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概要

抄集録

60P-119 左大腿骨頸部骨折及び変形性膝関節症患者の動作能力向上に運動感覚を利用した介入が有用であった症例入倉伸太郎1),木島隆2)1)長野寿光会 上山田病院 リハビリテーション科2)信州リハビリテーション専門学校 理学療法学科key words 運動感覚・身体図式・大腿骨頸部骨折【はじめに】 左大腿骨頸部骨折の受傷により, 既往の両側変形性膝関節症による荷重時痛が増悪した症例に対し, 運動感覚を利用した介入から, 歩行時の荷重時痛が軽減した. また, 動作能力が向上した症例を経験したため報告する.【症例紹介】 80 代女性. 平成28 年8 月31 日, 左大腿骨頸部骨折を受傷, ハンソンピンロック術施行.9 月27 日リハビリ目的で当院転院. 入院翌日の評価時, 症例は「左脚は右脚の5 ~ 7 倍重い」と語った. 立位時は, 重心の右方偏移(右30.0kg、左15.3kg), 両股関節屈曲外旋位, 両膝内反位で,「真っ直ぐ立っている」と語った. また, 両膝関節内側に荷重時痛を認めた(NRS 右3, 左7).FIM79 点(運動48 点,認知31 点)で, 移動等に介助を要した.【治療方針】 症例の表象する運動とセラピストの外部観察に差異を認めた. 自身の運動様式を認知せずに動作を行うことで, 表出される姿勢が変化し, 膝関節の痛みに繋がると考えた. そのため, 左下肢の運動と右下肢の運動との差異を修正, 運動感覚を再認識し, 身体図式を修正することで, 動作・歩容改善, 疼痛緩和に寄与するとも考えた. 尚, 治療方針は患者及び家族に充分に説明し書面にて同意を得た.【治療方法・結果】 臥位で両下肢それぞれ同様の運動を閉眼で行い, 運動感覚差異を確認, その後, 自動介助運動にて差異を修正する. 徐々に抗重力位での課題に移行し, 姿勢・歩容の改善を図った. 入院12 週目の評価で, 立位姿勢が修正, 下肢重量は右1:左1 ~ 2, 荷重時痛はNRS 右膝1:左膝2 ~3, 荷重割合は右23.2kg:左22.1kg となる. 症例は「立ちやすい, 前より膝が痛くない」と語り,T 字杖歩行が自立,FIM101 点(運動71 点, 認知31 点)となり自宅退院となる.【考察】 運動感覚情報を基に, 姿勢を正確に認知し, 身体図式の修正を図ることで, 姿勢・歩容が改善した. また, 両膝関節の荷重時痛も軽減したことから, これらの治療方法は整形外科疾患の症例においても有用であると考えられた.P-120 全人工大腿骨置換術後のリハビリ 股関節・膝関節置換術後の安定歩行獲得した例笠間栄美1),馬城はるか1),坂井雅幸1),田井康裕1),小林千賀子1),高田康平1),飛ケ谷修平1),飯沼亮介1),山本さくら1)1)がん研有明病院 リハビリテーション部key words 骨軟部肉腫・全人工大腿骨・関節置換術【はじめに】 当院では、悪性骨軟部腫瘍に対する広範切除後再建術として腫瘍用人工関節置換例を多く経験するが、置換関節周囲の筋力低下は歩行獲得時の課題である。人工膝関節置換術後の歩行獲得において股関節周囲筋力が歩行能力に影響するという報告もされている中、全人工大腿骨置換術で股・膝両関節置換を行い、安定歩行獲得することのできた症例を経験したので報告する。【症例】 68歳女性。身長150.5cm、体重48.4kg。2016/6/6に大腿骨遠位軟骨肉腫に対して広範切除術+同種骨移植術(プレート固定)を施行、ロフストランド杖歩行自立となっていたが骨幹部スキップ転移・大腿骨骨幹部病的骨折にて2017/3/14広範切除術+全人工大腿骨置換術施行となった。術中所見では大腿直筋を除く四頭筋は全て切除、小・中殿筋は温存して人工大腿骨に縫着しており、関節包を縫合した股関節固定性や膝関節可動域、膝蓋骨可動性は良好であった。【経過】 術後2日目より歩行練習を開始。開始時筋力はММTで膝屈曲2、それ以外の股・膝関節筋力は全て1であった。膝周囲筋力低下に対しては膝関節伸展位固定装具を装着し、さらに膝関節伸展位での荷重を指導することで膝折れを防止した。股関節不安定性に対しては、早期荷重開始し、積極的な荷重歩行練習を中心に行うことで、最適な重心位置感覚の獲得やバランス能力の改善を図った。最終的に筋力はММTで膝屈曲3、それ以外は2レベルではあったが、ロフストランド杖歩行安定し、26日目に自宅退院となった。【考察】 腫瘍用人工関節置換術後の歩行機能獲得の問題点は、骨や周囲の筋の合併切除や、温存筋も付着部を切離されており関節周囲の筋力低下が必発であることである。今回、股・膝両関節置換術後であったが、膝関節伸展装具による固定と早期からの荷重歩行練習により安定した歩行が可能になったと考える。