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概要

抄集録

64P-127 人工股関節全置換術後の快適歩行速度に関連する一考察~多変量解析を用いて~岩崎麟太郎1),関田惇也1,2),高須孝広1)1)ジャパンメディカルアライアンス 座間総合病院 リハビリテーション科2)北里大学 大学院 医療系研究科key words 人工股関節全置換術・10m歩行速度・多変量解析【背景、目的】 人工股関節全置換術(以下、THA)後の快適歩行速度(以下、歩行速度)と生活の質には関連があることが指摘されており、歩行速度を改善させることは重要である。しかし、歩行速度に着目した研究は少なく、歩行速度に影響を及ぼす因子は十分な検討はされていない。そこで、本研究は、THA 後の歩行速度に影響を及ぼす因子を明らかにすることを目的とした。【方法】 対象は、片側の初回THA を施行した女性65 名(63.1 ±7.9 歳) とした。測定時期は術後3 ヶ月時点とした。除外基準は股関節以外に運動器疾患や神経学的疾患を有する者とした。項目は歩行速度、下肢筋力(股関節伸展筋力、外転筋力、膝関節伸展筋力)、股関節可動域( 股関節屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋) および疼痛を測定した。筋力測定にはHand-Held Dynamometer を用い、測定後にトルク体重比を算出した。疼痛はVisual Analog Scale を用いて測定した。各測定項目は、術側ならびに非術側ともに行った。統計解析には、従属変数を歩行速度、説明変数を年齢、下肢筋力、股関節可動域および疼痛とし、ステップワイズ重回帰分析を行った。有意水準は1%とした。なお、本研究は当院の研究倫理委員会で承認を得て実施した。【結果】 重回帰分析を行った結果、歩行速度(1.25 ± 0.20m/ 秒)に影響を及ぼす因子は、術側の疼痛(12.9 ± 17.8cm、β:-0.32)、年齢(β:-0.32)、非術側の疼痛(9.2 ± 15.4cm、β:-0.27)および非術側膝関節伸展筋力(1.18 ± 0.30Nm/kg、β:0.24)が抽出(決定係数0.46、p < 0.01)された。【結語】 THA 後3 ヶ月時点の歩行速度には、年齢、術側ならびに非術側の疼痛および非術側の膝関節伸展筋力が影響を及ぼすことが示唆された。P-128 大腿骨近位部骨折患者の立ち上がり動作のパターン分類 ―足圧分析装置を用いて-吉田啓晃1),三小田健洋1),大沼雄海1),中山恭秀2)1)東京慈恵会医科大学附属第三病院 リハビリテーション科2)東京慈恵会医科大学附属病院 リハビリテーション科key words 大腿骨近位部骨折・立ち上がり・足圧分析【目的】 前回学会では、立ち上がり動作時の足圧分析では力発揮速度(rate of force development) が有用で、足圧がピークに達するタイミングが左右で異なる場合があることを報告した。立ち上がり時の左右下肢の筋力発揮の特徴から指導内容を考えるために、足圧値によって立ち上がり動作をパターン分類し、その特徴をみるとともにバランス能力との関連を検討した。【方法】 大腿骨近位部骨折術後患者28 名( 平均79 ± 7 歳、術後24.5 日) を対象に、足圧分析装置WinFDM-T(Zebris 社製) を用いて椅子からの立ち上がり動作を計測した。課題は、高さ45cm の椅子からの立ち上がり動作で、左右の下肢に均等に荷重するように命じた。諸家の報告を参考に、RFD9w[N/s/kg]、Peak vGRF(vertical ground reactionforce)[N/kg]、動作開始からpeak までの時間[s] を左右下肢で求めた。各指標を元にクラスター分析により3 群に分けてその特徴をみた。また3 群間のBBS、TUG を一元配置分散分析にて比較した。本研究は、当大学倫理委員会の承認を受けヘルシンキ宣言に則り施行した。【結果】 各群の人数は7、12、9 人であった。RFD9w の患側値(A/B/C)は6.6/16.2/10.2[N/s/kg] でA 群が低く、患側健側比は0.70/0.85/0.38 でC 群は健側との差が大きかった。Peak vGRF の患側値は群間差はなく、患側健側比は0.67/0.83/0.53 であった。peak までの時間はいずれの群も左右差はなかったが、A 群はBC 群に比べて0.2s 遅かった。BBS、TUG ともにA 群はBC 群に比べて低値だった。【考察】 A 群は力発揮速度が遅く動作に時間を要した群、B 群は患側が健側に近い力を発揮できていた群、C 群は動作速度は速いが健側下肢の力発揮に偏っていた群と言える。患側の力を発揮できているB 群のみでなく、健側下肢の力で患側の弱さを補完できるC 群もバランス能力評価の結果が高かった。A 群に対しては患側の力発揮速度を上げるような練習、C 群は健側に偏らせない練習が必要と考えられた。