Hodgkin's lymphoma

関西医大 中検病理  植村芳子

WHO分類ではHodgkin lymphoma(HL)を免疫形質学的、臨床病態等の相違からNodular lymphocyte predominant Hodgkin lymphoma (NLPHL)、Classical Hodgkin lymphoma(CHL) に大別し、後者をlymphocyte rich (LRCHL)、 Nodular sclerosis(NSHL)、mixed cellularity (MCHL)、lymphocyte depletion(LDHL)の4型に分けている。

1.NLPHL

多くは小リンパ球による境界不明瞭な結節性病変を示す。特異細胞はL&H (lymphocytic & histiocytic)細胞あるいはpopcorn細胞と称される核小体のあまり大きくない巨細胞ないし多分葉細胞である。CD20, CD79a, BCL6, CD45, EMA(50%)陽性で、CD30, CD15は一般的に陰性。胚中心B細胞由来とされる。背景の細胞にはCD20 陽性細胞が多く、CD57陽性細胞T細胞も多く、特異細胞をrosettingする所見がみられる。

Differential Diagnosis: Progressively transformed germinal centers、B-CLL、T-cell ?rich B-cell lymphoma

2.CHL

特異細胞は厚い核膜にhaloを伴う赤血球より大きい好酸性封入体状核小体を有する多核の細胞Reed-Sternberg細胞(HRS細胞)で2核の鏡面像を呈する細胞や単核のHodgkin細胞がみられる。NSHLでは核小体が他型のHRS細胞より小型で 淡明な広い胞体を有し周囲に空隙を呈するLacunar cellがみられる。 CD30, CD15(75-85%で)陽性。一部でCD20発現ありとされるが、その染色強度や頻度は様々。BCL6,EMA陰性。背景の細胞にはTリンパ球が多く、しばしばcytotoxic moleculeを発現するがCD57陽性細胞は少ない。

NSHL

被膜が肥厚し連続性に太い線維化で病変が結節状に分断され、lacunar cellがみられる。しばしば壊死や好中球浸潤がみられる。fibrotic phaseやcellular phaseに分けられ、特異細胞が密に集簇状に増殖するとsyncitial variantとも称される。

MCHL

基本的にはびまん性病変で、小型リンパ球、形質細胞、好酸球、好中球、組織球が種々の程度で認められ、特異細胞が容易にみられ、CHLの代表的な組織像である。

LDHL

不規則な細線維状線維化を背景に著明に細胞成分の減少した中に特異細胞をみるびまん性線維化型と、多種類ながら疎な細胞を背景に多数の特異細胞やその類縁異型細胞の増殖をみる網状型がある。 LRCHL:多くは結節状増生、稀にびまん性増生を呈する。前者では小型リンパ球からなる結節に時に萎縮傾向の胚中心を有し、特異細胞は胚中心周囲の拡大したmantle zoneに散見される。特異細胞は種々でlacunar cellやL&H細胞もみられる。結節性のためにしばしばNLPHLと鑑別の対象となる。

CHLのDifferential Diagnosis: Anaplastic large cell lymphoma、diffuse large B-cell lymphoma(anaplastic, T-cell rich variant)、種々のリンパ節炎、壊死性リンパ節炎(NSHLと)等。

本邦では欧米に比してHLの発生頻度は低く悪性リンパ腫の約10%を占めるに過ぎない。明らかに男性に多いがNSHLは比較的女性に多い(1:1)。多くは頚部、次いで縦隔、腋窩リンパ節を冒すが、NSHLでは縦隔侵襲が多い。発生年齢では2峰性が知られるが各亜型ではNSHLが若年層、MCHL、LDHLが中〜高齢層、LRCHLは他亜型より高齢と各々ピークを有している。Epstein-Barr virus陽性率はMCHLで約75%、NSHLでは10-40%と低い。特異細胞の免疫形質的共通性でCHLには4亜型がある一方種々の相違点もあり、heterogenousな疾患群の印象もうける。その診断には特異細胞の出現頻度もさりながら、むしろ増殖パターンや特徴的背景に重点を置いた観察、また充分な臨床情報の把握が必要と考えられる。





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