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概要

抄集録

77P-153 側臥位にて動的肺コンプライアンスが増加した筋萎縮性側索硬化症一症例今井哲也1),芝崎伸彦1),沼山貴也2),柴田将3)1)狭山神経内科病院 リハビリテーション科2)狭山神経内科病院 神経内科3)ねりま健育会病院 リハビリテーション部key words 筋萎縮性側索硬化症・側臥位・動的肺コンプライアンス【目的】 筋萎縮性側索硬化症(ALS) では呼吸筋麻痺に伴い、自発呼吸困難となる。そのため、侵襲的陽圧換気(TPPV) 管理となり動的肺コンプライアンス(Cdyn)が低下する。今回、Cdyn を評価手段とし、側臥位の即時効果を検証する。【方法】 対象は、本研究の説明と同意を得られたTPPV 管理のALS 患者一症例とした。発症から15 年、TPPV 管理となり11 年経過している。左肺全野が無気肺となっており、肺胞出血の既往がある為、右側臥位禁忌となっている。本研究では、計7 回左側臥位実施し、側臥位実施前、側臥位直後、側臥位5 分、側臥位10 分、側臥位実施後にCdyn を測定した。側臥位の角度は90°とし、10 分間実施した。実施前後の測定前に聴診を行い、痰が貯留している場合は気管内吸引を実施した。Cdyn は、人工呼吸器からモニターされる一回換気量(Vte)と最高気道内圧(PIP)と呼気終末陽圧(PEEP)から算出した。実施前後の比較は、wilcoxon の符号付順位和検定を用いて解析した。【結果】 側臥位実施前は14.69 ± 0.62 ml/cmH2O、側臥位直後は11.79 ± 0.69 ml/cmH2O、側臥位5 分は11.91 ± 0.55ml/cmH2O、側臥位10 分は12.11 ± 0.95 ml/cmH2O、側臥位実施後は15.55 ± 0.36 ml/cmH2O であった。実施前後の比較では有意差が認められた(p < 0.05)。また、すべての側臥位実施後に吸引にて痰を徴取した。【考察】 本症例は長期臥床が続き、日常的に下側肺が換気されにくい。側臥位をとることで下側肺が換気されやすい環境となる。普段換気されにくい下側肺の肺胞を換気により、開かせようとするため、側臥位直後はCdyn が背臥位と比べ低下したと考える。時間と共に下側肺に換気されやすくなるため、側臥位直後から側臥位10 分後にはCdyn が上昇したと考える。排痰が確認できたことから、肺胞に空気が入り痰の排出が促され、重力により痰が移動したと考える。これらの影響により側臥位実施前後と比較し有意差が認められ、Cdyn 向上が示唆された。P-154 車いす変更後、姿勢の改善により疼痛軽減や自走速度向上などの効果が得られた若年脳損傷者の一症例岡村勇希1),泉從道1)1)JA 長野厚生連鹿教湯三才山リハビリテーションセンター三才山病院key words 慢性期リハビリテーション・車いす姿勢・シーティング【はじめに】 既存の車いすの問題点を見直し、現在の身体機能に合致させた車いすへ変更したことで、身体機能、ADL の改善が得られた症例を経験したのでここに報告する。本研究は患者より文章にて同意をいただき、三才山病院学術研究倫理委員会に承認を得て行なった。【症例紹介】 2017 年2 月時点 30 歳代, 男性, 頭部外傷後後遺症, 瀰漫性軸索損傷, 両側片麻痺, 高次脳機能障害12 段階上田片麻痺grade 上肢・下肢・手指(R/L = 11・11・11 / 2・6・2),四肢体幹動作時振戦陽性, 左側上下肢・頚部・体幹可動域制限( 左股関節屈曲80°, 体幹屈曲50°, 頚部自動伸展-20°),FBS4 点( 自力座位可能), 安静時頚部疼痛NRS6,FIM: 運動47 認知25 合計72 点, 車いす自走速度10m25.7 秒【経過】 2007 年受傷しA 病院に緊急搬送される。その後B 病院へ転院するも自宅復帰困難。受傷後約3 年目に当院医療療養病棟へ入院。その後モジュラー型車いすで病棟内自走可能となる。2015 年より元来の体幹・股関節可動域制限による車いす乗車時の不良姿勢増悪により、1. 常時頚部屈曲・円背・骨盤後傾姿勢による関節可動域制限増悪、2. 右頚部周囲の疼痛、3. 自走速度が遅い、4. 食事時の食べこぼしやムセの出現、などの問題点が顕著となった。既存の車いすは受傷直後の自力での座位保持困難な頃に作製した車いすであり、バックサポート長やクッションの種類など、現在の身体機能と合致していなかった。【結果】 不良姿勢の要因を分析し、1. バックサポートを低くし体幹・頚部伸展できるようにする、2. アンカーの深いクッションを導入し前方へのズレを軽減する、3. 前座高を低くし自走しやすくする、以上の条件を満たした車いすを作製した結果、前記の1 ~ 4 の問題点は改善した。特に頚部自動伸展は-20°→ 30°、疼痛はNRS6 → 0、自走速度は10m25.7 秒→ 20.9 秒へ向上した。【まとめ】 身体機能の変化とともに日頃利用している車いすを適切なものへ更新する重要性が確認できた。