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初めて医療機器安全管理責任者が責任を問われた事故について
日時: 2012/03/14 08:00:55
名前: 旭川の脇田 

 ご存じの方も多いと思いますが、初めて医療機器安全管理責任者が責任を問われたケースが報道されました。今後、このケースを引き金に医療機器や医療材料が絡んだ医療事故の責任は医療機器安全管理責任者へ向けられる方向性が出来上がるように思います。いつか来るとは思っていましたがいよいよきてしまいました。

 看護師向けの新規導入医療機器研修会や勉強会の開催は多忙な業務の中で行われるので十分な時間が取れないのが現状です。理解度も個人によって差が出ます。中途採用者への対応も部署によっては行っていますが全ての職員へ教育することは至難の業と言わざるを得ません。複数回やっても全職員を網羅することは現実問題難しいですね。相手方の都合をみながらやっているのが現状ですね。

研修会や勉強会開催においてはもっと権限が欲しいですが課長職の権限で全体を動かすのはどうでしょうか?大きな組織では職位がないと動けないことも事実です。幸いにも当院では副院長が強力にバックアップしてくれていますが、それにしても細かな部分では権限が必要な場面も出てきます。

今は大きな責任はあるけど権限がないというところも大きな問題であることは確かです。それに医療機器安全管理責任者という職責が院内で知られていないのも大きな問題だと思います。

 研修会を開いて簡易テストをしてそのテストに合格した人しか関われないようにする「院内ライセンス制」にでもすれは今よりは精度が上がりますがその態勢をつくるのは大変な作業となり、今の時点では動いても実現できる可能性は低いように思います。職員全員が危機感を持ってくれればいいのですが、やはり各部門、各スタッフ間に温度差があることは事実です。

 しかしそこまでしても事故の当事者にそんなリスクは知らなかったと言われれば、十分な教育をしていなかったあなた(医療機器安全管理責任者)の責任だ!と過失を問われる流れができつつあるように思います。つまり、精一杯やっていてもいざ事故が起こればすべてが水の泡・・・実に厳しいですね。

「院内ライセンス制」を遂行するには膨大な業務量となりますね。忙しい日常業務の合間にそれを行うことは現実問題難しい・・・

ましてや医師は忙しいので医療安全講習会や医療機器の研修会を開くと案内しても出席率が低いのも問題点です。
 たとえいろいろな研修会を開催して記録してあったとしても、いざ事故が起こると「医療機器安全管理責任者であるあなたが十分な説明を果たしていないからこういうことになったんだ!」、「お前が悪い」、「お前が犯人」的な取調べを何回も受けるというのが現実です。その精神的ダメージは計り知れません。

数十枚、数百枚の研修会開催記録を提示しても一蹴されることになるでしょう。

 今回の事故はPCPSのリスクを医師や看護師へ十分説明していなかったことが過失だと問われていますので、新規導入医療機器、医療器材のみならず、日々行われている危険な医療行為全てに医療機器安全管理責任者の責任の網が掛けられているのだと認識しなければなりません。院内あらゆる所にリスクが潜んでいます。今はリスク感性を養い、潜んでいるリスクに気付き、先手を打って安全対策を打っていくしかないわけですが・・・

 警察による責任の追及のされ方は生ぬるいものでは無く、現状を説明しても絶対に理解してもらえず、かなり厳しく逃げ場のない形で行われることが予想されます。
 結局、精一杯やっていても事故が起こればアウトです。それほど医療機器安全管理責任者の責任は大きいということです。私が国立保健医療科学院で医療安全管理者の認定講習を受けている時に、そこの教授に何度も言われたことがあります。

「医療機器安全管理責任者の責任は副院長の職責よりも重いということを認識して下さい」と・・・

当院では前例もありますのでいつ自分が警察にしょっ引かれてもおかしくないとは思っていましたが、今回の事例をみると私がこの仕事をやっている間に何度書類送検されることになるか一層不安になってきました。きっと皆さんもそう思われているのではないでしょうか?

