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概要

プログラム集

55在宅リハビリテーションにおける理学療法士の専門性社会医療法人財団慈泉会 相澤病院訪問リハビリセンター科長 兼地域在宅医療支援センター 訪問リハビリテーション 統括科長鈴木 修 昭和41 年より国家試験が開始され、平成28 年までに139,214 名の理学療法士が誕生している。特に介護保険が導入された平成12 年からは約5 倍に急増し、今後も年間で1 万人以上の理学療法士が増えていくようだ。これまで理学療法士の多くは医療機関の入院・外来診療業務に従事していたが、介護保険制度の導入後、その職域を訪問・通所リハビリテーションといった在宅へも活躍の場を拡げてきた。 今後、国が進める在宅医療推進により、在宅医療・介護現場での理学療法士の求人が増加するだろう。 一方で、日本理学療法士協会の会員調査によれば、平成28 年3 月現在、勤務地を自宅・海外として登録している会員を除くと、「一人職場」が全体の38%、「二人職場」が17%を占めると報告しており卒後の臨床教育の充実が課題とされている。 訪問リハビリテーションでは、一般的に5 年以上の臨床経験を有したリハセラピストが実施すべきと言われているが、5 年未満のリハセラピストが十分な指導を受けられないまま訪問業務に従事しなければならない実情もあるようだ。 経験年数の浅い理学療法士が、指導者もいない状況の中で、クライエントの生活の場へ単独で出向くのは大変な重圧と推察する。 在宅ケアチームにおける理学療法士の役割は、在宅療養者の身体機能の評価とその評価をベースとした療養指導、家屋改修や車椅子等の生活補助具への助言および身体機能の維持・改善を目的としたリハビリテーションプログラム(リハマネジメント)の作成・提供であろう。これに加え、進行性疾患等では病状の進行にあわせた生活環境の調整や家族指導、場合によっては在宅療養者の学校、職場、お茶のみ友達へのアプローチも求められる。 少子高齢化対策として進められる「地域包括ケアシステム」においても理学療法士への期待は大きいが、結果が残せなければすぐに相手にされなくなるだろう。地域におけるリハビリテーションニーズは様々であり、理学療法士の専門性をいかに発揮し、地域にどのように貢献していけるかが喫緊の課題といえる。 本講演では、訪問リハビリテーションに従事してきた経験をもとに、地域における理学療法士への期待と我々が発揮すべき専門性、地域貢献できる理学療法士を育成するための卒後教育について当院の取り組みを踏まえ報告する。在宅リハビリテーションに従事する経験の浅い理学療法士、またその理学療法士を指導する立場にある方々の一助になれば幸いである。教育講演