを用いた立位保持をベースライン期として,介入1 期は左肩を壁に寄りかかりながら縦手すり使用,介入2 期は左肩を壁に寄りかかることを除去し,縦手すりのみ使用した.いずれも顔の前方にタイマーを配置した.介入は1 日3 回とし,成功した場合には即時に称賛するとともに,3 回終了後はグラフを提示しながら結果のフィードバックを行い,前回よりも改善した場合も称賛を行った.1 日の3 回連続成功により段階達成と判断した.【説明と同意】 本報告はヘルシンキ宣言に基づき、家族に書面にて説明を行い、同意を得た.【結果】 95 ~ 98 病日のベースライン期では30 秒の立位保持も困難,介助数は平均10 回を超していた.99 病日の介入1期初日より改善がみられ徐々に介助数が減少し,介入15日目には3 回とも成功,介入2 期初日の介入16 日目には縦手すりのみで3 回とも成功した.これらの期間において,機能的自立度評価法(97 → 122 病日)は、トイレ動作1 → 2 点,トイレ移乗1 点→ 3 点となった.その間に失語・BRS の結果に変化はなかった.【考察】 発症後3 ヶ月が経過した重度片麻痺と全失語の患者に対して用いた壁に肩をつけるプロンプト・フェイディング法を用いた立位保持訓練は課題指向型の練習として有効であったと考えられた.P-158 注意機能障害を呈しADL に影響をきたした症例-課題指向型アプローチによるADL 自立を目指して-平石郁也1),森諒1),布川才浩1)1)一般社団法人 巨樹の会 新上三川病院key words 注意機能障害・二重課題・課題指向型アプローチ【はじめに】 臨床上、注意機能障害によりADL 自立に至らない症例が多くみられる。今回、注意機能障害を呈し二重課題が困難となりADL に影響をきたした症例を介入する機会を得た。そこで、課題指向型アプローチを行いADL 自立に至った為報告する。【倫理上の配慮】 ヘルシンキ宣言に基づき同意を得た。【症例紹介】 60 歳代、男性。多発性脳梗塞を発症45 病日後に当院へ転院。JCS II-20、ADL 全般で介助を要していた。102 病日後にしてJCS I-2 まで改善し、身体機能はBRS(左)上肢V 手指V 下肢V、FBS43 点、杖歩行見守りであった。高次脳機能検査はMMSE20 点、Rating Scale ofAttentional Behavior( 以下RSAB)35 点、行動観察ではリハビリ意欲が低く、机上課題中に閉眼傾向であった。Clinical Assessment for Attention(以下CAT)は分配性注意の著明な低下が認められていた。ADL は更衣・トイレなどの立位保持を伴うリーチ動作が二重課題となり、ふらつきが出現し介助を要していた。【介入方法】 課題指向型アプローチによる、直接的なADL 介入を朝食後・昼食後・夕方に1 日3 回実施した。その際、更衣・トイレなどの動作中に口頭指示による姿勢修正を随時行い反復した。【結果(171 病日後)】 JCS、身体機能は著変なし。高次脳機能検査はMMSE23点、RSAB26 点、行動観察はリハビリ意欲の向上を認め、机上課題は20 分程度の持続した取り組みが可能となった。CAT は分配性注意の改善が認められた。ADL は更衣・トイレなどの立位保持を伴うリーチ動作が安全に可能となり自立した。【考察】 注意機能障害を呈し二重課題が困難となりADL に影響をきたした症例に対し、課題指向型アプローチにより、立位保持を伴うADL に注意を分配する事が可能となった。この要因として、分配性注意の改善が二重課題の獲得に繋がったと考える。また、1 日3 回のリハビリでADL 介入を反復した事が分配性注意の改善に関係したと推測する。