報道では研修会を企画しても出席者が少なくやる気がなかった・・・というコメントが書かれていますが、他からの情報ではそのようないい加減な方ではなく、きちんと仕事をする方だと聞いております。やはり警察では「お前が悪い」、「お前が犯人」的な取調べを何回も受けたようで精神的ダメージが・・・

我々は現状でも精一杯頑張っていますが今後どのように展開していくべきか大いに考えなくてはなりません。


以下新聞報道を引用
河北新報 2012年03月09日金曜日 
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「心肺補助装置、研修怠る 循環器センター患者死亡事故」

 宮城県立循環器・呼吸器病センターで2011年7月に起きた医療事故は、センターのずさんな管理体制が、県警の捜査で明らかになった。県警によると、心肺補助装置の使用方法を知っていたスタッフは誰もいなかったという。捜査関係者は「人命を預かる施設として認識が甘い」と指摘する。(26面に関連記事)

 県警によると、書類送検された臨床工学技士男性(48)は、07年から医療機器の安全管理責任者を務めているという。責任者は、新しい医療機器を導入した際、スタッフに研修を実施することが求められている。

 捜査関係者によると、技士は当初、センターの看護師ら向けの研修を開催していたが、参加率が低いことなどから次第に実施しなくなったという。10年10月に導入した心肺補助装置の研修は、記録上開催したことになっていたが、実際は一度も開かれていなかった。

 県警の調べに技士は「やる気がなかった」と話しているという。結局、装置の使い方を理解しているセンターの医師と看護師はいなかった。
異状死の届けをめぐっても、県警はセンターや県立病院機構の対応を疑問視する。
捜査関係者によると、電源プラグが外れていたことは別の看護師が確認していたという。電源が失われ、装置が止まったにもかかわらず、主治医(33)は病死の死亡診断書を作成。一方で、センターは事故の翌日、機構へ医療事故と連絡していた。

 県警は事故直後の7月29日にセンターと機構を捜索。ことし2月15日には、センターの臨床工学室などを再捜索した。機構の菅村和夫理事長は「事故を重く受け止め、再発防止に万全を期したい」との談話を出した。

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メンテ

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Re: 初めて医療機器安全管理責任者が責任を問われた事故について ( No.1 )
日時: 2012/03/14 14:31:43
名前: 熊本の村上 

自分では医療機器安全管理責任者の責任の重さを十分に認識していたつもりですが、この様なことが起こるとたまりませんね!HRが上がりました。生命維持管理装置だけでもCEが必ず従事(操作)するとか、医療機器の教育研修を受け完全にマスターしたスタッフ(医師、看護師、コメディカル等)がいないとできない体制が必要ですね。また、すぐには無理ですが24時間体制で臨床工学技士が働く環境づくり(看護師同様に3交代制や完全当直体制)が必要かと思いました。とにかく現状ではMRMの協力を得ながら研修の徹底やその他の安全対策を強化したいと思います。
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Re: 初めて医療機器安全管理責任者が責任を問われた事故について ( No.2 )
日時: 2012/04/06 15:08:32
名前: ひろおの3110 

医療センターでは交代制勤務(夜勤)を実施していますが、意外と夜間の問い合わせが多い、との印象を受けています。
人工呼吸器について以外にも、血液浄化や補助循環の相談を、若手の看護師からばかりでなく、救急医や麻酔科医からも来ます。結果的に急性血液浄化の導入や補助循環の導入が増えました。
平日日中の研修は必須ですが、医療の現場では、夜間の手薄なときに技士夜勤者の存在は、心強いようです(笑)
技士側も、より幅広く知識や技術の周知(専門分野以外の知識吸収)が必要となります。

前述にある、「医療機器安全管理責任者の責任は副院長の職責よりも重いということを認識して下さい」との言葉は、重き教訓として、医療機器安全管理責任者となっている方のみならず、医療機器管理に携わる私たち全ての技士への教えとして心の中心に留め、日々の業務にあたっていきたいものです。

院内院外を問わず使えるものは使って、リスクの回避に努めて参りましょう。

しかし・・・それでもリスクは潜んでいるのです。

メンテ
Re: 初めて医療機器安全管理責任者が責任を問われた事故について ( No.3 )
日時: 2012/04/10 16:36:22
名前: 姫路の三井 

研修と言えば、企画、会場押さえ、広報、講習、自習etc相応の労力が必要です。

当院での、医療機器に関する研修は、ここ数年、医療安全推進室(専従の事務員さん)が準備(特に大変な雑用・広報)してくれるので助かっています。今年の研修日程を書いておきます。

 ・4/17、18 輸液ポンプ・シリンジポンプ取扱研修
 ・5/15、16 モニタ機器取扱研修
 ・6/19、20 酸素療法研修
 ・8/2、3  PCAポンプ取扱研修
 ・10/2、4 人工呼吸器取扱研修

その他、静脈注射院内認定看護師コースの一部に関わっております。
出来るだけ責任を分散できるようにするには、医療安全推進室や看護部を巻き込んで研修をするべきでは?と感じています。
メンテ

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