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概要

抄集録

61P-121 リハビリ時間以外の活動性向上に働きかけ,歩行が自立した超高齢THA 患者に対する一考察長谷川卓哉1),遠藤隆史1),上内哲男1)1)地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター リハビリテーション部key words 超高齢THA・活動性向上・自己効力感【はじめに】 高齢THA 患者は術前歩行レベルの低下により,術後の回復に時間を要すことが多くみられる.今回,早期からの活動量の増加に着目し,歩行が自立した超高齢THA 患者を担当したので若干の考察を加え報告する.【症例紹介】 80 歳代後半女性.2 年前より右股関節痛を生じ,徐々に活動性の低下がみられていた.独歩で自宅内は移動できていたが,入浴や下衣更衣で介助を要していた.活動意欲は低下し,家族に依存的であった.術式は後外側アプローチを行った.【説明と同意】 症例に対し発表の趣旨や個人情報保護等に関して説明し,書面で同意を得た.【結果】 術前評価では右下肢MMT2 ~ 4,JOA スコアは30 点,TUG31.2 秒,MMSE23 点であった.術後翌日より理学療法を開始し,術後2 日目より歩行練習を行った.術後6 日目より見守りでの病棟内歩行器歩行を開始した.早期から紙面を用いて自主トレーニングを指導した.トレーニング内容は伝わりしやすいよう工夫し,メリットを明記することでモチベーションの向上を図った.また本人が不安を訴えた動作に対し,重点的に練習を行い,声かけでのフィードバックを行った.疼痛の軽減に伴い,リハビリ時間以外での活動量が増加し,ポジティブな発言もみられた.最終評価では右下肢のMMT は3 ~ 4,JOA スコア72 点,TUG 14.2 秒と改善した.T 字杖歩行で屋外歩行自立となり術後26 日に退院となった.【考察】 深沢ら(2004) によると80 歳以上の高齢THA において術前の歩行レベル低下している症例は改善を認めにくいとしている.また木下ら(2015 年)は人工物挿入による不安感により活動が制限することを述べている.本症例は認知機能が保たれており,自主トレーニングや声かけにより自己効力感の向上につながったと考えた.1 日の介入量は1 ~ 2 単位と短時間であったが,リハビリ時間以外の活動量の増加により,歩行が自立したと考える.P-122 THA 患者に対し同種感覚統合を促した介入が歩行時の足尖角改善に有効であった1症例矢田拓也1),川崎翼2)1)独立行政法人 国立病院機構 横浜医療センター リハビリテーション科2)了徳寺大学 健康科学部 理学療法学科key words THA・同種感覚統合・歩行【目的】 疼痛によって体性感覚野の狭小化が生じ, 感覚統合が困難になるとの報告がある( 平川2013). 今回, 人工股関節全置換術後 (THA) の症例に対し, 下肢の同種感覚統合を促した結果, 歩行時の足尖角と歩行能力の改善を認めたため報告する.【説明と同意】 症例より発表の主旨を説明し同意を得た.【症例・評価】 40 代女性で10 年前, 左変形性股関節症と診断され,H28に後外側アプローチによる左THA を施行した. その後2週間で退院し, 現在まで1 か月間週2 ~ 3 回の頻度で外来リハビリを行っている. 関節可動域は左股関節伸展10°,左距骨下関節回外20°, 回内5°, 左ショパール関節は回内外40°であった. MMT は中殿筋, 大殿筋3 であった. 歩行は独歩自立だが, 左荷重応答期(LR) に左下肢外旋 ( 足尖角10°), 左距骨下関節回外, 左ショパール関節回内し, 足底圧中心の急激な右前方への移動がみられた. 左下肢外旋位については認識をしていなかった.左下肢の感覚検査では,単関節では異常はないが, 感覚の統合を求める足底圧と膝関節や股関節の位置覚は5/10, 膝関節と股関節の位置覚は3/10, 足尖の位置を問う課題では3/10 と低下がみられた. 以上から, 左下肢の体性感覚の統合の困難性が左足尖角の誤認を生じさせていると考えた. その結果, 歩行時の足尖角が過大となり左LR にショパール関節が回内し, 急激な足底圧中心の右前方への移動がみられると推察した.【介入】 足底圧と膝関節, 股関節の位置覚の統合, 膝関節と股関節の位置覚の統合を促す介入を行った.40 分/ 日, 週2 ~3 回で1 か月間介入した.【結果】 足底圧と膝関節, 股関節の位置覚は10/10, 膝関節と股関節の位置覚8/10, 足尖を問う課題では8/10 と向上した. 歩行時の左LR での足尖角は3°と改善した.10m 歩行時間は19 秒から13 秒, 片脚立位は5 秒から7 秒に向上した.【考察】 THA 患者において, 同種感覚統合を促す介入は, 歩行時の足尖角の改善および歩行能力向上に寄与する可能性が示唆された.