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概要

抄集録

71P-141 ダウン症者の膝関節術後理学療法 -膝関節機能の再獲得を目指して-金榮香子1),金井欣秀2),六崎裕高3)1)茨城県立医療大学付属病院 リハビリテーション部 理学療法科2)茨城県立医療大学 理学療法学科3)茨城県立医療大学付属病院 整形外科key words ダウン症・膝蓋骨脱臼・偏平足【はじめに】 ダウン症の膝蓋骨脱臼合併率は5.1 ~ 8.3%と報告されている。今回、ダウン症で右習慣性膝蓋骨脱臼を呈し歩行困難となった症例の術後理学療法介入を行ったため、経過を報告する。【症例紹介】 20 歳代女性。簡単な指示は従命可能。2001 年に右習慣性膝蓋骨脱臼の診断を受け、保存療法で経過観察していた。2016 年10 月他院にて右内側膝蓋大腿靭帯再建術を施行し、術後1 週当院へ入院となった。尚、症例発表に際し御本人の意思を忖度した御家族に対し十分な説明を行い、書面にて同意を得た。【初期評価( 術後1 週)】 膝関節可動域は屈曲55°p/160° 、伸展-5°/5°。関節弛緩性(+)。筋力はMMT2 - 3 レベル( 指示理解が不十分であり精査困難)。視診・触診にて両扁平足の所見あり。歩行器歩行は可能だが、膝関節が伸展位に固定され、遊脚期に膝の分回しが見られた。自動および他動での術側膝関節屈曲制限が問題と考えられた。【経過】 膝関節の自動屈曲運動の獲得に伴い、遊脚期での膝の振り出しには改善が見られた。術後6 週、立脚期での膝伸展位固定が残存したため、膝関節周囲筋のコントロール能力強化を目的とし、片脚立位や段差を用いた膝関節屈曲・伸展練習を行った。また、扁平足に対しインソールを作製した。【最終評価( 術後9 週)】 術側膝関節可動域は屈曲150°、伸展0°。MMT は4 -5 レベル。歩行時の膝伸展位固定は緩斜面のみ残存。屋外独歩や一足一段での昇段動作が可能となり、自宅退院となった。【考察】 症例は立位・歩行立脚期において踵骨外反、内側縦アーチの低下から膝外反位となり膝蓋骨再脱臼のリスクが予見された。そこで、インソールを挿入し踵骨を中間位にすることで、膝外反モーメントを減少させるような環境を整えた。その上で動作練習を行ったことにより、平地歩行中の膝伸展位固定が消失したと考える。P-142 腰椎椎間板ヘルニアに伴う疼痛性側弯症を呈した症例に対してのマッケンジー法池田純平1)1)新緑脳神経外科 リハビリテーション科key words マッケンジー法・疼痛性側弯症・腰椎椎間板ヘルニア【目的】 腰椎椎間板ヘルニアを発症後、疼痛性側弯が出現し左シフトを呈した症例に対してマッケンジー法により良好な結果が得られたため報告する。【症例紹介】 61 歳男性 2 ~ 3 年前に腰痛・右下腿部痛発症。その際はブロック注射を施行され下腿部痛は改善。腰痛のみ増悪と寛解を繰り返していたが、以前と同じような下腿部への痛みと痺れが誘因なく発症。腰椎椎間板ヘルニアと診断され理学療法開始。【説明と同意】 本発表に対して説明を行い、同意を得た。【初回評価】 症状は右下腿部にVASで9 ~10の間欠的な痛みと痺れ、悪化因子:歩行と座位、神経学的所見:左膝蓋腱反射軽度亢進、立位姿勢:体幹前傾位と左シフト、姿勢矯正にて右下腿部痛悪化、体幹屈曲、伸展、右Side glide in standing(以下SGIS)に重度の可動域制限と各可動最終域での右下肢痛あり。左シフト変形に対して右SGIS の反復運動を実施。運動中右下腿部の痛みが一時的に悪化するも、終了後には変化なし。しかし、シフトの一時的な矯正が認められたため初回評価では左シフトに対して右SGIS をセルフエクササイズとした。【結果】 右SGIS を行うも初期評価と変化は見られずシフト矯正に難渋した。そこで、体幹前傾角度を調整して右SGIS を行うとシフト矯正が認められた。それに伴い右下腿部痛は軽減しながら腰部に集まり、最終的に腰椎伸展運動を行う事で全ての症状は改善された。【考察】 本症例のように症状と関連のある側方シフトが見られた場合、マッケンジー法ではまず側方負荷によるシフト矯正を行うが、症状に変化が見られなかった。今回は右SGISを行う際、体幹前傾角度に着目した事でシフトが矯正され、痛みの改善に繋げる事が出来た。このようにマッケンジー法ではその人にあったエクササイズを選択するために肢位や負荷量、または運動方向を変えて評価を進めていく原則がある。本症例もそれに従い良好な結果に結び付けることができたものと考える。