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概要

抄集録

62P-123 人工股関節全置換術施行後に大腿神経麻痺を呈した症例の自己効力感に影響を与える因子の検討星田暁1)1)同愛記念病院 リハビリテーション科key words 自己効力感・人工股関節全置換術・大腿神経麻痺【目的】 THA(人工股関節全置換術)施行後に大腿神経麻痺となった症例の自己効力感の経時的変化と影響を与える因子を検討した。【方法】 各時期に転倒自己効力感を測定するアンケートFES(Falls Efficacy Scale)、 MFES (Modified Falls Efficacy Scale)を実施し、影響を与える因子として膝関節伸展MMT、lag(extensionlag)、NRS(Numerical Rating Scale)、FRT(Functional Reach Test)、10m 歩行テストを測定。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究はヘルシンキ宣言に沿って計画し、対象者から本研究の主旨及び目的を口頭で説明し、同意を得た。【症例提示と経過】 50 歳代女性で主訴は股関節痛。変形性股関節症の診断で2017 年1 月に左THA 施行。術直後より大腿四頭筋筋力低下を認め、大腿神経麻痺の診断。術後翌日からリハビリテーション介入。術後29 日で装具装着し杖歩行で退院。術後から疼痛の訴えはほとんどなく、主訴は膝関節の筋力低下。術前:MFES140 点、FES36 点、MMT5、lag0°、NRS8 点。術後2 週間:MFES11 点、FES17 点、MMT0、NRS3。退院前:MFES76 点、FES26 点、MMT1、NRS2。術後1 ヶ月:MFES132 点、FES31 点、MMT2 、lag10 °、NRS1。術後2 ヶ月:MFES140 点、FER40 点、MMT3 、lag0°、NRS0。FRT、10 m歩行については各時期において大きな変化はなかった。【考察】 先行研究ではTKA(人工膝関節全置換術)、THA 施行症例では術後2 週間のNRS が低いとMFES,FES の点数は高い傾向にあった。本症例も術後2 週間でNRS に改善がみられたがMFES、FES は低値を示した。術後の主訴であった筋力が改善したことでMFES、FES の点数は上昇した。先行研究ではTKA、THA 患者の筋力と自己効力感に相関はみられず、主訴である疼痛が改善したことで自己効力感が向上したと結論づけている。患者の主訴は個々によって違い、自己効力感向上には主訴を明確にして改善することが重要であると考える。P-124 大腿骨頸部骨折の保存療法における階段昇降動作の獲得に緩和ケアチームとの連携が有効であった一例村中晃1),深田亮1,2),天田裕子1),村田淳1)1)千葉大学医学部附属病院 リハビリテーション科2)千葉大学医学部附属病院 緩和ケアチームkey words 大腿骨頸部骨折・保存療法・階段昇降【目的】 大腿骨頸部骨折の保存療法における階段昇降動作の再獲得は、疼痛や恐怖心が著しく難渋する症例は少なくない。今回、大腿骨頸部病的骨折後の保存療法患者に対し、早期から緩和ケアチーム(PCT) と連携した結果、骨折後6 週で階段昇降動作が獲得でき、自宅退院に至った症例を経験したので報告する。なお、本報告はヘルシンキ宣言に基づき、説明と同意を得ている。【症例】 78 歳肺癌の男性。エレベーターがない集合住宅2 階に在住。肺癌に対する放射線治療目的に入院となるもX 年2月に左大腿骨頸部病的骨折を認めた。低肺機能(VC:1.02L)かつ生命予後が不良であり(徳橋スコア:4 点)、保存療法が選択された。身体機能は左股関節に動作時NRS8 の疼痛を認め、筋力は左下肢MMT2、右下肢MMT3、両上肢MMT4 と低下していた。起居動作は中等度介助を要した。同時期にPCT が介入し、疼痛の消失しない範囲でオキシコドン徐放性製剤(sOXY)30mg/ 日、ロキソプロフェンナトリウム180mg/ 日、アセトアミノフェン2400mg/ 日、プレガバリン300mg/ 日を内服した。また、レスキューとしてオキシコドン速放性製剤(rOXY)5mg/ 回をリハビリ前に内服した。理学療法は疼痛を増悪させない部分荷重の工夫として「軽く触れる」という言語指示を用い、早期から立位練習を中心に介入した。リハビリの状況をPCT に報告し、薬剤調整を行った。【結果】 介入6 週目の疼痛は階段昇降時NRS3 となり、筋力は左下肢MMT3、右下肢MMT4 と改善した。歩行はピックアップ歩行器を使用して、階段昇降は手すり把持にて自立した。ロキソプロフェンナトリウム、アセトアミノフェン、プレガバリンの内服量は変わらないものの、sOXY は10mg/ 日、rOXY は2.5mg/ 回に調整できた。家屋調査を経て、X 年3 月に自宅退院となった。【結論】 大腿骨頸部骨折に対する保存療法であっても、PCT と連携し疼痛コントロールを図ることで、部分荷重が可能となり、早期に階段昇降動作を獲得できた。