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ロボット支援減量・代謝改善手術に関する提言
北米を中心に,腹腔鏡手術よりも手振れが少なく,縫合など難易度の高い手技がより簡便に行えるロボット支援手術が主流となりつつあり,
減量・代謝改善手術(Bariatric and metabolic surgery 以下BMS)においてもその割合が増加してきている。
特に消化管バイパスを伴うBMSにおける比率が高く,難易度の高い手術において使用されている傾向にある。
スリーブ状胃切除の腹腔鏡とロボット支援手術の比較については,減量治療効果はほぼ同等であるものの,
手術時間・費用でロボット支援手術が劣る結果となっている。
ロボット支援スリーブ状胃切除術(以下RSG)に限っても,21編の論文の解析から同様の結果が得られている。
我が国におけるロボット支援減量・代謝改善手術は,現時点で愛知医科大学の11例,順天堂大学の6例,藤田医科大学の1例のRSGが 病院負担もしくは個人負担で行われているに過ぎない。 保険収載されているロボット支援胃切除術は悪性疾患に限られており, ロボット支援減量・代謝改善手術は病院負担もしくは個人負担の条件以外には認められていないことを,日本肥満症治療学会として注意喚起する。 ただし,その将来性を否定するものではなく,ロボット支援減量・代謝改善手術の今後について, 日本肥満症治療学会新規手術検討委員会では,より肥満度の高い症例やバイパス術を併施するスリーブ状胃切除術, Revision手術等に対する保険収載を視野に入れたレジストリーが必要であると判断する。
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