ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

抄集録

10O-019 大腿骨近位部骨折患者におけるADL と基本動作に関する検討- 頚部骨折と転子部骨折 諸因子も含めて比較して-益子寛人1),池澤里香1),吉田祐文1)1)那須赤十字病院 リハビリテーション科部key words 頚部骨折・転子部骨折・ADL【はじめに】 大腿骨近位部骨折(近位部骨折)は頚部骨折、転子部骨折に大きく分類されるが、その中で転子部骨折患者は頚部骨折患者よりADL や基本動作能力が低い事をよく経験する。近年「近位部骨折」の予後などの報告は散見されるが、「頚部骨折」「転子部骨折」とで比較した報告は少ない。本研究では、近位部骨折患者のADL と基本動作能力を頚部骨折と転子部骨折に分けて諸因子も含め比較検討する事とした。使用データは個人が特定出来ないよう配慮した。【対象】 当院へ大腿骨近位部骨折で入院した連続31 例の内、入院中に他疾患を併発、ADLを著しく阻害する既往、保存療法、データ欠損例等を除いた14 例が対象で、頚部骨折群(K 群)7名(男性2例、女性5 例、84.6±3.7歳)、転子部骨折群(T 群)7 名(女性7 例、87.7 ± 5.0 歳)である。K 群は人工骨頭置換術、T 群は骨接合術を全例に施行した。安静度は全例術翌日から患肢全荷重可であった。【方法】 評価項目は1移動能力を機能的自立度評価法(FIM)、2 栄養状態を高齢者栄養リスク指標(GNRI)、3 認知機能を長谷川式認知症スケール(HDS-R)、4ADL をBarthelindex(BI)、5 基本動作をAbility for Basic MovementScale2(ABMS2)とした。1 は受傷前、2 は入院時、3は入院中、45 は急性期病棟の退院時を評価した。有意水準は5% 未満とした。【結果】 K 群 移動FIM:5.6 ± 0.4 GNRI:93.1 ± 5.4 HDS-R:20.1 ± 8.6 BI:62.6 ± 28.1 ABMS2:23.0± 6.0T 群 移動FIM:3.4 ± 1.8 GNRI:84.1 ± 6.5 HDS-R: 9.6 ± 4.2 BI:29.3 ± 11.2 ABMS2:14.6 ± 2.1両群間で全項目の有意差を認めた。【考察】 転子部骨折患者は頚部骨折患者と比較して、病前から虚弱で認知機能も低く退院時のADL や基本動作能力の機能転帰も悪い可能性が結果より示唆された。この事から、特に転子部骨折患者では術前の入院早期から栄養サポートチームや認知症ケアチーム等も含めた包括的介入の必要性が示唆される。O-020 大腿骨近位部骨折術後の身体機能と入院経過について須山陽介1,2),吉野潤1),青木いづみ1),大下優介4),城井義隆5)1)昭和大学横浜市北部病院 リハビリテーション室2)昭和大学保健医療学部3)昭和大学藤が丘リハビリテーション病院 リハビリテーションセンター4)昭和大学横浜市北部病院 整形外科5)昭和大学横浜市北部病院 リハビリテーション科key words 大腿骨近位部骨折術後・歩行・入院経過【目的】 大腿骨頚部骨折および転子部骨折は高齢者に多く発生し、受傷後の早期離床の観点から手術療法が優先される。術前のADL や術後早期の歩行の獲得が術後1年以上経過してからの予後に影響を及ぼすという報告もあり、急性期における歩行獲得が重要であり、他職種と共通した情報の共有が重要である。今回当院における大腿骨近位部骨折術後患者において自宅退院( 自宅群)と回復期リハビリ病院転院( 回復期群) に影響を及ぼす因子について検討した。【対象】 2015 年1 月から2017 年3 月までに当院整形外科にて大腿骨頸部骨折・転子部骨折と診断された78 名の中から、術前後に骨折以外の重篤な合併症が無く、術後翌日から全荷重可能となり自宅退院および回復期病院転院となった症例40 名を対象とした。倫理的配慮としてリハビリテーション実施計画書の作成とともに個人情報提供に関する同意を得た。【方法】 カルテ情報を元に退院時の年齢、歩行能力、入院期間、入院時Alb 値を退院群と回復期群で分類した。歩行能力はBarthel Index を用いた。統計学的処理としてMann-Whitney 検定を行い、退院群・回復期群を従属変数、有意に関連のあった変数を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った。【結果】 退院群と回復期群の間では年齢、入院日数、歩行能力に有意差を認め(p < 0.05)、Alb 値に有意差は認めなかった(p=0.44)。特に歩行能力は自宅退院を決定する要素として強い相関があった。【考察】 術後に比較的若い年齢層では入院期間が短く、自立歩行を早期に獲得し自宅退院が可能となる場合が多いが、入院時の栄養状態には差はみられなかった。当院では高齢で歩行獲得に時間を要する場合の回復期病院への転院が31.6 ± 10.2 日と長期である。転院が必要性な患者に対して、早期の歩行獲得は入院期間の短縮、自宅退院へとつながる因子として強く相関しているため、病棟教育、質の高いリハビリテーションを提供していくことが必要である。