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概要

抄集録

58P-115 家族介護教室参加者の教室内容の継続が介護負担感及びQOL に与える効果頓所幹子1),矢野秀典2),桑名史理1)1)蓮田ナーシングホーム翔裕園 リハビリテーション課2)目白大学 保健医療学部 理学療法学科key words 家族介護者・介護負担感・QOL【目的】 社会構造の変化により、家族に要介護者がいた場合、家族が担う介護負担は増加傾向となっている。家族介護者に関する研究は散見されるが、リハビリテーション領域の研究は少ない。家族介護者への支援体制確立の一環として、負担を軽減し、生活の質(以下、QOL)を改善するために家族介護教室(以下、教室)を開催し、その効果を検証することを本研究の目的とした。【方法】 埼玉県内の介護老人保健施設1 施設、介護老人福祉施設2 施設で入所・通所介護保険サービス利用者を介護している家族を対象とした。内容は、介護に関する知識・技術、社会的支援の情報提供、腰痛予防体操、家族介護者との交流による心理的サポートとし、形式は講義と実技の複合型とした。参加者には、本研究の趣旨と個人情報順守について十分な説明を行い、調査協力の同意を得た。本研究は、目白大学倫理審査委員会の承認後実施した。教室後1、3、6 ヶ月に送付したアンケート結果より、内容を「継続している者・一部継続している者」と、「ほとんど継続していない者・全く継続していない者」にわけ、介護負担感、主観的幸福感、QOL の推移を一元配置反復測定分散分析にて検証した。統計ソフトは、SPSS24.0 を使用し、有意水準は5%未満とした。【結果】 教室後6 ヶ月経過しても、半数以上が教室内容を家庭内で行っていた。しかし、継続的に実施しても、介護負担感、主観的幸福感、QOL に有意な差は認められなかった。【考察】 本研究の参加者は、介護負担感が低い者が多く、効果が得られにくかったと考えられる。また、家族介護者、要介護者ともに70 歳代の高齢者が多く、時間の経過とともに、身体機能、社会生活機能が低下していったと考えられる。【まとめ】 教室で実施した内容を6 ヶ月間、継続的に実施している参加者は存在したものの、効果は得られなかった。教室開催は単発よりも複数回の介入必要性が示唆された。P-116 頸髄損傷不全四肢麻痺者の退院時移乗方法と身体機能との関連立位移乗が困難であった症例を対象とした研究丹治千尋1),片山友樹1),川上貴弘2),村山尊司1)1)千葉県千葉リハビリテーションセンター リハビリテーション療法部 成人理学療法科2)千葉県がんセンター リハビリテーション科key words 頚髄損傷・不全四肢麻痺・移乗動作【目的】 頸髄損傷不全四肢麻痺は、重症度の幅が広く、予後予測と重症度に応じた理学療法の提供が重要である。歩行獲得の予後予測は、先行研究から予測式も確立されている一方、移乗動作の帰結に関する報告はない。特に、立位歩行が困難な症例は、移乗動作時に何らかの身体介助が必要となることが想定され、移乗動作の帰結を明らかにすることは、移乗方法の検討、早期からの家族指導にも役立つと考えられる。今回、退院時に立位移乗が困難であった頸髄損傷不全四肢麻痺患者を後方視的に調査し、獲得された移乗方法と身体機能との関連を明らかにすることを目的に研究した。【方法】 対象は、過去3 年間の当センター入院患者で、退院時に立位移乗が困難であった頸髄損傷不全四肢麻痺患者18名とした。退院時の移乗方法から、リフター群と座位移乗群の2 群に分け、基本情報(年齢、発症~入院日数、在院期間)、損傷高位、入院時・退院時の上下肢ASIA motorscore との関連について調べた。統計学的解析はMann-Whitney test を行い、有意水準は5% 未満とした。本研究は、所属施設の倫理委員会の承認を得ている。【結果】 リフター群は10 名(障害高位C4 は8 名、 C5 は2 名)、座位移乗群は8 名( 障害高位C4 は2 名、 C5 は4 名、C7・C8 は各1 名)であった。2 群間で基本情報に差は無かった。入院時・退院時の上肢ASIA motor scoreはリフター群で有意に低かった。一方、下肢motor score は2 群間で差は無かった。【考察】 損傷高位が同じであっても、上肢の運動麻痺が強い症例は、座位移乗の選択が困難でリフター移乗を選択する場合が多いことが推定された。一方、座位移乗が選択可能な症例は、体幹筋を含め残存筋の能力を把握し選択されうる方法を模索することが重要と考えられた。【まとめ】 本研究の結果は、重度頸髄損傷不全四肢麻痺者の移乗動作を検討する上での一知見であり、理学療法の展開、早期からの家族指導に有用となりうる。