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I期 「卵巣内限局発育」
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Ia
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腫瘍が一側の卵巣に限局し、癌性腹水がなく、被膜表面への浸潤や被膜破綻の認められないもの |
Ib
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腫瘍が両側の卵巣に限局し、癌性腹水がなく、被膜表面への浸潤や被膜破綻の認められないもの |
Ic
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腫瘍は一側または両側の卵巣に限局するが、被膜表面への浸潤や被膜破綻が認められたり、腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められるもの |
II期 「腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤内への進展を認めるもの」
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IIa
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進展ならびに/あるいは転移が、子宮ならびに/あるいは卵管に及ぶもの |
IIb
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他の骨盤内臓器に進展するもの |
IIc
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腫瘍発育がIIaまたはIIbで被膜表面への浸潤や被膜破綻が認められたり、腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められるもの |
III期 「腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤外の腹膜播種ならびに/あるいは後腹膜または、鼡径部のリンパ節転移を認めるもの、また、腫瘍は小骨盤に限局しているが小腸や大網に組織学的転移を認めるものや、肝表面への転移の認められるものもIII期とする」
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IIIa
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リンパ節転移陰性で、腫瘍は肉眼的には小骨盤に限局しているが、腹膜表面に顕微鏡的播種を認めるもの |
IIIb
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リンパ節転移陰性で、組織学的に確認された直径2p以下の腹腔内播種を認めるもの |
IIIc
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直径2pを超える腹腔内播種ならびに/あるいは後腹膜または鼡径リンパ節に転移の認められるもの |
IV期 「腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、遠隔転移を伴うもの」
胸水の存在によりIV期とする場合には、胸水中に悪性細胞を認めなければならない、また肝実質への転移はIV期とする」
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以下の点に注意を要する。 |
●
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腫瘍表面の擦過細胞診にて腫瘍細胞陽性の場合はIcとする。 |
●
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IcおよびIIcの症例において、その予後因子としての関連を評価するために、被膜破綻が自然か、手術操作によるものか、または腹腔内の悪性細胞が、洗浄細胞診にて判明したものか、腹水中に存在したのかを分類することは価値があると思われる。上記枠内注記事項の表現については下記の通りとする。
1C(a)
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2C(a)
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自然被膜破綻 |
1C(b)
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2C(b)
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手術操作による被膜破綻 |
1C(1)
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2C(1)
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腹腔洗浄細胞診陽性 |
1C(2)
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2C(2)
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腹水細胞診陽性 |
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●
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他臓器への進展、転移などは組織学的に検索されることが望ましい。 |
●
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腹腔内病変の大きさは最大のものの径で示す。すなわち2p以下のものが多数認められてもIIIbとする。 |
●
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リンパ節郭清が行われなかった場合、触診その他できうるかぎりの検索で知り得た範囲で転移の有無を判断し進行期を決定する。 |
●
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肝実質転移は組織学的(細胞学的)に証明されることが望ましいが、画像診断で転移と診断されたものもIV期とする。 |
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手術所見や摘出材料の病理組織学的検索により、TNM臨床分類を補足修正したもので、pT、pN、pMとして表す。 |
pT 「原発腫瘍の進展度」
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pTX
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原発腫瘍の広がりの検索が行われなかったとき |
pT0
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原発腫瘍を認めない |
pT1
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卵巣内限局発育 |
pT1a
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腫瘍が一側の卵巣に限局し、癌性腹水がなく、被膜表面への浸潤や被膜破綻の認められないもの |
pT1b
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腫瘍が両側の卵巣に限局し、癌性腹水がなく、被膜表面への浸潤や被膜破綻の認められないもの |
pT1c
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腫瘍は一側または両側の卵巣に限局するが、被膜表面への浸潤や被膜破綻が認められたり、腹水または洗浄液中の細胞診にて悪性細胞の認められるもの |
pT2
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腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤内への進展を認めるもの |
pT2a
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進展ならびに/あるいは転移が子宮ならびに/あるいは卵管に及ぶもの |
pT2b
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他の骨盤内臓器に進展するもの |
pT2c
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腫瘍発育がIIaまたはIIbで、被膜表面への浸潤や被膜破綻が認められたり、腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められるもの |
pT3
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腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤外の腹膜播種を認めるもの、
また腫瘍は小骨盤に限局しているが小腸や大網に組織学的転移を認めるものや、肝表面への転移もT3とする |
pT3a
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腫瘍は小骨盤に限局し、腹膜表面に顕微鏡的播種を認めるもの |
pT3b
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組織学的に確認された直径2p以下の腹腔内播種を認めるもの |
pT3c
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直径2pを超える腹腔内播種の認められるもの |
pN 「所属リンパ節」
所属リンパ節としては、腹部大動脈周囲(傍大動脈)節、総腸骨節、内・外腸骨節、仙骨節、閉鎖節、鼡径節などが含まれる
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pNX
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所属リンパ節転移を判定するための検索が行われなかったとき |
pN0
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所属リンパ節に転移を認めない |
pN1
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所属リンパ節に転移を認める |
pM 「遠隔転移」
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pMX
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遠隔転移を判定するための検索が行われなかったとき |
pM0
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遠隔転移を認めない |
pM1
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遠隔転移を認める |
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pTNM分類決定前に集学的治療がなされた場合はy-symbolを用い例のように示す。
*例* ypT2pN1pM0 |
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FIGO分類とpTNM分類の対比表 |
FIGO分類
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pTNM分類
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Ia
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pTT1apN0pM0 |
Ib
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pTTbpN0pM0 |
Ic
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pTTcpN0pM0 |
IIa
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pT2apN0pM0 |
IIb
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pT2bpN0pM0
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IIc
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pT2cpN0pM0 |
IIIa
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pT3apN0pM0 |
IIIb
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pT3bpN0pM0 |
IIIc
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pT3cpN0pM0/pTに関係なくpN1pM0 |
IV
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pT、pNに関係なくpM1 |
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