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概要

抄集録

65P-129 大腿骨近位部骨折患者における立ち上がり動作の術後経過について三小田健洋1),吉田啓晃1),大沼雄海1),中山恭秀2)1)東京慈恵会医科大学附属第三病院 リハビリテーション科2)東京慈恵会医科大学附属病院 リハビリテーション科key words 大腿骨近位部骨折・立ち上がり・術後経過【目的】 大腿骨近位部骨折患者の立ち上がり動作についてKneiss らは、退院後12 か月以内を対象に床反力計を用いて比較し、バランス能力との相関があると述べている。しかし、術後早期から立ち上がり動作能力の経過について検討したものは渉猟し得た中ではない。立ち上がり動作時の足圧を左右で比較し、術後早期からの経過を検討した。【方法】 大腿骨近位部骨折術後患者7 名( 平均75.0 ± 7.6 歳)を対象に、術後1 週と退院時(平均術後16.7 ± 3.7 日)に高さ45cm の椅子から左右下肢へ均等に荷重して立ち上がる動作の足圧を測定した。使用機器はWinFDMT(Zebris 社製) の足圧分析装置を用いた。Kneiss らの方法を参考に、第1 相のRFD(rate of force development)[N/s/kg]、第2相のPeak vGRF(vertical ground reaction force)[N/kg] を左右下肢で算出し、立位保持3 秒間の平均GRF[N/kg] を求めた。統計は、各指標の患健側比を求め、術後1週と退院時の各指標について対応のあるt 検定にて比較した。有意水準は5% 未満とした。本研究は本学倫理委員会の承認を受け、ヘルシンキ宣言に則り実施した。【結果】 各時期( 術後1 週/ 退院時) の立ち上がり動作における患側のRFD は37.5 ± 19.7/50.0 ± 15.5N/s/kg、PeakvGRF は3.9 ± 0.6/4.2 ± 0.9N/kg で、立位保持GRF は4.1± 0.8/4.5 ± 0.8N/kg であった。患側のRFD は、術後1週よりも退院時の方が有意に高値であったが、その他の項目に差はなかった。各指標の患健側比では、RFD が術後1週から退院時にかけて有意に高かった(0.41/0.51)。PeakvGRF は0.64/0.69、立位保持GRF は0.78/0.88 であった。【考察】 立ち上がり課題において術後経過では、力発揮速度の指標であるRFD で変化があった。術後早期において力発揮速度が低下していたのは、疼痛や筋力などの身体機能の影響を受け、力発揮がしにくかったと考えた。今後は、身体機能と動作能力との関係や動作発揮速度に着目した術後早期からの介入方法も検討していきたい。P-130 大腿骨近位部骨折患者における転倒受傷時の動作から見た日常生活自立度の比較大沼雄海1),吉田啓晃1),三小田健洋1),中山恭秀2)1)東京慈恵会医科大学附属第三病院 リハビリテーション科2)東京慈恵会医科大学附属病院 リハビリテーション科key words 大腿骨近位部骨折・転倒・日常生活自立度【目的】 大腿骨近位部骨折患者の機能予後には受傷前の能力が大きく関与する. 転倒受傷時の動作は受傷前能力や機能予後にも関与し, 将来的な患者の生活範囲にも影響する可能性がある. そこで, 転倒受傷時の動作別に受傷前後の生活自立度やADL を比較した.【方法】 転倒受傷した大腿骨近位部骨折術後患者108 名( 平均79.6 ± 9.3 歳) を対象とし, 受傷動作別に受傷前と転帰時のBarthel Index(BI) や日常生活自立度を比較した. 受傷動作は自転車走行時, 歩行時, 起立・着座時, 立位動作時の群に分類した. 各群間と各時期のBI を分割プロット分散分析で比較し, 日常生活自立度はχ 2 検定を用いて比較した. 本研究は本学倫理委員会の承認を受け, ヘルシンキ宣言に則り実施した.【結果】 各群の人数は自転車群が14 例, 歩行群が59 例, 起立・着座群が21 例, 立位動作群が14 例であった.BI は受傷前/ 転帰時において自転車群(96.1 ± 6.3/100 ± 0 点),歩行群(90.0 ± 16.9/76.2 ± 26.5), 起立・着座群(82.9 ±24.2/66.2 ± 27.3), 立位動作時群(88.9 ± 20.1/77.5 ±26.9) であり, 群間と各時期の間に交互作用は認めず, 主効果のみを認めた. 各群間で比較したBI は歩行群, 起立・着座群が自転車群と比較して有意に低下していた. 日常生活自立度は自転車群がJ 以上のランクである割合が受傷前と転帰時ともに高く, その他の群は転帰時に下位ランクへ下がる割合が高かった.(p < 0.05)【考察】 歩行群や起立・着座群は自転車群と比較して転帰時にBI が低下し, 生活自立度のランクの下げ幅も大きい割合が高かった. 今回は自転車受傷者も含めた検討であったが,歩行や起立など生活で頻度の多い動作が受傷機転であることが機能予後を低くするだけでなく, 再転倒への恐怖感などに関連し, 生活範囲を狭める要因となり得るかもしれない. 今後はこのような症例について動作能力や心理的要素などを考慮し, 検討を進めたい.