684:後腹膜腫瘍の一例

 京都府立医科大学病院病理部(1)、京都大学病院病理部(2)

丹藤 創(1), 小西英一(1), 安原裕美子(1), 中尾龍太(1), 樋野陽子(1), 安川 覚(1), 浦崎晃司(1),浜田新七(1), 柳澤昭夫(1), 中嶋 安彬(2)

 
【症例】    39歳女性

【主訴】    右下腹部痛

【現病歴】 右下腹部痛にて救急外来受診し、右卵巣出血が疑われたため緊急開腹術が施行された。術前考えられた右卵巣出血は認められず、後腹膜下に右卵巣間膜下より連続して頭側に走行する索状腫瘍を認め、腫瘍下端の裂孔からの出血が確認された。

CT及びMRIでは、骨盤腔内から腎門部レベルの下大静脈右側にかけて、不均一な信号を示す大きさ10cm大の充実性腫瘍を認め、下大静脈内への浸潤が疑われた。卵巣や子宮は保たれており、後腹膜由来の腫瘍が考えられた。また、多発性肺転移も認められた。術前腫瘍マ--CA125, CEA, CA19-9は正常範囲内であった。

【免疫組織化学】 Cytokeratin(-), Vimentin(+)

【配布標本】 HE染色標本(後腹膜腫瘍生検標本)

【問題点】  病理組織学的診断


        【画像】