ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

抄集録

73P-145 脳卒中片麻痺患者の車椅子麻痺側下肢駆動が歩行の改善に与える影響佐久間直哉1)1)新横浜リハビリテーション病院 リハビリテーション科key words 下肢強制使用療法・車椅子駆動・歩行【背景】 近年、麻痺側を積極的に使用する事によって運動機能の回復を図るconstraint induced movement therapy( 以下CI 療法) が上肢に対する有効なアプローチとして試みられている。しかし下肢CI 療法は片側下肢を完全に使用制限してしまうと移動手段に支障をきたす事や、1 日に5 ~ 8時間の治療が必要とされている事から臨床応用には至っていない。【目的】 現実的に介入可能な時間内で、日常生活での活用に利点が多い車椅子駆動での麻痺側下肢強制使用が歩行に与える影響を検証する事とする。【対象】 疾患は左中大脳動脈領域での脳梗塞で当院に27 病日目に入院された70 歳台の男性。BRS は上肢IV- 手指III- 下肢V。感覚は表在・深部共に中等度鈍麻。他に、容量性注意機能低下と右側半側空間無視を認めた。【方法】 介入は、ABAB 型デザインを使用。43 病日目から開始し、各期は6 日間でA1、B1、A2、B2 の順で行った。A 期は通常の運動療法を60 分実施。B 期は通常の運動療法30分+ 麻痺側下肢車椅子駆動を30 分実施した。評価は、介入直後のTimed Up & Go Test( 以下TUG) にて秒数と躓き回数の2 項目とした。躓きとは、足部の一部がswing 中に床面に接触する事とした。統計は中央分割法と二項検定を用い、有意水準は5% とした。また、当研究はヘルシンキ宣言に基づき、被験者に主旨を説明し同意を得た。【結果】 TUG の秒数は、A1 期に対しB1 期は減少した(p < 0.05)。B1 期に対しA2 期は増加し(p < 0.05)、A2 期に対しB2期は減少した(p < 0.05)。躓き回数は、A1 期に対しB1 期は有意差は認めなかった。B1 期に対しA2 期は増加し(p< 0.05)、A2 期に対しB2 期は減少した(p < 0.05)。【考察】 今回、車椅子駆動での麻痺側下肢強制使用は、即時的な歩行能力の改善が得られる事が示唆された。歩行のCI療法は困難であっても車椅子駆動であれば生活に取り入れ易い。長時間の麻痺側下肢での車椅子駆動が、即時的な効果以外に持続的な効果が得られるか今後検討する必要がある。P-146 HONDA 歩行アシストを使用して歩行動作の効率化を認めた脳卒中の一症例山川諒太1),廣澤全紀1),佐藤義尚1)1)東京都リハビリテーション病院 リハビリテーション部 理学療法科key words 脳卒中・ロボティクス・HONDA歩行アシスト【はじめに】 HONDA 歩行アシスト(以下,HWA)は,股関節の屈伸を補助して効率的な歩行を誘導する歩行訓練機器である.一般的に脳卒中片麻痺患者(以下,片麻痺患者)の歩行は速度が遅く,歩行周期が長く,歩幅が短いという特徴がある.今回,前述した歩容を呈した片麻痺患者に対してHWA を使用し,加速度計を用いて効果判定を行い,力学的な歩行の効率化が認められたため,報告する.【倫理的配慮】 本研究はヘルシンキ宣言に則り対象者に対して発表の趣旨を説明し,同意を得た上で実施した.【方法】 症例は70 代男性,右利き,病前ADL は自立.脳梗塞(左被殻から放線冠)を発症,第3 病日に出血性梗塞(左被殻)を発症,第18 病日に当院へ転院,第190 病日に自宅へご退院された.HWA を使用した介入は第166 病日から開始し,理学療法介入中の歩行練習時にHWA を使用する期間を1週間設けた後,歩行練習時にHWA を使用しない期間を1週間,再度約1 週間歩行練習時にHWA を使用した.介入開始時の身体機能はSIAS-motor(1-1A-1-0-1),表在覚,深部覚ともに軽度鈍麻,中枢部から近位筋は弛緩性の筋緊張で足clonus +であった.歩行能力は10m 快適歩行速度が48.1 秒,43 歩,バランスはBerg balance scale にて42 であった.さらに,3軸加速度計のデータから滑らかさの指標(PS),動揺性の指標(RMS),対称性の指標(AC)を計算で求めた.【結果】 介入期間を通じて,身体機能,バランス機能には大きな変化はなかったが,終了時には10m 快適歩行速度は33.5秒,31 歩となった.加速度のデータは介入期には上下及び左右方向のRMS は減少し,上下及び左右方向のAC は増加したが,非介入期にはRMS は増加し,AC は減少した.【考察】 HWA により効率的な歩容を反復して再学習でき,介入期には歩行が効率化する傾向がみられたと考えた. HWAは片麻痺患者の理学療法の一助となることが示唆された.