日本医学図書館協会

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JMLAの紹介:会長のあいさつ


紹介

会長のあいさつ

目的・事業

医学図書館員のための倫理綱領

会員種別

役員・委員会・評議員会

地区会・名誉顧問・会友

組織・構成

定款(全文)

中央事務局
●日本医学図書館協会会長就任にあたって
日本医学図書館協会会長 福井 次矢
 今般,特定非営利活動法人日本医学図書館協会の会長職に就かせていただきました。私はこれまで,本協会の組織的活動に関わった経験はありませんが,理事の皆様のご推挙を受け,このような大役をお引き受けすることになりました。本協会の定款第3条によれば,保健・医療その他の関連領域の「図書館事業の振興」と「情報の流通に関する調査,研究,開発の推進」が本協会の存立目的とされていますので,その目的に沿って,理事,評議員の皆様のご支援を得て,会長としての職責を果たして行きたいと思います。
 私は,1980年代前半に,米国の病院で一般内科の臨床に携わりながら,臨床疫学(後のEvidence-based Medicine:EBM)や決断科学(Decision Sciences),公衆衛生学などの学問分野に触れる機会を持ちました。その折に,米国には国立医学図書館(National Library of Medicine:NLM)があり,何百人ものスタッフで,世界中の医学文献をデータベース化していることを聞きました。その膨大な作業にかかる時間や人件費を考えただけでも,国としての凄みを感じましたが,当時は,個人的には,その恩恵はかなり限られた場面でしか感じられませんでした。しかし,1990年代後半から,無料でインターネットを介したPubMedにアクセスできるようになると,一日とて,PubMedなどNLMのサービスなくして仕事を済ませることができなくなりました。何十年も前から,将来を見越し,多大な投資をしてきた米国の底力に脱帽するばかりです。
 一方,わが国には,米国のような国立医学図書館はありません。いわんや,そのような規模の,世界の医学・医療界に貢献するような国家的大プロジェクトなど,わが国の政治家や官僚に期待しても無駄なことは火を見るよりも明らかでしょう。当協会では,以前より「国立医学図書館(仮称)検討委員会」,次いで「国立ライフサイエンス情報センター(仮称)推進準備委員会」が設置され,良質な保健医療情報が一般市民へ広く流通していくための事業を進めるべく,さまざまな機能や事業計画を提言しています。国全体を視野に入れた組織でさえあれば,たとえ理想的なものでなくとも,とりあえず設立することが重要ではないかと私は考えていて,このプロジェクトについては何らかの貢献ができることを願っています。
 いまや,電子媒体の普及により,医学・医療・健康関連の情報は氾濫状態にあります。一般的に,研究者から一般の人々まで,それらの情報のユーザーは,必要な情報を見出し,評価し,必要なものを貯え,必要時に容易にアクセスできることを求めます。このフレームで考えるなら,情報の検索・貯蔵とアクセスは電子化の発展を取り入れた図書館機能で対応できますが,情報の信憑性評価についてはadd-onの対応が必要になります。私は,個人的には,国立ライフサイエンス情報センター(仮称)が作られるとしたなら,医学・医療・健康に関わる膨大な情報を,その信憑性について評価し,研究者や一般の人々が,怪しげな情報に惑わされることが少なくなるような工夫を組み込むことが最も重要ではないかと思っています。
 米国のテキサス大学には,独立した大学院の一つとして生物医学情報学大学院(School of Biomedical Informatics)があります。ゲノム情報から健康情報まで幅広く医学関係の情報を扱う専門職,研究者養成のための大学院で,私はたまたまそこの客員教授(Adjunct Professor)をしていますが,情報学が医学・医療の中でますます大きな位置を占めるであろうことを強く予感しています。
 本協会の目的が達成されますよう,微力ながら努力したいと思います。会員の皆様のご支援をいただきたく,よろしくお願い申し上げます。


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