このたび『第38回日本消化器内視鏡学会近畿セミナー』を担当させていただく近畿大学奈良病院の水野成人です。今回のセミナーはCOVID-19の流行期に準備が進められたため、Web開催とするよう日本消化器内視鏡学会から指示をいただきました。
セミナー自体はウェビナー(Webinar)という言葉がすでにあるように、オンライン配信と相性がいいものです。しかし、近畿支部としては初めての経験であり、内藤裕二支部長をはじめ支部事務局の皆様、先行してWebセミナーを開催する関東セミナー谷中昭典会長、東海セミナー柴田知行会長にいろいろとご指導いただきました。心より御礼申し上げます。
消化器内視鏡は、「診断」を目的として開発されましたが、現在では「低侵襲治療」のツールとして消化管領域・胆膵領域の診療において非常に重要な役割を果たしています。 私たち内視鏡医は、所属組織や学会・研究会などでの有形・無形の教育を通して、安全性を保ちながら効果的な内視鏡診療を行うための知識と技術、さらに文化のようなものを学び、伝えてきました。一方、新しい知識や技術の開発によって内視鏡診療は絶えず進歩しています。新規の内視鏡機器・技術・処置具・周辺機器に加えて、AIの導入など、これからの内視鏡診療は効率的であると共により低リスクを目指して発展することが期待されます。今回の近畿セミナーでは、「安全で効果的な内視鏡診療 -その継承と発展-」というテーマを設定しました。各領域の第一線で活躍されている先生方にご講演をお願いし、内視鏡診療に関してぜひ伝えていきたいこと、今後の発展に向けた課題などをお話しいただきます。
今回の近畿セミナーでは、約1か月のオンデマンド視聴期間を設けました。お好きな時間にお好きな場所で何度でも視聴できるというWebセミナーのメリットを享受していただけるものと思います。その一方で,画像・音声などがご参加の皆様に十分満足していただけるか不安でもあります。8月23日の公開まで、より質の高いWebセミナーとなるように努力を続けていく所存です。本セミナーが専門医を取得あるいは更新される先生方の内視鏡診療のお役に立てること、そして今後主流となる可能性が高いWeb形式の学会セミナーとしてご評価いただけることを心から願っております。
第38回日本消化器内視鏡学会近畿セミナー 会長水野 成人
近畿大学奈良病院 内視鏡部