Diffuse large B-cell lymphoma

大阪大学大学院医学系研究科病理病態学 中塚 伸一

 びまん性大細胞型リンパ腫(以下DLBL)は非ホジキンリンパ腫の30〜40%を占める最も頻度の高い悪性リンパ腫である。組織学的には、組織球の核より大きい、あるいは小型リンパ球の核の2倍以上の大きさの核を有する腫瘍細胞が既存のリンパ節構造、節外組織を破壊してびまん性に増殖する像を示す。WHO分類では細胞学的性状、細胞構成から1. Centroblastic、2. Immunoblastic、3. T-cell/histiocyte rich、4. Anaplasticに亜分類されるが、観察者間の再現性が乏しいため分類の意義については明らかでない。またWHO分類では、以上のcommon typeのDLBL以外にB細胞性の大型腫瘍細胞が増殖するものとして、Mediastinal (thymic) large B-cell lymphoma、Intravascular large B-cell lymphoma、Primary effusion lymphoma、Lymphomatoid granulomatosisを独立した疾患単位として認めている。以下、主なものについて症例を供覧する。

症例1

DLBL, Centroblastic type:頚部リンパ節
70歳台前半、男性。頚部、腹腔内リンパ節腫脹、体重減少。 WBC 7900, Hb 11.9, Plt 10.4万, LDH 241, sIL-2R 49900, CRP 1.52。



症例2

DLBL, Immunoblastic type:右腋窩リンパ節
80歳台前半、男性。B-CLL経過中の全身性リンパ節腫脹増悪。 WBC 3700, Hb 9.6, Plt 29.3万, LDH 350, Ig M 4400, M蛋白(+)。



症例3

DLBL, T-cell/histiocyte rich type:頚部リンパ節
90歳台前半、女性。頚部リンパ節腫脹。半年の間に増悪、軽減を反復。B症状なし。 WBC 3000, Hb 9.6, Plt 12.7万, CRP 0.11, LDH 225。



症例4

DLBL, Anaplastic type:左頬部腫瘤
30歳台前半、男性。ベーチェット病の既往。胸部皮膚発疹、径3cmの左頬部皮下腫瘤。Gaシンチで同部に集積。WBC 4300, Hb 13.1, Plt 28.2万, LDH 230, sIL-2R 1190。骨髄 n. p.。



症例5

Intravascular large B-cell lymphoma:鼻腔内ポリープ
70歳台後半、女性。慢性副鼻腔炎、左視神経炎で経過観察中、貧血、末血中異型細胞出現。表在、深部ともリンパ節腫大なし。肝脾腫なし。 WBC 2700, Hb 7.8, Plt 9.3万, LDH 2060, sIL-2R 3670。



症例6

Mediastinal (thymic) large B-cell lymphoma:縦隔腫瘤針生検
20歳台前半、男性。前胸部痛。レ線上、縦隔腫瘤指摘。LDH 474, sIL-2R 2060。



症例7

Primary effusion lymphoma:心嚢液
80歳台前半、女性。全身倦怠感、呼吸困難。心嚢液貯留。 WBC 6800, Hb 9.5, Plt 24.6万, LDH 134, sIL-2R 1026。



 DLBLは上記のごとくB細胞性の大型細胞のびまん性増殖を示す疾患として括られるが、実際、この範疇には多様な臨床像、病理組織像、immunophenotype、遺伝子異常を含むものが含まれており、現在の分類では、basket nameとしての一面もある。DLBLをgerminal center B-cell typeとactivated B-cell typeに分類し、これらの間の生存率の有意差を示すDNA microarray解析の近年の報告は、新たな手法に基づく臨床的に有用なDLBLの分類(あるいはcharacterization)を望む臨床家の期待感のあらわれとも考えられる。


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