2010年7月より新たな役員のもとスタート致しました。2013年の総会時までの3年間の任期となります。どうぞよろしくお願い致します。
さて、日本小児看護学会は20年を迎え、ますますその活動を充実、発展させていく時期にさしかかりました。今期の活動について、いくつか述べたいと思います。
1.委員会活動の充実:学会では円滑な事業促進のために2007年に組織改正を行いましたが、今期は新たに国際交流委員会を設けました。また、業務検討委員会の名称を小児看護政策検討委員会とあらためました。会員の皆さまの協力のもと、今日の子どもたちを取り巻く保健・医療環境、社会環境の変化に対応しつつ、小児看護学会として行わなければならないことが何かを見極め、社会に対してより一層発信をしていかなければなりません。
近々の課題としては、看護師の役割拡大に関するさまざまな論議に対し、関連学会とも連携を取りながら小児看護の方向性について検討していくこと、また2010年7月からの改正臓器移植法に対し、子どもの権利を擁護する立場からの取り組みも進めていく必要があります。健やか親子21推進事業は2014年度まで延長されましたが、本学会としての重点課題を明らかにしつつ一定の成果を上げることができるようにしたいと思います。
新たな活動としての国際交流では、アジア諸国の小児看護学会との連携や活動について検討していくことになります。
2.小児看護の専門性の向上に向けて:会員の方々が小児看護の専門性を高めるためていくうえで、本学会の果たす役割は大きいといえます。会員相互の交流を通して会員の方々が培ってきた知識や技術を集約・発信していくこと、またそれを蓄積していくことが必要と考えます。ホームページの充実を図り、臨床の方々の研究助成制度の活用を促進すること、科学的成果としての投稿論文の更なる充実などにも力を入れていきたいと考えています。
本学会は、「小児看護に関する実践、教育および研究の発展と向上に努め、それらを通して子どもの健康増進に寄与すること」を目的としています。学術団体として、小児看護の質の向上、進歩・発展に努めることができますよう、会員の皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。
日本小児看護学会
理事長 片田範子
日本小児看護学会初代会長
1991 -1994年、1995 -1997年
吉武 香代子
小児看護の喜びを共有できる看護婦の集まりを作りたいと、長い間思い続けていました。“小児を看護することの喜びは、小児の看護に真剣に取り組んだものだけに実感として理解できるものではないでしょうか。”これは、長年同じ思いを抱いていた同志たちと相談して発起人代表となった私が、1991年に書いた日本小児看護研究学会設立趣意書の冒頭のことばです。私たちは、臨床での小児看護の実践、よりよい看護を目指しての小児看護の研究、また後輩に看護の喜びを伝える小児看護の教育のどの分野で働く方も、すべて小児看護の喜びを共有する仲間と考えて、この研究学会を立ち上げました。
1991年8月にささやかな発会式が行なわれ、吉武が初代会長に推薦されて、早くも第1回の学術集会が翌年2月に行われました。このような学会を待ち望んでいた小児看護の仲間たちの熱気のようなものが感じられた、忘れられない集会になりました。
学会ニュース第1号はまさに手作りで、会長の顔は手書きのイラストでした。理事会も評議員会も活気にあふれ、集まるのが楽しくてたまりませんでした。会長を6年勤め、大学の定年退職とともに役を離れました。研究学会が小児看護学会となり、会長が理事長となったのはこの後のことです。
任期中に重視したこと
第2代の会長として、初代会長が重視した方針を受け継いで、臨床、教育、研究の調和のとれた発展を目指しました。また学会は、最初の10年から次の10年に向かう時期であったことから、新しい発展を求めて、日本学術会議への承認申請・登録を含め、いくつかの試みを始めました。
1998年
会員数 495名、
年間収入 3,562,798円、
学会誌発行 1回、
ニュースレター発行 2回
1999年
会員数 518名、
年間収入 4,653,602円、
学会誌発行 1回、
ニュースレター発行 2回、
日本学術会議に登録、
ロゴマークの正式採用、
ホームページの開設
2000年
会員数 572名、
年間収入 4,287,153円、
設立10周年記念行事挙行、
記念式典、
ワークショップ、
研究事業の開始、
名誉会員の推薦;初代会長 吉武 香代子氏、
学会誌発行を年2回とする、
ニュースレター発行2回、
「小児看護事典」(へるす出版)発行準備の開始
2004-2006年 理事長
日沼 千尋
東京女子医科大学看護学部 教授
この3年間は、日本小児看護学会の会員数が約1100名から約1600名になり、会員数が著しく増加いたしました。この期間に3回の学術集会が開催され、学会誌は6巻が発刊され58編の論文が掲載されました。また、北海道、新潟、名古屋などでも地方会が開催され活動が地方にも広がっていきました。
その他、この時期は日本の小児救急医療体制において、小児科医の不足や小児病棟の閉鎖などが原因で、危機的な問題が表面化しました。これに対して、小児救急看護認定看護師の養成機関の新設のための活動をするとともに、小児救急外来における看護師によるトリアージの有効性に関する研究にも取り組み、成果をあげました。
さらに、子どもの臓器移植に関する法律の改正に関して、ドナーとレシピエントの双方の子どもの権利が守られるよう、会員を対象とする実態調査を行い、その結果を元に学会としての見解を発表しました。
上の二つに限らず、日本の小児医療における看護師が期待される役割が急速に重要性を増しております。今後も日本の子ども達の看護の向上のために努力していきたいと考えております。
2001-2003年度、2007-2009年度 理事長
片田 範子
兵庫県立大学看護学部 教授
2001年度~2003年度にかけての3年間は、日本学術会議に登録された学会としてどのようにこどもたちの役にたっていけるのか、また、それを具体的な事業として展開できるような組織構造作りに力を注いだと思います。学会のシンボルマークに代表されるように、こどもたちの健康な生活に臨床家・教育者・研究者ともに手を携え協力しながら小児看護を発展させる礎作りでした。「健やか親子21」への参入を含め、会員の代表である評議員の皆様と連携して学会の活動を組織しました。会員数が2003年度総会では1249名となっていました。日本看護協会へ小児救急認定看護師教育課程認定案を提案し、無事教育課程が認定される運びとなり、臓器移植にかかる学会としての見解も,日沼先生を中心としてまとめていただき、引き継ぐことができました。学会が会員の持つ力で、活動をしていくという信念ができました。
2007年度からは、小児医療は、病院から地域に向けてのニーズが浮き彫りになり、急激な変化を求められる時代にあると思います。これまでも医師不足は言われていましたが、医師不足だけではなく看護がもっとできることは何かという主張です。この期は日沼理事長からの引き継ぎで、学会が委員会制度を取り始め、それぞれの事業を担当理事が任をとり、事業推進をしています。吉武香代子氏研究基金が開始され、臨床家が行う研究の推進を図ることができ、今年度から成果が発表され始めています。臓器移植法は改正されました。この法律で懸念されることを含め実践の現場からの意見を含めて再度日本小児看護学会として見解を示します。今後も人の命について看護だからいえること,小児看護だから分かち合えることを一般の人々にも知ってもらえるような工夫、方法などを提案していく検討を開始します。来年の総会では日本小児看護学会は20年を迎えます。社会へ責任を果たせる学会としてさらに成長していきたいと思っています。