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概要

抄集録

74P-147 両片麻痺を呈した症例へ治療用短下肢装具を用いたことで, 屋内独歩自立レベルを獲得できた事例下日向健太1),西谷拓也1),青木賢宏1),岩田千恵子1)1)八王子保健生活協同組合 城山病院 診療技術部 リハビリテーション科key words 治療用装具・脳血管障害・歩行【はじめに】 今回, 脳梗塞により両片麻痺を呈した症例に対して治療用短下肢装具( 以下 装具) を使用し, 予後予測を上回る歩行能力を獲得できたため, 報告する.【症例紹介】 60 歳代男性. 脳梗塞( 右中大脳動脈領域). 発症後34 日に当院へ転院.JCS はI-3 ~ II-10. バビンスキー反射と足間代は両側共に陽性.Br.stage は, 右側はV-V-V, 左側はIII-IIIIV.基本動作は一部介助~全介助レベル. 二木の分類に基づいて, 長期目標を屋内T 字杖歩行修正自立レベル( 装具使用) とした.【説明と同意】 ヘルシンキ宣言に基づき, 患者様・ご家族に同意を得た上で報告する.【装具作製までの経過】 発症後2 ヶ月で, 意識は清明, 左下肢のBr.stage はV, 大殿筋・大腿四頭筋・中殿筋のMMT は右3+, 左3 に改善した. 独歩は軽介助レベルであったが, 左下腿三頭筋・左後脛骨筋の筋緊張は亢進し, 左踵接地時では左足関節の内反が出現した. 左荷重反応期・左立脚中期では左膝関節のコントロールは十分であったが, 左股関節の後外側方動揺が生じた. 発症後3 ヶ月に足継手付きプラスチック短下肢装具( 浜松医大式) を作製した.【装具作製後の経過】 左足関節の内反, 左股関節の後外側方動揺は減少され,独歩は見守りレベルとなった. 病棟内でも装具を使用し,身体状況や歩容に応じて即時的に背屈角度を調節した. 発症後3 ヶ月2 週にはT 字杖歩行修正自立レベルとなり, その後背屈フリーとした. 発症後5 ヶ月には独歩自立レベルとなり, 左足関節の内反・左股関節の後外側方動揺は軽度となったため, 装具のカットダウンを行った. 退院時では,短距離の裸足歩行は自立レベルであった.【考察】 予後予測を上回り, 屋内独歩自立レベルまで向上し, また装具のカットダウンも行えた. これは身体状況や歩容に応じて即時的に背屈角度を調節したこと, 病棟内で装具を使用しADL 動作を行ったことで左下肢の運動が引き出されたことから, 段階的に歩容が改善できたと考える.P-148 Stiff Knee Gait を呈した症例における歩行時ハムストリングス筋活動の特徴真庭弘樹1),青山敏之2)1)IMS(イムス)グループ イムス板橋リハビリテーション病院 リハビリテーション科2)茨城県立医療大学 保健医療学部 理学療法学科key words Stiff Knee Gait・ハムストリングス・前遊脚期【目的】 片麻痺歩行の遊脚期における膝関節屈曲不足はStiffKnee Gait(以下,SKG)と呼ばれ,足部引きずりの原因となる.SKG の原因として,前遊脚期の大腿直筋の過活動が挙げられているものの(Kerrigan et al.,1991),ハムストリングの関与は十分に明らかにされていない.よって,本研究では,SKG による足部引きずりを呈する症例の歩行時のハムストリング筋活動を明らかにすることを目的とした.【方法】 症例は右片麻痺を呈した60 歳代男性で,Brunnstromrecovery stage(下肢)はIII,歩行能力はT 字杖見守りであった.筋電図の被験筋は大腿直筋(以下,RF),大腿二頭筋(以下,BF),半腱様筋(以下,ST)とした.サンプリング周波数は2000Hz とし,得られた筋活動は,整流平滑化後,歩行中の筋電図最大値を100% として相対値化した.運動学的データとして筋電図と同期したハイスピードカメラによる撮影を行い,Frame Dias を用いて膝関節角度を算出した上,歩行相を同定した.筋活動,関節角度ともに1 歩行周期を100% として正規化した上,6 歩行周期分を平均した.【倫理的配慮】 本発表に際して,ヘルシンキ宣言に十分に説明し,本人から書面にて同意を得た.【結果】 筋電図計測では前遊脚期(歩行周期の48 ‐ 69%)の平均値はRF が34.5%Max(68%),BF が43.5%Max(48%),ST が30.5%Max(48%)であった.前遊脚期における膝関節最大屈曲角度は24.57°であった.【考察】 前遊脚期の膝関節屈曲は健常歩行では40°であり,膝関節屈曲減少を認めた.健常者では,BF とST の筋活動が前遊脚期に減少するが,本症例では相対的に高い筋活動が残存した.以上の結果から,前遊脚期におけるBF とST の過剰な筋活動に伴う股関節伸展作用が,股関節屈曲による受動的膝屈曲を阻害し,SKG を導く一つの要因になった可能性があると考える.今後SKG の治療対象としてRF だけでなくBF とST を考慮する必要があると考える.