日本生体防御学会 概要

日本生体防御学会 会長からのご挨拶

2021年1月より赤池孝章前会長の後任として日本生体防御学会の会長を拝命いたしました。理事、監事、運営委員ならびに会員の皆様のご協力とご支援を賜りながら誠心誠意、本学会の運営と発展に努める所存です。

 本学会は1980年代に当時九州大学生体防御医学研究所の野本亀久雄教授を中心に生体防御シンポジウムが設立されたことに遡ります。その後、1990年2月3日に日本生体防御学会が正式に設立され、野本亀久雄先生、金ヶ嵜史朗先生、仙道富士郎先生、岡田秀親先生、光山正雄先生、吉開泰信先生、川上和義先生、松崎吾郎先生、赤池孝章先生らの歴代の先生方のもと、ヒトやマウスなどの哺乳類のみならず、脊椎動物、昆虫、植物、真核生物、原核生物を含めた広範な種を対象として、外来性の異物や自己成分の一部を処理し、個体の独立性と恒常性を維持する生体防御機構を把握するために、学際的で包括的な学会活動が続けられてきております。

 2020年に新型コロナウイルス感染症がパンデミックとなり、生体防御研究の重要性が益々高まっております。予防・診断・治療に関わる研究のみならず、病原体の起源や変異、そして感染拡大の予測などの問題も含めて今後の本学会で大きく議論されることが期待されます。また、従来からの感染症の問題や癌あるいは人体に影響を及ぼす化学物質の問題等も含めて、今後解決されるべき重要な課題は数多く残されております。一方で、国内では学術会議問題を含めて学問と社会との関わり方が大きく変容しつつあります。このような学術的な情勢や社会的情勢が大きく変化するなかで、本学会が学問の発展にどのように貢献できるのか、そして社会とどのように関わっていくのかについて会員の皆様と議論を交わし、時代の変化にあわせて本学会の重要性を益々高め発展させていきたいと考えています。

 昨今は基礎系の多くの学会で会員数が減少傾向にあり、それに伴い学会の統廃合も進められております。このような情勢の中でも本学会では設立の趣旨を重んじ、生体防御研究と本学会を発展させることができるような新たな取り組みを始めたいと考えております。皆様のご支援とご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

                                   日本生体防御学会会長 押海 裕之


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