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概要

抄集録

63P-125 当院における人工股関節全置換術後の回復期病棟を経由して退院した患者の現状高橋理紗1),南島大輔1),水越大輔1),高橋美幸1),冬賀秀一1)1)東京警察病院 リハビリテーション科key words THA・回復期病棟・歩行パフォーマンス【目的】 当院は急性期病棟(385 床)に回復期病棟(30 床)が併設されている。人工股関節全置換術(以下THA)を施行された患者は、急性期病棟から直接退院する場合と、回復期病棟を経由して退院する場合があるが、回復期病棟へ転棟する明確な基準はない。今回、当院の回復期病棟への適応を明らかにするため、現状について検討した。【方法】 平成28 年1 月から平成28 年12 月までにTHA を施行した患者を検討した。骨折や脱臼による再手術や内科疾患の合併例、術前後のデータが十分ではない症例を除外した31 名を対象とした。急性期病棟から退院した急性期群は11 名(平均年齢71.5 ± 6.6 歳)であり、回復期病棟を経由した回復期群は20 名(平均年齢64.4 ± 9.4 歳)であった。検討項目として在院日数や年齢を急性期群と回復期群で対応のないt検定で比較をした。歩行パフォーマンスは、各群の術前後の10m 歩行(最大歩行速度)とTimed upand go test(以下TUG)を対応のあるt検定で比較をした。個人情報の取り扱いについては口頭にて説明を行い、同意を得た。【結果】 年齢は回復期群が有意に低かったが、在院日数は急性期群21.9 ± 7.9 日に対して、回復期群26.5 ± 11.5 日であり有意差を認めなかった。10m 歩行は、急性期群で術前8.2 ± 3.1 秒から術後7.8 ± 2.2 秒、回復期群では9.0 ± 3.5秒から7.9 ± 1.9 秒と両群で有意差を認めなかった。TUGは急性期群では術前9.7 秒± 3.7 秒から術後9.2 ± 2.6 秒で有意差を認めなかったが、回復期群は10.1 ± 3.2 秒から9.1 ± 2.4 秒と有意に改善していた(p < 0.05)。【結論】 当院における回復期病棟を経由する患者は、年齢が若く、術後のTUG が向上していることが分かった。年齢の影響を受けている可能性は否定できないが、術前以上に動的バランス能力を含む歩行パフォーマンス獲得を希望する症例は、回復期病棟を経由する方が良い可能性が示唆された。P-126 当院でTHA を施行した患者の術前骨盤傾斜角が在院日数、歩行速度に及ぼす影響水越大輔1),南島大輔1),高橋理紗1),高橋美幸1),冬賀秀一1)1)東京警察病院 リハビリテーション科key words 人工股関節・骨盤傾斜角・歩行速度【目的】 近年、人工股関節全置換術( 以下 THA) の入院期間は短縮傾向にあるが、その経過は様々である。THA を行う患者の骨盤傾斜については、年齢との関係などが報告されているが、術前の骨盤傾斜角( 以下 PIA) と在院日数の関係を検討した報告は、我々が調べる限り見当たらない。今回は、当院におけるTHA を施行した患者の術前PIA と発育性股関節形成不全( 以下 DDH) の有無や術前後の歩行速度との関係を調査し、在院日数に及ぼす影響について検討した。【方法】当院で2016 年1 月~ 12 月にTHA を施行した患者のうち、内科的疾患で入院期間が延長した患者やデータが欠損していた患者を除外した31 名を対象とした。PIA は土井口らの方法を用い、20°以下の前傾群20 名(DDH 12 名) と20°以上の後傾群11 名(DDH 1 名) の2 群に分けた。年齢と在院日数、術前の関節可動域は群間で比較し、歩行速度は10m 最大歩行速度を用い術前後で比較した。倫理的配慮は口頭にて説明し同意を得た。【結果】 年齢は前傾群62.8 歳、後傾群74.1 歳であり前傾群で若年であった(P < 0.01)。PIA は前傾群13.5°、後傾群27.1°であり、前傾群はDDH が有意に多かった(P < 0.01)。在院日数は前傾群26.7 日、後傾群24.4 日であり、股関節の可動域は屈曲が前傾群76.7°、後傾群85.9°で伸展が前傾群-0.3°、後傾群3.2°と在院日数、可動域で有意差を認めなかった。歩行速度は前傾群で術前9.0 秒、術後7.7 秒と有意に改善を認めた (P < 0.05) が、後傾群は術前9.5 秒、術後8.5 秒と有意差を認めなかった。【結論】 先行研究と同様に、当院でも前傾群では若年でDDH の割合が多い傾向にあった。また今回の研究では、前傾群において後傾群と同等の在院日数で歩行速度が向上していることが示唆された。これらより、前傾群は若年で罹病期間が長いDDH の患者が多いことから、術前以上の歩行能力の改善や社会復帰を目指すリハビリテーションが必要となるため、それらを配慮した介入が必要と考えられた。